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第93期棋聖戦五番勝負第3局

2022年7月 4日 (月)

激しい進行

20220704e図は10時30分頃の局面です。両者とも、まだ1手に10分以上を使うこともなく、どんどん指し進めています。かなり激しく競り合っていますが、両者にとってはまだ定跡の範囲内なのかもしれません。

Dsc_30171 (藤井棋聖。対局準備に入る前に、襟元を整えていた)

(睡蓮)

午前のおやつ

10時になり、両対局者に午前のおやつが出されました。注文は、藤井棋聖が「アイスティー、千葉県産アクアメロンのプレミアムショート」、永瀬王座が「ホットココア、アイスコーヒー」です。

Dsc_31031 (藤井棋聖のおやつ)

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Dsc_31011_2 (永瀬王座のおやつ)

(睡蓮)

藤井棋聖が前例から変化

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9時45分、△8六歩の突き出しに藤井棋聖が▲8六同歩と応じ、前例がなくなりました。前例の指し手は、いずれも▲8六同銀です。永瀬王座としては少し手が止まってもおかしくないところでしたが、1分だけ使って△8五歩と合わせていっています。

Dsc_30881 (控室で揮毫中の三枚堂七段)

Dsc_30921 (NHKの将棋講座で講師を務めている三枚堂七段。こちらは講座での決め台詞だ)

(睡蓮)

またも角換わり腰掛け銀

20220704c図は9時40分頃の局面です。すでに50手以上、進んでいます。戦型は、第1局の千日手局(2局目)、第1局の決着局、第2局に続いて、またも角換わり腰掛け銀になりました。前例はまだ数局あり、定跡形といってよさそうです。藤井棋聖のほうは、先手を持って1局(非公式戦)、後手を持って1局、経験があります。

Dsc_30831 (控室では、木村九段が大盤解説会の景品用の色紙を揮毫している)

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(睡蓮)

対局開始

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Dsc_30721 (藤井棋聖の初手は▲2六歩)

Dsc_30781 (永瀬王座は△8四歩と返した)

Dsc_30821 (五番勝負の天王山といえる対局が始まった)

(睡蓮)

開始前の様子

対局は定刻通りに開始されました。まずは開始前の様子をお届けします。

Dsc_29721 (8時35分頃、対局者を待つ関係者たち)

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Dsc_29701 (藤井棋聖の盆)

Dsc_29661 (永瀬王座の盆)

Dsc_29851 (8時40分、永瀬王座が入室)

Dsc_30101 (8時46分、藤井棋聖が姿を見せた)

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(睡蓮)

本日のスケジュール

おはようございます。対局日の朝になりました。本日のスケジュールは以下の通りです。

■一日のスケジュール
9:00          対局開始
10:00          午前のおやつ
12:00~13:00  昼食休憩
14:00          現地大盤解説会開始(申し込みは締め切り済み)
15:00          午後のおやつ

Dsc_29591 (客室からの景色)

Dsc_29611_2(ホテル内に飾られたポスター)

Dsc_29621 (昨日は、丸山忠久九段と木村九段の記念対局や指導対局会などのイベントも行われた)

(睡蓮)

2022年7月 3日 (日)

開幕式(2)

Dsc_28671 (両対局者は、対局への意気込みを述べて退場。その後は、佐藤康九段、島九段、鈴木大九段、木村九段によるトークショーがあった)

Dsc_29391 (司会の竹部女流四段)

Dsc_28861 (佐藤康九段)

「明日は藤井棋聖の先手番ですね。ということは、初手はお茶を飲む、です。映像では見ていましたけど、先日、実際に順位戦で対局したときにもやっぱり飲まれて、ああ飲むのだなあと思いました。戦型予想はですね、だいたい相掛かりか角換わりの2択。私は角換わり腰掛け銀になると思います」

Dsc_29041 (島九段)

「平凡に相掛かりと答えておきます。大盤解説会では、木村さんの解説を聞いて楽しんでいただきたいと思います」

Dsc_29081 (鈴木大九段)

「私は千日手と思います。永瀬さんのあいさつを聞いて思ったのですが、雰囲気が電王戦でコンピュータ将棋と対戦したときと似ている印象でした。彼は集中し始めると、将棋以外、目に入らなくなる。ほかのことを除去して、対局一本に絞り込んでいく感じを受けました。そのときの集中力はすごい。中盤の突っ込んだところまで研究をしているでしょう。そうするとさすがの藤井さんも、ある程度で妥協する場面も出てくると思います。それで永瀬さんが少し指せるところで千日手になるのかなあ、と。戦型は相掛かりが本命です」

Dsc_29141 (木村九段)

「鈴木さんがいわれたように、永瀬さんの集中度が増していると感じました。戦型ですが、相掛かりと角換わりが流行しています。どちらかでしょう。今回の棋聖戦においては、角換わりが主流。ここまで戦術面では永瀬さんがリードしていると見られますが、そこで藤井さんの性格が出るのではないでしょうか。勝ちを目指すなら相掛かり、意地を張るなら角換わりのように感じます」

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Dsc_28931 (話題は今回の対局以外にも多岐にわたり、笑顔の絶えないトークショーだった)

Dsc_29491(ホテル三日月グループ代表取締役社長・小高芳宗氏による閉会の辞)

「当社は木更津市の友好都市であるベトナムのダナン市での観光開発に挑戦しています。そちらの日本庭園には将棋堂を建立し、佐藤会長の『王将』という文字を刻みました。コロナが収まったときには、日本文化の発信基地として皆様にお披露目できればと思います。対局の成功と、将棋に関わる皆様の弥栄を祈念いたします」

