2011年9月21日 (水)

20110921_34▲加藤1級-△伊藤1級戦は、伊藤1級が角道を止めて矢倉に組んだ。そこから先手は角交換、後手はその動きに乗って銀冠に組み替えた。図の盤上にある角は、それぞれ駒台から現れたもの。この形では、2四を争点にして角を打ち合う筋はよく出てくる。ここからは先手が攻めを目指し、後手が反撃の用意を整えるという流れになる。先攻できる先手がどれだけポイントを稼げるかで、局面の優劣が決まってくるだろう。


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20110921_31_2▲清水女流六段-△中村女流二段戦は、中村女流二段の四間飛車に対し清水女流六段が左美濃に構えた。藤井猛九段創案の「藤井システム」が優秀な対策になり、現在ではあまり指されることのない作戦だ。ただ、清水女流六段は穴熊よりも美濃を得意とする棋風。本局も清水女流六段らしい戦いが見られるだろう。図は駒組みが一段落した段階で、互いにどのように攻めの形を作っていくか、間合いの取り合いになりそうだ。


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先に、伊藤1級-加藤1級戦の振り駒が、平井奈穂子研修会員の手で行われた。結果はと金が4枚。加藤1級が先手番を得た。その後、清水女流六段-中村女流二段戦の振り駒を與儀祐紀3級(加瀬純一六段門下)が行おうとしたところ、盤上の歩を取りにいくためのスペースがない。これには観戦記担当の青野照市九段も苦笑い。そこで清水女流六段が自分の荷物を寄せて、道を開ける場面があった。振り駒の結果は歩が3枚。清水女流六段が先手番を得た。

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(平井研修会員。振り駒を行う)

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(盤の周りに十分なスペースがなく、與儀3級が呆然と立ち尽くす)

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準決勝2局が行われるのは、タイトル戦や挑戦者決定戦でもおなじみの特別対局室。開始前に中村女流二段が何か話しかけ、その場に笑みが漏れる場面もあった。朝に降った雨で、道路やベランダが濡れていた。

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(伊藤沙恵1級)

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(加藤桃子1級)

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(中村真梨花女流二段)

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第1期リコー杯女流王座戦は、本日いよいよ準決勝を迎える。清水市代女流六段と中村真梨花女流二段、伊藤沙恵奨励会1級と加藤桃子奨励会1級それぞれの対局の勝者が、決勝五番勝負を戦う。カードを見てわかるように、すでに奨励会員の決勝進出は確定している。初代女流王座を決める歴史的勝負へと歩みを進めるのは、果たして誰なのだろうか。
本日は、この準決勝戦を2局同時に中継する。棋譜・コメント入力は清水女流六段-中村真女流二段戦を吟記者が、伊藤1級-加藤1級戦を烏記者が担当する。最後までお楽しみいただければ幸いである。

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