16時15分、控室でモニターを見つめていた飯島七段は「先手よし」と解説をしています。先手は香損ではありますが、図から△5六同飛▲同歩△1九角成に▲2一飛が痛打と飯島七段は見ています。「次に先手は▲1一飛成~▲3四香が早い攻めとなります。後手は△1八飛と打っても▲7九玉と引かれてみると後続が難しいかもしれません」(飯島七段)
(琵琶)
高島屋では数多くのタイトル戦が行われています。初めての対局は、1983年7月5日の第42期棋聖戦五番勝負第3局▲森安秀光八段戦-△中原誠棋聖です。
「棋界の太陽」こと中原棋聖。棋聖は初めて獲得したタイトルでした。森安秀光八段は振り飛車党。粘り強い指し回しから、ダルマ流の異名がついています。
△7五歩に▲同歩は、△同銀から押さえ込んで後手よし。▲6五歩からさばくのが振り飛車の常套手段です。
△8二香で馬が取られていますが、▲7三歩成からさばいていきます。
鈴木大介九段は、△8八馬に▲4八金寄と受け、△6六歩に▲5八銀を用意したのが好手だったと話しています。
中原棋聖もすさまじい粘りを見せますが、ねじり合いは森安秀八段の得意とするところ。151手の長手数で、押し切りました。
勝った森安秀八段は、シリーズをフルセットで制し、初タイトルの棋聖を獲得しました。
開始日時:1983/07/05 00:00:00
終了日時:1983/07/05 22:17:00
先手:森安 秀光
後手:中原 誠
▲7六歩 △8四歩 ▲7八銀 △3四歩 ▲6六歩 △6二銀
▲6八飛 △4二玉 ▲4八玉 △3二玉 ▲3八玉 △5二金右
▲2八玉 △5四歩 ▲5八金左 △1四歩 ▲1六歩 △4二銀
▲3八銀 △7四歩 ▲4六歩 △8五歩 ▲7七角 △7三銀
▲6七銀 △8四銀 ▲7八飛 △7二飛 ▲9八香 △6四歩
▲5六歩 △7五歩 ▲6五歩 △7七角成 ▲同 飛 △6五歩
▲7五歩 △6二飛 ▲7六飛 △9九角 ▲7七角 △同角成
▲同 桂 △8九角 ▲5五歩 △同 歩 ▲7四角 △7三銀
▲8三角成 △6四銀 ▲7四歩 △7五歩 ▲9六飛 △9八角成
▲8五桂 △8二香 ▲7三歩成 △8三香 ▲6二と △同 金
▲8二飛 △7二角 ▲7三歩 △同 桂 ▲6三歩 △6一金
▲9三桂成 △8一歩 ▲8三成桂 △8二歩 ▲7二成桂 △9六香
▲6一成桂 △8八馬 ▲4八金寄 △6六歩 ▲5八銀 △5六歩
▲6二歩成 △6五桂 ▲6八歩 △9九飛 ▲2六香 △6七歩成
▲同 歩 △3三馬 ▲9六歩 △2四歩 ▲6三角 △3一金
▲5二と △1五歩 ▲同 歩 △1七歩 ▲同 香 △5五飛
▲4二と △同 金 ▲6六銀 △5七歩成 ▲同 金 △同桂成
▲同銀上 △5三飛 ▲3六角成 △3五金 ▲5四歩 △6三飛
▲4五桂 △同 金 ▲同 歩 △6一飛 ▲4四歩 △5二桂
▲4八香 △4四歩 ▲7三歩 △1三桂 ▲1四馬 △4三玉
▲2四香 △2六歩 ▲3六歩 △6五歩 ▲2三香成 △2七歩成
▲同 玉 △2六歩 ▲同 玉 △2五歩 ▲3七玉 △6六歩
▲2七歩 △2二桂 ▲3三成香 △同 金 ▲7二歩成 △1四桂
▲6一と △3五歩 ▲同 歩 △1九角 ▲3六玉 △6七歩成
▲7三飛 △5四玉 ▲6三角 △6五玉 ▲7四飛成 △7六玉
▲8八金
まで151手で先手の勝ち
(紋蛇)