昼食休憩
12時になり、図の31手目▲2四歩の局面で斎藤七段が46分考えて昼食休憩に入りました。ここまでの消費時間は▲糸谷八段25分、△斎藤七段1時間17分。昼食の注文は糸谷八段がチキンステーキ&白身魚フライ(サービスランチ)、斎藤七段が他人丼セット(温そば)。対局は12時40分に再開されます。
(夏芽)
12時になり、図の31手目▲2四歩の局面で斎藤七段が46分考えて昼食休憩に入りました。ここまでの消費時間は▲糸谷八段25分、△斎藤七段1時間17分。昼食の注文は糸谷八段がチキンステーキ&白身魚フライ(サービスランチ)、斎藤七段が他人丼セット(温そば)。対局は12時40分に再開されます。
(夏芽)
続いて斎藤七段の将棋を振り返ります。棋聖戦成績は15勝4敗(勝率0.789)で、今期は二次予選からの出場で井上慶太九段、金井恒太六段、北浜健介八段を破って、決勝トーナメントに進出しました。
◆1回戦:森内俊之九段戦(2017年3月28日)
森内九段の矢倉に対し、斎藤七段は得意の「左美濃急戦」で挑みますが、鉄板流の巧みな受けの前に苦戦に陥ります。ところが第1図の森内九段が打った▲5三桂が大錯覚。代えて▲4六飛なら先手優勢とのことでした。本譜は△5三同角▲4五桂△4四角と進んで一気に形勢が逆転。最後は4四にかわした角が寄せに働き、斎藤七段が2回戦に進出しました。
◆2回戦:木村一基八段戦(2017年4月7日)
木村八段との将棋は横歩取りでした。端桂を跳ねて積極的に動こうとする斎藤七段に対し、木村八段は角道を止め、緩やかな流れに持ち込みます。中盤以降は互いの歩の手筋が乱れ飛び、難解な形勢のまま終盤戦にもつれ込みます。最終盤の第2図。ここで△9八飛成▲6七玉△8九角なら後手勝ちでしたが、実戦は△8九角▲6九玉△7八歩だったため、▲6七桂が次の▲5五桂の王手を見た絶好の一手になりました。
◆準決勝:郷田真隆九段戦(2017年4月18日)
郷田九段との将棋は角換わり腰掛け銀の先後同型(▲9五歩△1五歩型)。先手の斎藤七段が先攻し、この戦型特有の激しい攻め合いへと進展します。途中、斎藤七段に指しすぎの一手が出て流れは後手に傾きますが、そこから粘り強い受けを見せて大激戦に。最後は両者一分将棋の中、161手で斎藤七段が逃げきり、挑戦者決定戦に駒を進めました(第3図は投了図)。
(夏芽)
両対局者の準決勝までの将棋を振り返ります。
糸谷八段の棋聖戦成績は22勝10敗(勝率0.688)。前期ベスト4によるシードで、今期は決勝トーナメントからの出場でした。
◆1回戦:松尾歩八段戦(2017年3月22日)
松尾八段との将棋は相掛かり。先手の2八飛型に対し、後手の糸谷八段は飛車の活用で歩得を果たします。作戦勝ちからペースをつかみ、迎えた第1図。ここで△3一歩▲7四歩△8四角とあっさり銀を取らせたのが好判断でした。次に△6八銀と打ち込む攻めがあり、さらには6六の銀も質駒で先手は受けが難しくなっています。実戦は△8四角に▲7五銀打△6八銀▲同金△同歩成▲同玉△3八竜と進んで、糸谷八段が寄せきりました。
◆2回戦:広瀬章人八段戦(2017年4月4日)
広瀬八段との将棋は相矢倉の出だしから、後手の糸谷八段が腰掛け銀に構えて急戦調の展開に持ち込みます。互いに強気の攻め合いが続く中、勝負の明暗を分けたのは第2図。本譜、糸谷八段は△2七銀不成とタダの場所に銀を捨て、以下▲同飛△6八銀▲5五金△7七銀成▲同桂△7九角打と進んで流れを引き寄せました。途中、先手の▲5五金が危険な一手で、代えて▲6七金と引けば難しかったようです。
◆準決勝:佐藤康光九段戦(2017年4月19日)
佐藤康九段(永世棋聖)との将棋は角換わりで、早い段階で▲3七桂~▲4五桂と仕掛けていきました。過去の自身の前例をなぞる展開で、序盤から一貫した早指しでペースをつかみます。第3図から▲2四歩△1二銀▲2三金△2二歩▲1二金△同香と進み、そこでさらに▲2三銀を打ち込んだのが強手。以下△同歩▲同歩成△同金▲同飛成と竜を作ることに成功し、そのまま押し切りました。本局、糸谷八段のトータル消費時間は「59分」でした。
(夏芽)
本局の戦型は横歩取りになりました。先手の糸谷八段は△3三角に対して▲6八玉。この玉上がりは「勇気流」と呼ばれており、佐々木勇気五段が得意としている形です。本譜は▲6八玉以下△2二銀▲3六歩△8二飛▲3五飛と進んでいます。
(夏芽)
◆糸谷 哲郎(いとだに てつろう)八段◆
◆斎藤 慎太郎(さいとう しんたろう)七段◆
(夏芽)