摩訶不思議な山崎流
早々に「山崎ワールド」が始まっています。初手から▲7六歩△3四歩▲6六歩△3二銀(1図)の出だしでした。
珍しい出だしながら、1図の前例は55局もあります。ただ直近は2022年、その前は2015年に指されたことからもわかるとおり、公式戦ではそこまで現れません。
△3二銀は居飛車と振り飛車を含みにする意味と思われます。佐藤九段は向かい飛車に構えましたが、山崎八段は態度を明らかにしないまま自陣を整備しています。2図は11時前の局面です。
後手が居飛車にすれば次に△4二玉から囲って7筋の銀を急戦に使う構想、また相振り飛車を目指すなら△3二飛や△4五歩などの駒組みが浮かびます。佐藤九段はどちらの作戦にも対応できるように自陣を整備しないといけません。力戦形とあって、ともに序盤から時間を小刻みに使う展開になっています。
(紋蛇)