感想戦後に羽生棋聖への共同インタビューがありました。
―― 今期で大山先生の7連覇を抜きました
羽生 私も大山先生の7連覇をリアルタイムで知っているわけではないので、感覚的にはピンとこないですが、たくさん記録を残されているので、ひとつ追い越すことができてよかったと思います。
―― 若い人とのタイトル戦は大変だと思うのですが、工夫されていることなどはありますか。
羽生 世代が違うと、局面をみたときのとらえ方や感覚に微妙にずれがあるので、あまり意表をつかれないようにと。そういうことは大事だと思っています。
―― (上の質問に続いて)終盤戦に関してはいかがですか。
羽生 あまり気にしても仕方がないので、思い切って指すように心がけています。
―― タイトル獲得数が92期になりました。100期に近づいています、
羽生 あと1期となれば意識もするでしょうが、いまの段階ではまだ先の話なので、現実味のある段階ではないのかなと思っています。
―― 本局の▲6二歩成について、羽生棋聖は感想戦で「恥ずかしい」という言葉を使っていましたが、それでも歩成りを決断した心境を教えてください。
羽生 その局面では歩成り以外に手がありませんでした。取られても大損で、あの局面はかなりダメというか、本譜のようになると思っていたので、仕方ないという気持ちで指していました。
―― 豊島七段が将棋を始めたきっかけが「羽生先生のテレビを見て」ということですが、それはご存じでしたか。また、そのような棋士が現れたことについての感想はありますか。
羽生 それは知りませんでした。私自身も棋士になって30年ですし、そういう人たちが現れても自然なことだと思っています。
(牛蒡)
―― 相掛かりになりましたが
羽生 矢倉が続いていたので少し違うことをしようと。具体的な形は実戦の中で考えていきました。
―― 棋聖8連覇は歴代1位記録になります
羽生 終わったばかりで、まだ実感がありません。よかったなと思います。
―― 勝てば8連覇という意識はありましたか
羽生 本局は途中苦しいと思っていましたし、(勝てば8連覇という)そういうことを考える余裕はありませんでした。
―― タイトル戦でも若手との対戦続くようになりましたが
羽生 必然的なこと、自然な流れだと思っています。自分は一生懸命やっていくだけです。
―― シリーズを通して対局の感想をお願いします
羽生 1局目も2局目も非常にきわどい将棋でした。矢倉の古風な形になったので懐かしい思いで指していました。
―― 今後の目標を教えてください
羽生 ひとつひとつのことなので、棋聖戦に関しては来年の防衛戦を頑張るということですし、他の棋戦も防衛戦が続くので、そちらのほうに集中して、ということになります。
―― 今日の結果を振り返ってください
豊島 △6八歩と王手した手が悪かったです。(攻め急いだかと問われて)そうですね。
―― それまではいかがでしたか
豊島 はじめは桂損なので自信がなかったですが、意外に難しかったかもしれません。そのあとは分からなかったです。
―― タイトル戦としては3度目の挑戦、残念な結果になりましたが
豊島 前回の王座戦から(勉強方法や指し方など)いろいろとやり方を変えたのですが……。
―― シリーズを通しての感想は
豊島 先手で勝てなかったのはまずかったです。
―― 今後について
豊島 また工夫して頑張ります。
(あいさつのために大盤解説場へ。その後、対局室に戻って感想戦が始まった)
(牛蒡)
99手まで羽生棋聖が勝ちました。これにより3勝1敗で8期連続、通算14期目となる棋聖位防衛を果たしました。終局時刻は18時40分、消費時間は▲羽生3時間51分、△豊島3時間52分。
(八雲)
図から△4四歩▲同銀△5六銀不成▲同金と進みました。以下△5四金は▲4三桂が厳しく先手勝勢です。「△4七銀から△5八銀打が重かったか」と田中寅九段。△4四歩から△5六銀不成については「豊島さんがなにか錯覚しているはず」と続けました。