2019年8月 2日 (金)

Dsc_52801 (終局直後の様子。両者はすでに口を開いて感想を述べ合っていた)

Dsc_52851 (初の挑戦者決定三番勝負進出を決めた豊島名人)

Dsc_52941 (敗れた渡辺明三冠)

Dsc_53031 (主催者インタビューに入る)

――豊島名人、本局を振り返って、いかがでしょうか?

豊島 最新の形から、ずっと難しい際どい将棋だった気がします。初めのほうでこちらが時間を使う展開になったので……。

――よくなったと思ったところはどこでしょうか?

豊島 最後のほうまで分からなかったですね。夕食休憩明けのところで飛車を切っていきましたが、まだよく分かっていないところもあったので。最後、▲8三金(89手目)を打って勝ちかなとは思ったんですけど。

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――渡辺三冠は、本局を振り返って、いかがでしょうか?

渡辺 作戦は予定で、桂得してどうかという感じの将棋なんですけど、ちょっと▲5八金(61手目)のところで……そうですね、長考した割にはあまり、本譜はさえた手順がなかったというか。そこの辺りが勝負どころだったような気がします。

――勝負どころで誤ったかもしれない、と。

渡辺 そうですね。代わるいい手があったかどうかは分からないですけど、本譜はちょっとずつ悪くなっていったような。

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――豊島名人は初の挑戦者決定三番勝負進出です。抱負をお願いします。

豊島 竜王戦はこれまで、本戦には出られるものの、なかなか挑決までいけなかったので……。まあでも、いつも通り一局一局やっていきたいと思います。

――対戦相手は永瀬拓矢叡王か木村一基九段です。

豊島 どちらがこられても強敵ですが、積極的に指して自分のよさを出したいと思います。

20190802q前記事の△6九角に対し、豊島名人は25分の考慮で▲8三金(図)と打ちました。この手は△7八飛▲9七玉△8八銀▲8六玉△8一飛までの詰みを防ぎつつ▲7四桂△同銀▲5二金△6三玉▲5三とまでの詰めろをかけた詰めろ逃れの詰めろです。▲8三金に△8七角成▲同玉△8五飛▲7八玉△8三飛とすれば後手は8三金を抜くことができますが、先手玉も少し余裕ができるので、以下▲5三と(△同玉には▲4四角がある)から自然に攻めていって先手が勝てるようです。中継室の高野秀六段は、「なるほど、これがいちばん手堅いですか」と納得したように口にし、対局室に向かいました。

Dsc_52261 (豊島名人)

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20時54分、玉頭攻めの△8五歩に、豊島名人はじっくり49分考えて▲4三歩成(上図)とし、後手玉の寄せを目指しました。次に先手に手番がくれば、▲8二金が厳しい手になります。実戦は▲4三歩成以下、△8六歩▲同銀△同桂▲同金△8七歩▲同金△6九角(下図)までは早いペースで進行。△6九角は△7八飛▲9七玉△8八銀以下の詰めろですが、▲7八歩と受ければ後手から詰めろを続ける適当な手段が難しいようです。例えば自然な△8一飛には▲5二と△同銀▲8二歩(△同飛なら▲7四桂が王手飛車取り)が利きます。

20190802p

Dsc_52611 (豊島名人が勝ちに近づいていると見られる)