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第94期棋聖戦五番勝負第3局

2023年7月 3日 (月)

対局再開

13時になり、対局が再開しました。

Dsc_7225 (佐々木七段は12時51分ごろ対局室に入る)

Dsc_7239 (熟考)

Dsc_7259 (藤井棋聖は12時56分ごろ戻る)

Dsc_7285 (藤井棋聖は対局再開後も考え続ける)

Dsc_7306 (緊張感高まる対局室)

(銀杏)

昼食休憩時の盤面

Dsc_7184 (56手目△7二銀の局面で昼食休憩)

Dsc_7193

Dsc_7201 (本局で使用されている友生師作の錦旗書の駒)

(銀杏)

昼食休憩に入る

20230703_56_2

図の56手目△7二銀の局面で藤井棋聖が18分使って昼食休憩に入りました。消費時間は▲藤井1時間1分、△佐々木1時間28分。
対局は13時再開です。
対局者の昼食は、藤井棋聖が「カツハヤシライス」。佐々木七段は「アジフライ定食」でした。
沼津はマアジの養殖が日本一として知られています。

(銀杏)

Dsc_7155 (藤井棋聖の昼食)

Dsc_7165 (佐々木七段の昼食)

隣り合う棋士番号

二人の棋士番号は、藤井棋聖が307、佐々木七段が306です。
棋士番号が隣り合った棋士がタイトル戦の番勝負を行った例を調べてみました(棋士番号が若い棋士を左に配置。()は対戦したタイトル戦)。

松田茂役九段(25)-大山康晴十五世名人(26) (王将戦、九段戦)
中原誠十六世名人(92)-桐山清澄九段(93) (名人戦、十段戦)
島朗九段(146)-南芳一九段(147) (王将戦)
佐藤康光九段(182)-森内俊之九段(183) (棋聖戦、棋王戦)
佐藤天彦九段(263)-豊島将之九段(264) (名人戦)

藤井棋聖と佐々木七段は組み合わせとして6例目となります。
また、棋聖戦では2004年度の第75期の佐藤康光棋聖-森内俊之竜王・名人戦以来となります。

(銀杏)

沼津市街

沼津市は1923年7月1日に市制が施行されました。ちょうど100年たった直後に沼津市でタイトル戦が行われています。
JR沼津駅は沼津市の玄関口。沼津駅から沼津御用邸に向けて道路が整備されました。街のシンボルである御成橋は、御用邸に向かう皇族が「御成り」になったことが由来です。

Dsc_5266 (沼津駅)

Dsc_5263 (作家で沼津市の名誉市民である井上靖氏の碑。市内に数カ所ある)

Dsc_1948 (御成橋は夜になるとライトアップされる(2019年6月撮影))

(銀杏)

二人の和服

本局で着ている藤井棋聖の和服は、昨年の就位式でヒューリックから贈られた副賞の着物の誂えで作ったものです。本局が初のお披露目とのこと。

Dsc_7025001 (朝の藤井棋聖)
【フォト特集】藤井棋聖、就位式で飛躍誓う|産経ニュース】
https://www.sankei.com/article/20221004-WHBQCWC2A5L4JLH7ABKXQSG57A/
【第93期ヒューリック杯棋聖戦 藤井聡太棋聖 就位式|YouTube】
https://www.youtube.com/live/NoteIbE9_XQ

佐々木七段の緑の着物は第1局でも着た、師匠の深浦九段から譲られたものです。

Dsc_6997002 (朝の佐々木七段)

(銀杏)

暑い夏のダブルタイトル戦

藤井棋聖と佐々木七段は棋聖戦と並行して、7日から第64期王位戦七番勝負を争います。ダブルタイトル戦により「十二番勝負」といわれています。
十二番勝負の組み合わせはいくつかありますが、両対局者のように棋聖戦と王位戦を戦った例を調べてみました。

1971年 大山康晴十五世名人-中原誠十六世名人(第18期棋聖戦、第12期王位戦)棋聖戦は中原、王位戦は大山の勝利。ともにタイトル防衛
1980年 米長邦雄永世棋聖-中原誠十六世名人(第36期棋聖戦、第21期王位戦) 棋聖戦は米長、王位戦は中原の勝利。ともにタイトルを奪取。
1992年 谷川浩司十七世名人-郷田真隆九段(第60期棋聖戦、第33期王位戦)  棋聖戦は谷川、王位戦は郷田の勝利。郷田は王位戦でタイトル奪取。
2000年 谷川浩司十七世名人-羽生善治九段(第71期棋聖戦、第41期王位戦)  両方とも羽生勝利。
2005年 羽生善治九段-佐藤康光九段(第76期棋聖戦、第46期王位戦)     棋聖戦は佐藤、王位戦は羽生の勝利。ともにタイトル防衛。佐藤は王座戦にも挑戦して「十七番勝負」に。

棋聖戦と王位戦を連続で挑戦したのは、1992年の郷田九段に次いで佐々木七段は2例目です。
郷田九段は当時四段。四段でのタイトル獲得は史上唯一です(現在はタイトル挑戦で五段昇段する)。

(銀杏)

驚きの一手

20230703_45

図は45手目▲9七桂まで。藤井棋聖が43手目に▲6八玉としたのは、この手を見ていたからのようです。▲9七桂以下は▲8九飛から▲8六歩の8筋逆襲が見えます。43手目で▲6八玉に代えて▲8八玉としていたら不可能でした。
とはいえ、玉に近い囲い側の桂を駒組み段階で端に跳ねるとは何事でしょうか。昔なら「破門」といわれかねない手です。棋聖が指した常識外れの一手に、控室の面々からも驚きの声が上がりました。
現地を訪れている佐藤康光九段は独創的な序盤戦術で知られますが、「▲9七桂は浮かばなかったですね。現代研究の一端でしょうか」といいます。そして、「私は▲8八銀から▲7七桂の展開を予想していましたが、より過激ですね。後手はどこに代償を求めるか長考になりそうです」と話しました。

(銀杏)

Dsc_7140 (控室でも▲9七桂には驚きの声)

午前のおやつ

10時になり、午前のおやつが出されました。藤井棋聖は「究極のガトーショコラ」、「アイスコーヒー(御用邸チョコレート添え)」、佐々木七段は「りんごジュース(御用邸チョコレート添え)」です。

Dsc_7149(藤井棋聖のおやつ)

Dsc_7152 (佐々木七段のおやつ)

(銀杏)

角換わり腰掛け銀から右玉に

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図は40手目△6三玉の局面。一度4二に動いた玉が5二から6三に進み、さらに△7二玉と引いて右玉に構えました。手損ですが、角換わり腰掛け銀でも後手は手損するのが主流作戦なので、違和感が少ないかもしれません。先手にとっても後手の右玉は仕掛けの糸口をつかむのが難しい作戦でもあります。
図から▲7九玉△6三銀▲6八玉!
図の前に先手の玉は6八にいたのに、三角を描くようにして動いて元に戻りました、藤井棋聖も手損で相手の様子を見ています。理想形を胸に秘めて複雑な序盤になりました。

(銀杏)

Dsc_6976 (対局前の佐々木七段)

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