カテゴリ

2025年6月 2日 (月)

記者会見

17時からは記者会見が開かれました。

20250602a7302367_2 (杉本六段)

――4月の下旬に棋聖の挑戦権を獲得した。これまでの1ヶ月間をどのように過ごしてきたか。
初めの1、2週間は和服やスーツを作ったりとか、対局以外のことをこなす時間も多かったんですけれども、対局が近づくにつれて徐々に藤井棋聖の対策を立てる時間をかなり重視するような生活になっていきました。

――藤井棋聖はどんな対戦相手だと思うか。
棋譜を見ていても全くスキが見当たらないといいますか、最強の相手といいますか、そういった印象があります。自分がいかにその相手に対してバランスを崩さずに食らいついていけるかが、かなりポイントになるかなとは思っています。

――抱負について。
先ほど検分で藤井棋聖と盤を挟む瞬間がありまして、やはり画面越しではない直接の雰囲気というものを少し感じ取ることができました。徐々に自分としても戦う気持ちが高まってきたところであります。明日は自分の出せる力を精一杯出して、全力でぶつかりたいなと思っています。

――棋聖は、師匠の米長邦雄永世棋聖の初タイトル。どんな気持ちか。
師匠にとって棋聖戦はゆかりのあるタイトルです。明日は師匠の和服をいただいたものを着用する予定で、師匠のパワーを少しは感じられたらよいかなとは思っています。

――歴史的な建造物、金谷ホテルでの対局となる。印象はどうか。
金谷ホテルさんは挑戦が決まった瞬間から来られることをすごく楽しみにしておりました。実際に部屋にうかがうと、とても1人で泊まるのがもったいないぐらいの素晴らしい部屋でした。こうした歴史的な空間で将棋を指せるということは、すごく棋士冥利に尽きるなと感じる次第です。また、日光全体の街並みもすごく自然が豊かでした。最近、家でパソコンを触る時間が多くて、ちょっと疲れたところにいい気分転換ができたかなとは思います。

――振り飛車にファンの方々が期待している。藤井棋聖にとっても振り飛車党との対戦は非常に珍しい。自分の武器をどういう風に盤上に表現していくのか。
これが武器というのもなかなか難しいんですけども、うーん……。序盤の戦略であったり、終盤の粘り強さみたいなものは持ち味かなとは思っていて。そういった自分の持ち味みたいなものが発揮できる展開になれば面白いかなとは思っています。

20250602a7302378_2(藤井棋聖)

――先日まで名人戦七番勝負が行われていた。棋聖戦五番勝負を迎えるに当たってのコンディションはどうか。
比較的、日を置かずに迎えるということにはなりました。体調としても問題なく臨めそうだなと思っています。

――挑戦者の杉本和陽六段は、菅井竜也八段に続いて久しぶりの振り飛車党とのタイトル戦。振り飛車党との対戦、杉本六段の印象について。
振り飛車党とのタイトル戦はかなり久しぶりのことになります。杉本六段との対局も久しぶりで、新鮮なシリーズになるのかなと思っています。

――今期の五番勝負の抱負について。
対抗形の展開がメインになるかなと思っています。どういうふうに序盤戦、中盤戦が進んでいくかは、やってみないとわからないところもあると思うので、その中でしっかりと読みを入れてよい手を見つけられるように頑張っていきたいです。

――歴史的な建造物、金谷ホテルでの対局となる。印象はどうか。
非常に歴史のあるホテルということで、今回うかがうことを楽しみにしていました。雰囲気も素晴らしくて、対局に集中して臨めそうだなと感じています。

――棋聖戦の賞金額が上がったことについて。
驚きの気持ちもあったんですけども、本当にすごくありがたい、このことだと感じています。また、対局者としてより一層気持ちが引き締まるところもあるのかなと思っています。ただ、対局に臨む上では自然体が一番いいのかなと思っているので、明日からそういう気持ちで一生懸命頑張りたいなと思っています。

(書き起こし=紋蛇、写真=玉響)

