2021年10月22日 (金)

△9七歩

17時40分、封じ手の時刻まであと20分になりました。控室の小林裕七段は「この△9七歩の局面で封じ手になりそう。次の一手を予想するのも難しい」と話しています。第1局に続き、この第2局でも豊島竜王が封じるのでしょうか。そして次の一手は何でしょうか。

モニター
(控室にモニターに映る対局室の様子)

仁和寺には歴史的な国宝、重要文化財の建造物がたくさん点在しています。

■二王門(重要文化財)
仁和寺の正面に建つ巨大な門で、左右に阿吽の金剛力士像が安置されています。建築形式は平安時代の伝統である和様で統一されており、「京都三大門」のひとつに数えられています。

二王門

吽形 阿形


■五重塔(重要文化財)
1644年に建立。各層の幅に差がない、均整の取れた姿が特徴的で、総高は36.18メートル。柱や壁面には真言八祖や仏、菊花文様などが描かれています。

五重塔


■観音堂(重要文化財)
江戸時代初期に建てられ、およそ370年ぶりの「平成大修理」を終えて現在の姿になりました。僧侶たちの修行の場であり、通常内部は非公開。重要な儀式が行われる特別な場所です。本尊は千手観音菩薩で、動明王や降三世明王が祀られています。

観音堂


■金堂(国宝)
仁和寺の本堂。1613年に京都御所の天皇の重要行事を行う宮殿として建てられ、のちに仁和寺に移築された現存最古の紫宸殿。当時の宮殿建築を伝える建築物として、国宝に指定されています。内部には仁和寺の本尊・阿弥陀三尊のほか、四天王像や梵天像が安置されています。

金堂

△7六歩

時刻は16時を回り、局面は36手目△7六歩まで進んでいます。

先手は9筋の歩を取り込み、端で戦果を挙げられそうですが、図の7筋の突き出しも厳しい一手。以下▲8六角△3四歩▲2四歩△同歩▲同飛△2三歩▲2五飛△7三桂▲9三歩成△3三桂▲2六飛△4五桂(変化図)の進行は後手ペースと言われています。

豊島竜王としては、相手の攻めを受け流し、▲9三歩成の攻めを間に合わせたいところです。

4五桂

同門
(控室に福崎九段と阿部隆九段が来訪。小林裕七段と3人、同じ田中魁秀九段門下の兄弟弟子)

控室では、封じ手用の封筒の準備が始まりました。必要な封筒は2枚ですが、淡路九段と小林裕七段は、予備を含めて3枚に揮毫したようです。

淡路九段
(最初は、立会人の淡路九段から)

小林七段
(なかなか筆が手になじまない小林七段)

封筒
(完成)

時刻は15時を回り、それぞれの控室に午後のおやつが用意されました。おやつは両者ともにアップルパイ、飲み物は豊島竜王がグレープフルーツジュース、藤井三冠はアイスティーを頼んでいます。

豊島竜王のおやつ
(豊島竜王のおやつ)

藤井三冠のおやつ
(藤井三冠のおやつ)

アップルパイ
(アップルパイ)