両対局者が退出したあとに参加棋士たちが明日の展望を語りました。
(左から室田女流二段、青野照市九段、藤井猛九段、佐藤康九段、勝又六段、青嶋未来五段、渡辺和史三段)
青野九段「三冠対二冠の対決、じゃないんですね。挑戦者になった時点でタイトルを獲る可能性があるし、タイトル保持者は失うかもしれないので、タイトルを横に置いて勝ったほうが持っていくようなものです。2.5冠対2.5冠の対決で、ここまで1勝1敗の互角。今年の将棋界を占う大きい勝負だろうと思います」
藤井猛九段「今年は居飛車のシリーズなので(振り飛車党の私が)予想してもしょうがないと思うんですけど(苦笑)いい勝負になるでしょう。相掛かりでお願いします」
佐藤康九段「戦型予想は角換わりです。10時30分には角と歩以外の駒が交換になって、11時過ぎには終盤戦になると思います」
勝又六段「第2局は観戦記を務めました。すぐ戦いになりましたけど、そこから長かったです。相掛かりを予想します」
青嶋五段「沼津には3年連続で呼んでいただきました。私の出身は隣の三島市で、今年度から沼津支部の師範を務めさせていただくことになりました。戦型は雁木を予想します。沼津対局は毎回大熱戦になる印象があります」
渡辺和三段「相掛かりを予想します。いちばん近いところで対局を見られるので、少しでも吸収したいです」
(書き起こし=紋蛇、写真=琵琶)
「沼津にくるのは3回目で、いずれも棋聖戦です。毎回、このように豪華な前夜祭を開催していただいています。また対局会場の沼津倶楽部様は歴史のある場所ですし、和風の落ち着いた空間で将棋を指すのに本当にぴったりな場所だなと思っています。シリーズは1勝1敗で、ここから改めて三番勝負という形になっています。明日の第3局が非常に大事です。自分のよさである思いきりのよさ、積極性を出していって、明日の第3局を頑張っていければと思っています」
「私は対局で沼津にくるのは第84期棋聖戦以来2回目です。そのときは沼津倶楽部での1回目の開催で、こちらの会場の前夜祭は今回が初めてです。大勢の人がくると聞いてはいたんですけど、初めて目の当たりにしまして、地元の皆様の熱気をひしひしと感じております。前回きたのは6年前で、対局場に久しぶりに入りまして、海の音が聞こえてくるような静かな場所で、タイトル戦にふさわしい会場を用意していただいて、ありがたく思っています」
(書き起こし=紋蛇、写真=琵琶)
18時からリバーサイドホテルで前夜祭が行われました。参加者が300人以上を数える盛大な前夜祭は初夏の風物詩となっています。
(開会のあいさつは宇野統彦・開催実行委員会副委員長が務めた)
「毎年、盛大に開催させていただくことをありがたく思っています。楽しんで、今夜の前夜祭を盛り上げてください」
(主催者あいさつの堀晃和・産経新聞社東京本社文化部長)
「こんなにも大勢の方に前夜祭にお越しいただきまして、ありがとうございます。五番勝負が始まる前からキャッチフレーズがありまして、それは頂上決戦です。豊島さんは三冠、渡辺さんは二冠で、挑戦者が勝てば逆転します。人の想像を超えるような一手が繰り出されるのを期待しております」
(佐藤康光・日本将棋連盟会長の主催者あいさつ)
「私は一昨年に前夜祭に初めて参加させていただきまして、人数の多さと豪華さにびっくりしました。今年も変わらずに続けていただき、ありがたいと思っております。第1局と第2局は熱戦で、最後までどちらが勝つかわからないような状況が続き、さすがタイトルホルダー、トッププロ同士の対局だと実感しました」
(特別協賛者あいさつの西浦三郎・ ヒューリック株式会社会長)
「棋聖戦、清麗戦、将棋会館(ヒューリックが所有する千駄ヶ谷駅前のビルに移転する予定)と、いろいろな意味でお付き合いが深くなってきました。将棋は日本の文化でありますので、我々もできる限りのことは支援させていただければと思います」
(開催地の歓迎あいさつは賴重秀一・沼津市長が務めた)
「7回目の沼津対局は名誉なことで、沼津市民を代表して御礼申し上げます。将棋は歴史と伝統を大切にされながら、コンピューター将棋ソフトを活用して将棋の研究をされていると伺っており、新しい時代の流れに沿った取り組みを行っていることは、私たちも学ぶことが多いです。沼津市もリノベーションによる街づくりを進めておりまして、対局会場の沼津倶楽部も新旧が合わさった素晴らしい雰囲気が醸し出されている会場です」
(書き起こし=紋蛇、写真=琵琶)