(副立会人の勝又清和六段)
木村 沼津は3年目ですね。一昨年から始まって、……来年もあるのかな?(会場拍手)この拍手の数で決まりますね。さて、一昨年は羽生渡辺、昨年は羽生森内、どっちも羽生棋聖の2連勝で迎えているんです。五番勝負ですからカド番ですね。あとひとつ勝てば終わりという状況なので、ちょっとピリッとするんですね。ところが今回は両者1勝1敗。だからダラッとするわけじゃないですけれども、1局で決まるというわけではないので、立会人として非常に気楽だなと。負けたら終わりというようなプレッシャーがかからないので、内容がいい対局が見られるのではないかと思います。勝又さん、このシリーズ後手が勝っているんですよ。将棋は先手必勝じゃないんですか。勝敗予想はどうですか。
勝又 勝敗予想ですか。強い人が勝ちます。
木村 じゃあ井道さん。
井道 えっ、わからないです。
木村 そう、わからないんです。第2局で豊島さんが勝ったというのが、このシリーズを大変面白くしているような気がします。戦型予想は羽生棋聖が飛車を振ることはないでしょうから、相居飛車かなという感じがするんですが、こってりした勝負が見られるのではないかという気がしています。終了時間も、まずまずお互い持ち時間を使い切って遅い終局になっているので、熱戦が期待できるのではないかと思います。
勝又 今回木村八段は立会人、私は副立会人ということで、解説にいろいろな棋士に協力していただいています。中尾五段、佐々木五段、どうぞ。
(佐々木勇気五段)
中尾 よろしくお願いします。沼津支部の師範をやらせていただいてます。
木村 明日の戦型はどうでしょう。
中尾 ここまで2局とも矢倉の戦いでしたので、第3局も矢倉になるのかなと。
木村 次、佐々木勇気さんです。佐々木さんは去年立ち会いを務められました石田九段のお弟子さんです。一番かわいがられているということです。戦型予想は。
佐々木 この2局はどちらも力の勝負というか、古い将棋が多かったんですけども、そろそろ最新形、研究勝負が見られるのではないかと思います。勝負どころで流れを変えるような、そういう戦型を見られるかなと思います。
勝又 明日は交代で解説を務めさせていただきます。よろしくお願いします。
(書き起こし=文、写真=紋蛇)
(紋蛇)
(対局者決意表明。まずは羽生棋聖)
どうも皆さんこんばんは。第86期棋聖戦五番勝負第3局の前夜祭、このように盛大に開催をしていただきまして、誠にありがとうございます。こちらでの開催は3年連続ということで、毎年盛大に、熱意あふれる歓迎をしていただいています。私もいろいろな場所で対局をするのですが、このように大きな規模で前夜祭が行われるというのは非常に稀なことで、そういう意味でもこちらの方に厚く御礼を申し上げたいと思います。先ほどから林さん、実行委員長自らが司会をされているというのはなかなかないと思うんですけども、本当に毎年お世話になっております。
今日は前夜祭ということで、限られた時間ではありますけども、皆さまと交流の機会を持ちたいと思っています。明日は天気がどうなるかわからないですけども、対局が行われると同時に大盤解説会も行われるということになっています。ぜひたくさんの方に、将棋のタイトル戦がこんなふうに行われているんだと少しでも知ってもらえたらうれしいなと思います。同時に将棋の面白さを幅広い世代の人たちに伝えていければと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
皆さまこんばんは。本日はたくさんの方にお集まりいただきましてありがとうございます。
私が沼津に来たのは今日が初めてなんですけども、今日ここに来る前に対局場を検分させていただきまして、歴史と趣のある対局場で感激しました。前夜祭が340名、盛大な前夜祭を開催していただきまして、また感激しました。明日は皆さまの期待に応えられるような、対局場にふさわしいようないい将棋を指せるように頑張りたいと思います。関係者の皆さまには今日、明日お世話になります。よろしくお願いいたします。
(書き起こし=文、写真=紋蛇)
(紋蛇)