2020年9月19日 (土)

終局直後、主催紙によるインタビューが行われました。

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【羽生九段の談話】
――本局を振り返っていかがでしょうか。
羽生「序盤から見通しが立たない感じの将棋と思って指していました。難しいというか、形勢判断がつきかねる感じで進んでいたと思います」

――どのあたりでペースをつかんだと思いましたか。
羽生「香を取って、飛車取りの催促をする形になったところはよくなかったのではないかと思います」

――三番勝負は丸山九段の先勝でしたが、どのように修正しましたか。
羽生「一手ずつ丁寧に指していこうと思っていました」

――挑戦権を獲得になります。2年前に挑戦されたタイトル100期がかかっています。
羽生「そういう舞台で指せることは非常にありがたいことだと思っていますので、充実させて開幕を迎えられたらと思います」

――豊島竜王との七番勝負です。抱負はいかがでしょうか。
羽生「終わったばかりでまだ何も考えていませんが、これからしっかりとコンディションを整えたいと思います」

――七番勝負の始まる前の9月27日に誕生日で50歳になります。
羽生「特別意識していたことはありませんが、よかったなと思います」

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【丸山九段の談話】
――本局を振り返っていかがでしょうか。
丸山「4筋で歩交換したのはつまらなかったかと思いましたが、そのあともしょうがなかったと思いましたけど、その辺から方向性がおかしくなってしまったかと思いました」

――三番勝負は先勝したわけですが。
丸山「三番勝負ですが、一局一局が勝負ですから」

A7302407(インタビュー終了後、感想戦が行われた)

(書き起こし=銀杏)

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豊島将之竜王への挑戦を目指す第33期竜王戦挑戦者決定三番勝負第3局は、21時31分に99手で羽生善治九段の勝ちとなりました。消費時間は▲羽生4時間26分、△丸山4時間47分。羽生九段が竜王復位、タイトル通算100期を目指して挑戦権を得ました。
第1局は10月9・10日に東京都渋谷区「セルリアンタワー能楽堂」で指されます。

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図の▲4四桂が後手玉の急所を突いた一着。△4四同歩は▲6三銀と捨てる手があり、後手玉は寄り形になります。羽生九段が勝ちに近づいています。

控室では常務理事の鈴木大介九段、将棋プレミアムで解説を務める中村太地七段、中村真梨花女流三段が継ぎ盤で検討しています。

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A7302340_2 (鈴木大介九段)
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(中村太地七段)

A7302352(中村真梨花女流三段)


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図は19時40分頃の局面。▲4七角が△2九飛成を防ぎつつ、▲8三銀を狙った攻防手です。控室では、この手の評判がよく、先手が確実にリードを広げているとみられています。