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2013年6月

2013年6月 3日 (月)

前夜祭(5)

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片山雅文・産経新聞大阪本社編集局長
「本日はお忙しい中、お越しくださいましてありがとうございます。また、先日の地震に被災された皆さまにお見舞いを申し上げたいと思います。先ほどのお話にもありましたように棋聖戦は平成8(1996)年からここ淡路で行わせていただいておりますが、これは棋聖戦を復興のシンボルにしよう、少しでもみなさんが元気になれたらということで始めたことです。明日の羽生-渡辺戦はドリームマッチで、日本一の棋士を決める戦いです。1人でも多くのファンが生まれるのを願っています。明日の大盤解説会にはぜひお誘い合わせの上、多くの方に来ていただければと思います」

147
谷川浩司・日本将棋連盟会長(九段)
「第1局の前夜祭に来ていただきありがとうございます。開催にご尽力いただいた全ての皆さまにお礼申し上げます。
ここ数年、注目を浴びているのがこの棋聖戦です。昨年は中村太地六段が初挑戦、羽生棋聖が防衛を果たしてタイトル獲得通算81期を達成しました。そして今年は史上初の三冠によるタイトル戦で、一番見たい組み合わせとなりました。羽生棋聖と渡辺竜王はこれまでに46局対戦しており、2012年度も11局、大事なところでの顔合わせが目立ちました。これからもきっと増えていくことだろうと思います。
明日は大盤解説会が行われます。私も解説会に出させていただこうと思っておりますので、多くの方にご参加いただけたらと思います。
また、先日の地震で被災された皆さまには心よりお見舞い申し上げます。東日本大震災から2年が経ちまして、棋士を指導に派遣したり、タイトル戦を重点的に開催したりと活動をして参りました。ここ淡路で18年間開催していただいているのは非常にありがたいことです。淡路が元気になったとアピールすることが、東北への力強いメッセージになればと思っています」

161
立会人・井上慶太九段
「淡路で立会人を務めさせていただくのは久しぶりです。本日はたくさんの方に参加していただきありがとうございます。羽生さんと渡辺さんの間に座って待っていたのですが緊張しました。ファンに取って最高のカードで、全国のファンが注目していることと思います。
ご存じの方もいらっしゃると思いますが、記録係を務める桝田は私の弟子でして、ここ洲本の出身です。現在は奨励会の二段でがんばっています。タイトル戦の記録を取るのは初めてのことで、これを糧にがんばってもらいたいと思います。皆さまにも応援をしていただければ嬉しく思います」

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(記録係の桝田悠介二段は洲本市出身)

(翔)

前夜祭(4)

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安倍茂・兵庫県淡路県民局局長
「第1局をここ淡路で開催できることを心から喜ぶとともに、地震(2013年4月13日に発生したマグニチュード6.3の地震)に被災された皆さまには心よりお見舞い申し上げます。
淡路島で初めて棋聖戦が行われたのは平成8(1996)年のことです。その前年には阪神淡路大震災がありました。震災を受けて、何か新しい、明るい話題はないかということで実現したのが淡路での棋聖戦です。兵庫県は将棋とは縁が深く、谷川先生や内藤先生が在住されている他、加古川には井上九段の他にも5人の棋士と関係があり、加古川青流戦も行われています。このような淡路の舞台で雌雄を決する戦いが行われるわけであります。

134

私は大の将棋ファンで、かれこれ50年、半世紀に渡ってずっと将棋を見てきました。個人的には谷川先生の大ファンで、50歳で名人を、と期待しています。
第1局の観戦記を担当していただきます本間先生にはよく指導対局をしていただきました。そのおかげで、県の職員大会で優勝することができました。
将棋界には『米長哲学』という言葉がありますが、その哲学は人生の大きな糧となっています。このような場であいさつできることは大きな喜びであります。明日は羽生・渡辺時代にふさわしい熱戦を期待したいと思います」

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(50年来の大の将棋ファンである安倍局長が語るエピソードに笑みを浮かべる棋士たち)

(翔)

前夜祭(3)

117
久米修資・棋聖戦淡路対局実行委員長
「本日は多数お越しいただきありがとうございます。いよいよ明日から第1局が始まります。この淡路島を第1局の舞台に決めていただいてありがとうございました。我々素人でも、これほど素晴らしい対局はおそらくないのではと思う次第です。明日は大盤解説会もありますので、ふるってご参加ください」

124
(羽生善治棋聖)

123
(渡辺明竜王)

(翔)

前夜祭(2)

101
(前夜祭開始前に、会場内に勢ぞろいする関係者。あれ、対局者も……?)

