13時37分、長考していた斎藤七段が、47分の考慮で△5五角と打ちました。この手は香取りなので先手は▲8八角が第一感の受けですが、そこで後手は(1)△8五飛、もしくは(2)△3七角成が狙いではないかと言われています。
ここまでの消費時間は▲糸谷八段28分、△斎藤七段2時間9分です。
(天井カメラの映像。△5五角を打たれて、糸谷八段(右)がスーツの上着を脱いだ)
(夏芽)
本局の両者は、昨年8月にマイナビ出版から『糸谷&斎藤の現代将棋解体新書』という本を発売しています。矢倉、横歩取り、角換わり、そして振り飛車における27のテーマ図を題材に、互いの見解や将棋観を述べ合った一冊です。
本書の「まえがき」で、糸谷八段は「幅広い分野をカバーする斎藤六段(当時)の研究、棋士である私から見て感心の声しか上がりません」と書き添えており、斎藤七段は「糸谷先生と意見交換するところでは、私自身楽しく参加させていただきました」と記しています。高段者向けですが、そのぶん読み応えのある内容です。
【糸谷&斎藤の現代将棋解体新書(マイナビBOOKS)】
https://book.mynavi.jp/ec/products/detail/id=59133
さらに斎藤七段は先週、同じくマイナビ出版から新刊『矢倉左美濃急戦・基本編』を発売しました。今期の決勝トーナメント1回戦(森内俊之九段戦)でも用いられた戦法で、矢倉党、そして攻め将棋を好む方にお勧めの一冊です。
【矢倉左美濃急戦・基本編(マイナビBOOKS)】
https://book.mynavi.jp/ec/products/detail/id=65956
(夏芽)