2022年7月19日 (火)

2022071961対局再開後、稲葉八段は▲2七同飛と馬を取り、△3八銀の両取りに▲3六角と打って飛車と金にひもをつけました。苦しい辛抱ですが、▲8一角成や▲8三馬で、自陣に馬が利いてくる形になれば、抵抗する手段が増えます。
Img_1217(稲葉八段は辛抱を選ぶ)

2022071958_3△2七角成に稲葉八段は考え続け、夕食休憩の18時を迎えました。△2七角成に稲葉八段が消費した時間は1時間9分で、ここまでの消費時間は▲稲葉3時間51分、△山崎2時間56分。夕食は山崎八段が注文なし、稲葉八段が珍豚美人Cセット(ご飯、カップスープ、イレブン)です。対局再開は18時40分です。
Img_1269(夕食休憩時の局面)
Img_1271(強烈な角成りを前に、稲葉八段は長考に沈んだ)

2022071958_2△4五角から、▲9四馬に△2七角成という角捨ての大技が飛び出しました。▲9四馬は、馬の位置を気にしての一手ではないか、と棋士室で示されました。馬を逃げておけば、次に▲4五銀と角を取っても△同飛が両取りになりません。しかし、△2七角成が大技。▲2七同飛に△3八銀が、飛車と金の両取りになります。▲4八飛と逃げても△3九銀▲5八飛に△4九馬の追求が厳しく、後手が抜け出したかもしれません。
Img_1240_2(大技を見せた山崎八段。局面をリードする一手になるか)

2022071952▲4六銀打の受けに対して、山崎八段は△3五桂と放ちました。▲同銀△同歩▲4四桂△4五桂▲3二桂成△同飛▲2四歩(変化図)は、攻め合いの変化です。
2022071959実戦は△3五桂に対して、端で遊んでいる香を活用する▲9二香成で桂を取りにいきました。以下、△4七桂成▲同金△4五角と進んでいます。
2022071956_2△4五角に▲同銀は△同飛で馬と金の両取りがかかります。先手は右金が玉から離れ、囲いが薄くなりました。慎重な手段が求められそうです。
Img_1268(読売新聞の新聞解説を務める池永五段)

2022071950端にいた飛車が、4筋に移動して四間飛車の構えになりました。山崎八段は銀を引いて玉形を引き締めながら、飛車先を通します。次の△4五飛が馬取りになり、△2五飛のぶつけも見せて飛車交換を迫る狙いもありそうです。
読売新聞の新聞解説を務める池永天志五段は「▲5六銀△4五角▲同銀△同飛▲9六歩△4九飛成(変化図)まで進むと、後手よしがはっきりします。△5二銀に、先手は▲4六銀打や▲5六銀打として受けるのでしょうか。少し後手の攻めがうるさいかもしれませんが、まだまだこれからの勝負です」と見解を述べました。202207195615時頃の大阪は雨が上がりました。しかし、湿度は相変わらず高く、蒸し暑さが残っています。
Shogikaikan(関西将棋会館は住み慣れた大阪市福島区からの移転が決まっている)
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