(2012年撮影。祝賀会にて師匠の畠山鎮七段と)
タイトル戦初挑戦ということで、斎藤七段の過去の姿を「指し将棋」以外のアングルから見ていきたいと思います。こちらは四段に昇段したばかりの様子です。当時19歳。屈託のない笑顔は師匠譲りでしょうか。
(こちらも2012年撮影。当時の苦手分野に挑戦中)
六段時代のインタビューでは「学校とかでペン字はよく練習していて。ただ習字はほんとにからっきしですね、教室で勉強したことで新四段のときよりは成長したかと思いますけど。段が上がるにつれて上手になるように、自分に期待します」と語っていました。将棋に限らず、当たり前のように「努力」がそこにあります。
(2014年撮影。詰将棋解答選手権チャンピオン戦にて)
もうひとつの競技者の顔です。詰将棋の解答能力を競うこの大会は年にたった一度だけ開催します。本人いわく「今日だけは合法的に詰将棋だけやっていい日と言われている」。過去に2度の優勝歴があります。
(2017年撮影。別年度の同大会の昼食休憩中)
2015年の「電王戦FINAL」で人生の転機を迎えても、思いどおりにいかないことはあります。この写真は、徹底して準備してきた競技スタイルが通用せず、ショックを受けている様子です。「指し将棋」と「詰将棋」は別物だとしながらも、敗れたあとの意気消沈オーラは「指し将棋」のそれと似ており、どの棋士と比べても色濃いです。しかし同時に、次に生かそうと反省を繰り返す。そうやってどの分野でも進化し続けてきました。
(2017年撮影。今期棋聖戦予選の感想戦)
たとえ勝利を収めても、終局直後は笑顔の中にどこか疲れの色が浮かんでしまいます。はたして棋聖戦五番勝負では、最強の棋士を相手にどれだけこの表情を出せるでしょうか。
(虹)