11時50分ごろ、本田女流三段が▲５六歩と仕掛けていきました。
しかし「第一感、５筋を突いてうまくいくイメージがない、リスクが高いです」と野月七段は否定的。
「振り穴側の５二金に目を付けて仕掛けていったものですが、先手も金が離れていく展開になりますし、後手は７筋の歩が利くので攻めには困らなさそうです。先手のキズの方がちょっと嫌ですね」と解説します。
検討に加わった田中寅彦九段も野月七段の意見に同意しています。
控室の検討では▲５六歩に代えて▲３六歩と突いて、△７三銀引▲５九角△４四角▲３七角△１四歩に▲５六歩（参考図）と突いた方が良かったのではと言われています。

（日浦市郎八段）

（千葉幸生六段と香川愛生女流二段）

（香川女流二段は、先日女流王将戦の挑戦者になって昇段したばかりだ）

【香川愛生女流初段が女流二段に昇段】
http://www.shogi.or.jp/topics/2013/08/post-814.html

図の局面までは前例がありましたが、ここで本田女流三段が▲２六飛と浮いて未知の局面へ。
とはいえ「飛車浮きはよくある形」と野月七段。
「△７五歩をけん制した手ですね。△７五歩▲同歩△同銀なら▲６八銀右（参考図）と上がって。

どこかで▲６五歩と突く手を狙っているんです。また▲３六飛や▲４六飛も狙ってますね」と野月七段は解説します。

図は11時ごろの局面で、▲７六歩に対し△８四銀と引いたところ。
先手は▲７六歩と打ったことで「手持ちの歩がなくなってセールスポイントがなくなります。打てば安心はするんですけどね」と野月七段。
後手はここから△７三銀引と固めて待つ方針が予想されています。

（居飛車党の本田女流三段、初手は▲２六歩）

（▲２六歩に△３四歩▲２五歩の出だしとなった）

（▲７六歩に里見女流四冠の手が止まった）

（午前10時からこの表情）

（対局開始を待つ）

（９時50分ごろ、両者が対局室へ）

（控室の野月浩貴七段。本局の観戦記を担当する）

（朝の特別対局室）

おはようございます。
加藤桃子女流王座への挑戦権を争う第３期リコー杯女流王座戦も、いよいよ挑戦者決定戦を迎えました。
対戦カードは前期に続き里見香奈女流四冠－本田小百合女流三段戦。
前期は本田女流三段が勝って挑戦者になりましたが、今期はどうなるでしょうか。

本局の中継は、棋譜・コメントを吟記者、ブログを野辺が担当します。
今日も一日よろしくお願いします。

前期の模様は以下を御覧下さい。

【第２期リコー杯女流王座戦挑戦者決定戦　ブログ】
https://kifulog.shogi.or.jp/joryu_ouza/2_5/?p=3

【同棋譜　▲里見－△本田戦（後手一手損角換わり）】
http://live.shogi.or.jp/joryu_ouza/kifu/2/joryu_ouza201209030101.html