(終局直後の対局室)
(先勝した羽生善治棋聖)
(顔を手で覆いながら質問に答えていく)
○羽生善治棋聖 インタビュー
--横歩取りに誘導しましたが。
「予定でした」
--△7二金(26手目)から前例のない将棋になりました。
「もうちょっと早く攻める展開にしたかったのですが、手順に銀を追い返されてしまい(45手目▲5六歩)よくなかったかもしれません。中央を狙われ、模様の悪い将棋だと思っていました」
--△7七歩成~△3一銀(70~72手目)で▲3五金(73手目)を打たせました。
「手順に飛車を追われるので、あまり自信はなかったですね」
--勝ちを意識したのは、どのあたりだったでしょうか。
「△4六馬(96手目)と馬が使える形になって、もしかしてと思いました」
(敗れた森内俊之竜王)
(インタビューに答える)
(65手目▲5三角成について話すときは、この表情)
○森内俊之竜王 インタビュー
--今日の対局を振り返って、いかがでしたか。
「力戦模様になってしまって、公算が難しい将棋だったと思います」
--先手がいいという評判でした。
角を切っていったのが(65手目▲5三角成)どうだったでしょうか。代わる手がわからなかったのですが、駒損が大きく、やりすぎだったかと思いました。
--▲3五金(73手目)の局面はどう見ていましたか。
「金の感触が悪いので、うまく指されたらまずいかと思っていました。5七に馬が来る形が絶好になってしまったので、負けだったのですかね」
--タイトル戦では4時間は久しぶりでしたが。
「タイトル戦以外では指していますし、変わりないです。ただ、最後は時間がなくなりましたので、そのあたりの指し方がこれからは重要になると思います」
(インタビューを終えたあと、大盤解説会場に向かった)
(翔)
棋聖戦第1局は、106手で森内俊之竜王(挑戦者)が投了しました。羽生善治棋聖は7連覇に向けて好スタートを切りました。
終局時刻は19時18分、消費時間は▲森内3時間59分、△羽生3時間57分(持ち時間各4時間)。
第2局は6月21日(土)、愛知県豊田市「ホテルフォレスタ」で開催されます。
(翔)
控室では△5七銀の変化を調べています。
まず、△5七銀に(1)▲7八玉には△5八銀不成があります。△5八銀不成に(A)▲8八玉△6八飛▲7八歩なら、△7七角▲同桂△同桂成▲同玉△6七銀成(変化1図)以下、先手玉が詰みます。
△5七銀に(2)▲同飛は△7九角打▲7八玉△5七角成(変化2図)が攻防に利いており、後手勝ちと見られています。
(1)▲7八玉△5八銀不成(2)▲同銀は△7七歩で、先手玉が詰むかどうか。この変化の結論がなかなか出ず、きわどい変化の検討が続いています。
(翔)
(ホテルニューアワジ屋上の「足湯処 ひねもす亭」。足湯を楽しんでいるのは……)
(香川女流王将と……)
(糸谷六段)
(いつでもどこでも日本将棋連盟モバイル)
(ふたりが見ていたのは▲1五歩の局面。ふたりは先手が指せるのではないかと見ていた)
(翔)
16時から、地元のこども向けの指導対局が行われました。
(豊島将之七段)
(村田智穂女流二段)
解説者が指導対局を行っているため、控室を訪れている棋士が交代で解説を務めています。そこへ、日本将棋連盟モバイルの案内を持った糸谷哲郎六段が登場。
糸谷「私は写っていないのですが、よろしければ皆さんお持ち帰りください」
香川「それで、この案内は今どこに置いてあるのですか」
糸谷「えっと、そこです」(と、次の一手賞品が置かれていた机を指差す)
香川「こんなところじゃ、皆さん取りに来づらいじゃないですか」
糸谷「申し訳ありません」
(その後、案内は受付に移動されました)
(香川女流王将と糸谷六段で解説)
糸谷「ここで香川先生の見解をお伺いしたいのですが」
香川「私、聞き手なのですが」
糸谷「そんなの関係ありません」
(見解を述べる香川愛生女流王将)
(香川女流王将に代わり、安用寺孝功六段が壇上へ。兄弟弟子で解説をしていた)
(翔)