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2017年6月

2017年6月 1日 (木)

検討されていなかった一着

_65 図は斎藤七段が▲7七歩と打って金にヒモをつけた局面。ここでどう指すか難しいと言われていましたが、羽生棋聖は34分の長考の末△8五歩(下図)と銀取りに歩を打ちました。一度突き捨てた8筋の歩を打ち直す一手で、控室ではまったく検討されていない一着でした。この羽生棋聖の一着に、斎藤七段はどう応えるでしょうか。

_66 

Photo_121 (朝の羽生棋聖。2手目、△8四歩の着手は早かった)

(潤)

16時30分ごろの大盤解説会

16時30分ごろ、現地大盤解説会は、今泉四段と長谷川女流二段のコンビで行われていました。

Photo_111 (長谷川女流二段と大盤解説会にゲスト出演中の今泉四段)

Photo_112 (指し手が進まず「このモニター、ひょっとしたら止まってるんちゃうの」と、今泉四段が笑いを誘っていた)

Photo_113 (今泉四段)

Photo_114 (長谷川女流二段)

Photo_117 (室田女流二段は観客席で観戦していた)

Photo_118 (指導対局を行う村田女流二段)

Photo_120 (やがて、室田女流二段が応援に駆けつけた)

(潤) 

ニコニコ生放送に谷川九段が電話出演

16時ごろ、ニコニコ生放送に谷川九段が電話出演。田村康介七段と宮宗紫野女流初段を相手に、数分間会話をしました。

Photo_109 (電話出演中の谷川九段。宮宗女流初段に「ご結婚おめでとうございます」と、祝福していた)

Photo_110 (ここまでの進行や今後の展開などを田村七段と意見交換していた)

(潤)

斎藤慎太郎という若者(2)

棋士デビューから約5年。斎藤慎太郎という若者は、タイトル戦という名の戦場に舞い降りた。本局はその初陣となる対局。改めて斎藤にスポットを当てた。

Photo_97 (対局開始前、目を閉じ、静かにその時を待っていた)

 

Photo_100 (斎藤に立ちはだかるのは、王者、羽生善治棋聖)

Photo_102 (見上げるその先に映るものは、果たしてなんだろうか)

Photo_103(手を組む姿はいつもどおりの斎藤だった)

Photo_104 (盤側に置かれたポロラルフローレンのハンカチ)

Photo_105 (薄黄緑色の和服に映える、青色の信玄袋)

10 (長い足を包み込んだ袴。好きな色だという青系で固め込んだ)

Photo_106 (この戦いを終えたあと、そこに何が待っているだろうか)

11 (若き勇者がいま、舵を切った)

(潤)

 

攻め合い

_63 図は16時前の局面。谷川九段は「△6五銀▲7七歩△3二歩で、攻めるのなら▲3三歩成△同歩▲2五歩の筋しか見えませんが。しかし先手陣もすごいことになっていますし……」と攻め合いの速度争いになることを示唆しました。

Photo_107 (検討する谷川九段と北浜八段)

Photo_108 (控室の映像に映し出されている対局室の様子)

(潤)

大盤解説会に谷川九段登場

Img_3221_ob1520c (15時20分頃、中盤の難所を谷川九段が解説している)

Img_3209_ob1520b (聞き手は室田伊緒女流二段)

Img_3206_ob1520a (谷川九段の読み筋に聞き入る将棋ファンたち)

(虹)

午後のおやつ

15時になって、両対局者に午後のおやつが出されました。羽生棋聖は「チーズケーキとホットレモンティー」、斎藤七段は「和菓子(地元洲本市老舗の和菓子店「長手長栄堂」の饅頭3品)とお茶」を注文しています。

Photo_95 (羽生棋聖の注文したチーズケーキとホットレモンティー)

Photo_96 (斎藤七段が注文した和菓子とお茶)

(潤)

ホテルニューアワジ内

Photo_91 (ホテルを入ると、すぐに大盤解説会場がある)

Photo_92 (売店で売られていたみみずくの置物)

Photo_93 (こちらはスープ碗。有田焼のものが売られていた)

Photo_94 (淡路島の名産物である玉ねぎのチップス入りラーメン)

(潤)

ホテルニューアワジ近隣

Photo_84(ホテルニューアワジから望む景色。海の手前に見えるのはプール)

Photo_87 (外に出ると、ピンク色のツツジが咲いていた)

Photo_88 (こちらはオレンジ色のツツジ)

Photo_89 

Photo_90 (ホテル入口に置かれていたのぼり)

(潤)

斎藤慎太郎という若者(1)

P1010444b_20120525 (2012年撮影。祝賀会にて師匠の畠山鎮七段と)

タイトル戦初挑戦ということで、斎藤七段の過去の姿を「指し将棋」以外のアングルから見ていきたいと思います。こちらは四段に昇段したばかりの様子です。当時19歳。屈託のない笑顔は師匠譲りでしょうか。

P1010310 (こちらも2012年撮影。当時の苦手分野に挑戦中)

六段時代のインタビューでは「学校とかでペン字はよく練習していて。ただ習字はほんとにからっきしですね、教室で勉強したことで新四段のときよりは成長したかと思いますけど。段が上がるにつれて上手になるように、自分に期待します」と語っていました。将棋に限らず、当たり前のように「努力」がそこにあります。

P1140107_saito2014 (2014年撮影。詰将棋解答選手権チャンピオン戦にて)

もうひとつの競技者の顔です。詰将棋の解答能力を競うこの大会は年にたった一度だけ開催します。本人いわく「今日だけは合法的に詰将棋だけやっていい日と言われている」。過去に2度の優勝歴があります。

Img_6640_2017r1 (2017年撮影。別年度の同大会の昼食休憩中)

2015年の「電王戦FINAL」で人生の転機を迎えても、思いどおりにいかないことはあります。この写真は、徹底して準備してきた競技スタイルが通用せず、ショックを受けている様子です。「指し将棋」と「詰将棋」は別物だとしながらも、敗れたあとの意気消沈オーラは「指し将棋」のそれと似ており、どの棋士と比べても色濃いです。しかし同時に、次に生かそうと反省を繰り返す。そうやってどの分野でも進化し続けてきました。

Img_5674 (2017年撮影。今期棋聖戦予選の感想戦)

たとえ勝利を収めても、終局直後は笑顔の中にどこか疲れの色が浮かんでしまいます。はたして棋聖戦五番勝負では、最強の棋士を相手にどれだけこの表情を出せるでしょうか。

(虹)

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