【SankeiNews|ヒューリック杯 棋聖戦第3局 対局者が記念撮影や検分、開幕式】
https://www.youtube.com/watch?v=UM67R85SkoA

産経新聞のYouTubeチャンネルで、本日の様子が動画で紹介されています。あわせてご覧ください。
本日のブログ更新は以上で終了です。明日もよろしくお願いいたします。

(睡蓮)

開幕式(1)

18時から、開幕式が行われました。

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Dsc_27941 (藤井棋聖)

Dsc_27891 (永瀬王座)

Dsc_28361 (関係棋士らも列席。奥から島九段、三枚堂七段、宮原三段、日本将棋連盟常務理事の鈴木大介九段、木村九段、竹部女流四段、小高女流初段)

Dsc_27821 (主催者あいさつ:産経新聞社会長の飯塚浩彦氏)

「盤上の戦いは我々をドキドキワクワクさせる戦いです。皆さんもそれを期待しておられると思います。棋聖戦はご承知の通り、藤井さんが最年少でタイトルを取られて、社会的現象になりました。そのときの棋聖の挑戦権を懸けた戦いは藤井さんと永瀬さんでした。藤井さんはタイトルを取ってから2年。いまは五冠と、すごいタイトルホルダーになっています。いまの将棋界を引っ張る二人だと思います。相手の手の内をよく知り尽くした戦いを繰り広げて、第1局では千日手が2回生じました。最後は永瀬さんが勝って、タイトル戦の連勝が止まりました。第2局は藤井さんが勝たれて、1勝1敗でこの日を迎えました。明日の勝者が王手をかける一戦です。昨年はコロナで人を集められませんでしたが、今回は多くの方がこられてありがたく思います。二人が熱い戦いを繰り広げてくださることを期待しています」

Dsc_28141 (主催者あいさつ:日本将棋連盟会長の佐藤康光九段)

「昨年に続いて、龍宮城スパホテル三日月で棋聖戦対局を行うということで、時間がたつのが早いと感じています。3連覇を目指す藤井棋聖に永瀬王座が挑戦しました。タイトル戦での対戦が初めてなのは意外でしたが、皆さんが待ち焦がれていたカードが実現しました。1勝1敗ですが、秘術を尽くした攻防が見られて、両者が力を出しきっている内容だと思います。昨年はコロナ禍で今年以上に制限が強かったですが、木更津の皆さんに熱烈な歓迎を受けました。将棋熱を感じた次第です。また、昨年は『将棋の日』も開催させていただいて、感謝申し上げます。お二人には十分休養して明日に備えていただき、名局を期待しています。ファンの皆様には、今日からイベントも始まっていますが、明日も大盤解説会や中継もありますので、皆様も一日将棋漬けで、ゆったり、たっぷり、のんびりと楽しんでいただけたらと思います」

Dsc_28171 (特別協賛社あいさつ:ヒューリック会長の西浦三郎氏)

「当社が佐藤会長から棋聖戦の特別協賛の話をいただいたときは、棋聖が羽生さんでした。それから順次変わって、藤井さんになりました。私共は白玲戦・女流順位戦を主催しています。いまは西山朋佳さんが初代の白玲です。また、再来年は将棋連盟100周年で、うちが千駄ヶ谷に土地を持っており、新しい建物に将棋会館を入ることになります。私も将棋が大好きで、高校に二段を取得しました。ヒューリックとして、文化部門として将棋を大事にしたいという思いがあり、お手伝いさせていただいています。いまは将棋が大変注目を浴びています。AIや歴史、文化をorではなくandで頑張ってほしいと思っています。明日は盤上で熱戦を期待しています」

Dsc_28311 (木更津市長の渡辺芳邦氏から、歓迎の言葉があった)

「龍宮城スパホテル三日月では昨年も棋聖戦の対局があり、また「将棋の日in木更津」というイベントも開いてくださいました。ホテル三日月さんのお力で、将棋文化が木更津に根づき始めています。立会人の島九段は、プロを育てようとご助力されています。少し木更津のPRを。ホテル三日月の目の前には、東京湾最大の干潟が見られます。昼間は引き潮だったと思います。海苔、アサリ、お米、そしてこれからはブルーベリーが取れる環境です」

Dsc_28481 (対局への意気込みを述べる藤井棋聖)

「龍宮城スパホテル三日月さまでは、前期の第1局でも対局をさせていただきました。今期は第3局ということで、昨年以上の緊張感を持っています。今年も海の眺めの素晴らしい対局室をご用意くださり、リラックスして対局に臨めればと思います。1勝1敗で迎えて、第3局から改めて三番勝負という形です。明日の一戦が大事になると思います。注目していただける一局になると思いますので、それに応えられる熱戦にしたいと思います」

Dsc_28591 (続いて、永瀬王座)

「こちらの龍宮城スパホテル三日月に伺うのは2回目です。前回は、子どもの頃に家族旅行で伺いました。子どもの頃の記憶で、鮮明なものばかりではありませんが、さまざまなお風呂があって、夢のように感じました。その思い出の場で対局できることをうれしく思っています。ここから三番勝負になりますが、引き続きしがみついていきたいと思います」

(睡蓮)

前日インタビュー

検分後の両対局者は、藤井棋聖、永瀬王座の順でインタビューに応じました。

Dsc_27371 (1勝1敗で迎える第3局ということで、非常に大事な一局だと思っている、と藤井棋聖)

Dsc_27501(インタビュー中には、笑顔も見られた)

Dsc_27561 (第3局は後手番ということで厳しい面もあるが、精一杯しがみついていきたい、と永瀬王座)

Dsc_27661 (家族での休日には、三井アウトレットパーク木更津によく訪れていたと話していた。小さい頃に、こちらのホテルにもきたことがあるそうだ)

(睡蓮)

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