102
(スタッフが駆け寄る。「すみません、両対局者は皆さんに拍手で迎えられながら入場する予定だったのですが間違えてご案内してしまって……」)

103
(「そうですよねー」と言いながら会場外へ向かうふたり)

105
(改めて拍手の中、入場する)

(翔)

前夜祭(1)

100
(前夜祭は18時からホテルニューアワジで行われた)

明日のスケジュール

4日のスケジュール
9:00 対局開始
10:30 午前のおやつ
12:00 昼食休憩
13:00 対局再開
14:00 大盤解説会開始
15:00 午後のおやつ
?:? 終局

対局室検分

17時から対局室にて、検分が行われました。毎年開催している地だけあって問題点はなく、3分ほどで終了しました。

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(検分の様子)

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(6連覇を目指す羽生善治棋聖)

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(棋聖戦は第78期以来、2回目の挑戦)

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(記録係の桝田悠介二段、日本将棋連盟会長の谷川浩司九段、立会人の井上慶太九段。谷川九段と井上九段は兄弟弟子、桝田二段は井上門下)

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(記録係の桝田悠介二段)

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(検分終了後、控え室で色紙に揮毫する両対局者。羽生棋聖が揮毫する間、渡辺竜王は『週刊将棋』最新号に目を通していた)

このあと18時より前夜祭が行われます。その模様は後ほどお伝えいたします。

(翔)

花のじゅうたん

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(一面に広がる花畑)

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(牧場もあるのどかな風景)

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(公道を馬がお散歩)

(翔)

野島断層

1995年1月の阪神淡路大震災の折、淡路島の北東部に位置する北淡町(現淡路市)には長さ10kmにわたって地震断層が地表に出現しました。そのうちの140mが国指定天然記念物 野島断層として、北淡震災記念公園で屋内保存されています。

056
(公園内の野島断層保存館。長さ140mに渡って断層が保存されている。写真は左右に走っていた舗装された道路が断層によって壊れた様子。手前側溝の位置のずれで、水平方向に動いたようすも分かる)

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(10kmのうち断層による破壊が顕著な140mが屋内保存されている。隆起は50cm程度、横ずれは1~2m。写真右側はそのままで、写真左の地面が奥にずれ、隆起した。このあたりの民家は9割が阪神淡路大震災でなんらかの被害を受けたそうだ)

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(断層を横から見たもの)

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(保存館南西の「メモリアルハウス」は元民家。断層が建物のほぼ真下を横切ったにも関わらず、通常よりも頑丈な作りが幸いし、建物への被害がほとんどなかったことが当時話題になった。震災のあと、数年して住人が引っ越して空家になったときにメモリアルハウスとして改装し、記念公園の一部となった)

ホテルニューアワジでの棋聖戦は17回目

兵庫県洲本市「ホテルニューアワジ」での棋聖戦は1996年、第67期の第1局▲羽生善治棋聖(七冠)-△三浦弘行五段戦で初めて指されました。前年に発生した阪神淡路大震災からの復興を祈念したものです。

その後、ホテルニューアワジでの棋聖戦は毎年恒例になりました。第4局が予定されていて3-0でシリーズが終了した第82期を除いて開催されています。今回が17回目です。

当ブログでも過去の淡路島対局の模様をご覧いただくことができます。

第80期第2局(▲羽生善治棋聖-△木村一基八段・木村勝ち)

第81期第2局(▲深浦康市王位-△羽生善治棋聖・羽生勝ち)

第83期第1局(▲羽生善治棋聖-△中村太地六段・羽生勝ち)

(文中の肩書は対局当時のもの)

過去の棋聖戦中継の棋譜

(翔)

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