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2020年6月28日 (日)

鬼辛抱

202004_072△4七歩成(図)も厳しい手です。▲同金は△5八角、▲同飛は△6九角で先手は収拾がつきません。実戦は▲5九金の鬼辛抱でした。と金を残すのはつらいですが、後手もおそらく読みにない手のはずで、読み直しが求められそうです。藤井七段の残り時間は11分。

Dsc_1796

後手優勢

202004_069難解な戦いが続いていましたが、図で△7五桂が厳しいとの評判。「痛い」「それは痛い」と検討陣の誰もがつぶやいています。先手は65手目▲9六歩で△9五桂を消しましたが、△7五桂が実現しては端の1手があまり生きません。

実戦でも△7五桂が指されました。後手が抜け出して優勢です。17時43分、△7五桂が指された時点で、残り時間は▲渡辺43分、△藤井13分。

Dsc_1737(藤井七段)

(牛蒡)

意表の一手2

202004_05842手目△5四金に続き、持ち駒を受けに使う△3一銀(図)でも、控室で驚きの声が上がりました。あまり見ない受けの形で、浮かびづらい手です。50手目△4五銀で豪速球を投げたはずが、△3一銀で突然のチェンジアップ。緩急をつけた指し回しです。これで先手の攻めをしのげるなら後手は桂得が残ります。

ABEMAでは、屋敷九段と阿部健七段が中継で意見交換を行いました。「まだまだ難しい攻防が続きそう」と屋敷九段。「藤井さんは難しいと思っているのではないでしょうか」と阿部健七段。

Dsc_1784(渡辺棋聖の読みに△3一銀はあったかどうか)

(牛蒡)

午後の控室(16時25分)

佐藤康九段、鈴木九段、中村修九段が検討を進めています。佐藤康九段が検討の中心です。飯島栄治七段と伊藤真吾五段も控室を訪れました。飯島七段はサンケイスポーツの局後解説を担当します。

Dsc_1884(飯島七段=左と伊藤真五段)

(牛蒡)

3手に2時間17分

202004_050藤井七段が△4五銀を決断しました。ここ5手の消費時間は次のとおり。

46手目△7三桂 50分
47手目▲3五歩 2分
48手目△6五桂 58分
49手目▲6八銀 2分
50手目△4五銀 29分

藤井七段は直近3手を指すのに2時間17分を消費しました。これは持ち時間の半分をゆうに超えます。この連続長考に各2分で返す、渡辺棋聖の決断のよさも相当なものですが、藤井七段の時間の使い方には驚かされました。ちなみに控室では、図で先手にしっくりくる順が見つかっていません。

Dsc_1722(昼食休憩明け直前の藤井七段)

(牛蒡)

悩ましい局面

202004_049渡辺大夢五段が控室へ。図の局面で「ぱっと見だと後手の手が難しいですけど、攻めるしかないと思います」とのこと。ストレートな順は(1)△4五銀▲2二角成△同金▲4五銀△同金▲4三歩△同飛(参考図)。そこで先手に手があるかどうか。後手はこの変化を軸として、△4七歩や△8六歩▲同歩△8七歩を組み合わせたいですが、最後の1歩を渡すことになります。後手は後手で悩ましいところです。

「先後どちらも持ちたくないです。ただ、いつでも4五桂が取れるという状況では、後手が何とかできるとしたものですが」(渡辺大五段)

202004_049s

Dsc_1857(渡辺大五段。しばらくして兄弟子の勝又清和七段も来訪した)

Dsc_1867(勝又七段=右は棋聖戦の観戦記者でもある。直近では挑戦者決定戦を担当した)

(牛蒡)

午後の控室(14時30分)

Dsc_1842(鈴木大介九段=左が来訪。日本将棋連盟常務理事)

Dsc_1851(中村修九段は棋士会会長)

(牛蒡)

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