対局検分

16時頃、対局室の検分が行われました。検分では使用する盤駒、室温や騒音などが対局を行うに当たって問題ないかを確認します。今回は照明がやや明るいとのことで、調整がなされました。

20250602a7302279

20250602a7302293(藤井棋聖)

20250602a7302318(杉本六段)

20250602a7302296(玉将を置く杉本六段。互いに駒の感触を確かめた)

20250602a7302332

(左から正立会人の藤井猛九段、副立会人の近藤正七段)

20250602a7302344(検分は滞りなく終了した)

20250602a7302349(本局の使用駒は日本将棋連盟所蔵の掬水作・水無瀬書の盛上駒)

(玉響) 

コーヒーブレイク(2)

Dsc_5019_2(吉田響三段が考えていたのは……『詰将棋パラダイス 2025年5月号』に掲載された、藤井猛九段の詰将棋。藤井猛九段に「解きましたか?」といわれたそうだ) 

※当初は「藤井棋聖にいわれた」としていましたが、藤井猛九段の誤りでした。お詫びし、訂正いたします。

Dsc_5027(談笑の声が響く中、黙々と考える)

Dsc_5030

(「ぜひ、駒を動かしてください」と藤井猛九段。『詰将棋解答選手権・チャンピオン戦』を見ていると、棋士・女流棋士・奨励会員は問題図のまま考えるのが暗黙のルール。作者の言葉には、自信が感じられる)

(紋蛇)

コーヒーブレイク(1)

日光金谷ホテルに到着後、関係者は2階の「メインダイニングルーム」でコーヒーを片手に休憩しました。森に囲まれた景色を眺めながら穏やかな時間が流れ、世間話に花を咲かせました。

Dsc_5023

Dsc_5024

Dsc_5026(杉本六段も参加した。藤井棋聖は自室でゆっくり過ごしたようだ)

(紋蛇)

日光金谷ホテルに到着

日光東照宮で祈祷を終えた両対局者は、対局場の「日光金谷ホテル」に向かいました。

20250602a7302146

20250602a7302132

(玉響)

日光へ

対局者を始めとした関係者一行は、都内から特急列車で東武日光駅に向かいました。その後はマイクロバスで日光東照宮に移動し、拝殿の「将軍着座の間」で必勝祈願の祈祷をしました。そちらの模様は、明日の対局当日にご紹介いたします。

20250602a7301950 (東武鉄道の特急「スペーシアX」の前で記念撮影)

20250602a7301927_2(最前列左から副立会人の近藤正七段、正立会人の藤井猛九段、現地大盤解説を務める戸辺七段)

20250602a7301960

20250602a7301974_2

20250602a7301975(東武日光駅には12時前に到着した)

(玉響)

動画中継情報

対局当日はABEMA、囲碁将棋プラス(YouTube)、囲碁・将棋チャンネルで動画中継されます。また、囲碁将棋プラスの無料LIVEでは特別企画として「棋士とつながるチャット観戦」が実施されます。配信ページのチャット欄に届いた質問に棋士が答えます。今回の担当は齊藤優希四段です。

<ABEMA>
時 間:08:30~23:00
解 説:屋敷伸之九段、佐々木慎七段
聞き手:室谷由紀女流三段、山口仁子梨女流1級

https://abema.tv/channels/shogi/slots/BhtRSwCRhNMM27

<囲碁将棋プラス>
時 間:08:40~終局まで
解 説:佐藤天彦九段、黒沢怜生六段
聞き手:脇田菜々子女流初段

【無料LIVE】
https://www.youtube.com/live/gQZaNCW2bDw
【無料 棋聖戦AIプラス(候補手常時表示)】
https://www.youtube.com/live/MpowRr7RMHw

<囲碁・将棋チャンネル>
時 間:08:45~12:00
※延長の場合あり。放送内容は囲碁将棋プラスと同じです。

https://www.igoshogi.net/shogi/live/96kisei.html

(玉響)

=== Copyright (C) 2009 >>> The Sankei Shimbun & Japan Shogi Association === All Rights Reserved. ===