2020年10月 8日 (木)

17時前より対局検分が行われました。対局検分は対局の環境を確認することで、盤駒のチェックだけでなく明るさや室温を調整します。

セルリアンタワー能楽堂で開幕するのは、第30期竜王戦から4期連続です。豊島竜王は2回目、羽生九段は3回目の対局となります。

Dsc_2829(羽生九段が先に入室した。肩書を「九段」として挑戦するのは、今回が初めて)Dsc_2831(豊島竜王が上座に着き、対局検分が始まった)

Dsc_2837(豊島竜王)

Dsc_2839(羽生九段)

Dsc_2850(盤駒は日本将棋連盟所蔵のもの。特に問題はなく、検分は数分で終了した)

豊島将之竜王に羽生善治九段が挑戦する、第33期竜王戦七番勝負が開幕します。
豊島竜王は竜王位とタイトルの初防衛を目指す戦いです。羽生九段のタイトル戦登場は第31期竜王戦以来で、竜王に復位するとタイトル獲得100期を達成します。
第1局は2020年10月9、10日に東京都渋谷区「セルリアンタワー能楽堂」で行われます。第1局の先後は振り駒で決定です。持ち時間は各8時間。対局開始は9時、昼食休憩は12時30分から13時30分、おやつは10時と15時に提供されます。封じ手は1日目の18時の時点で手番の棋士が行います。

立会人は森内俊之九段、立会人・新聞解説は野月浩貴八段、記録係は滝口勇作二段(石田和雄九段門下)、読売新聞の観戦記担当は鈴木宏彦さんです。特別観戦プログラム「竜王戦プレミアム」には佐藤康光九段、戸辺誠七段、梶浦宏孝六段、矢内理絵子女流五段、中村桃子女流初段が出演します。

※竜王戦プレミアムや現地大盤解説会の申し込みは締め切られています。

本局の中継は棋譜コメントを銀杏、中継ブログを紋蛇でお送りいたします。

【主催:読売新聞(囲碁将棋|竜王戦)】
https://www.yomiuri.co.jp/igoshougi/ryuoh/

【特別協賛:野村證券】
http://www.nomura.co.jp/

【協賛:東急グループ】
https://tokyugroup.jp/

【協賛:株式会社UACJ】
https://www.uacj.co.jp/

【協賛:旭化成ホームズ株式会社】
https://www.asahi-kasei.co.jp/j-koho/index.html/

【対局場:セルリアンタワー能楽堂】
http://www.ceruleantower-noh.com/

2020年9月19日 (土)

豊島将之竜王と羽生善治九段で争われる第33期竜王戦七番勝負は、下記の日程で行われます。

<第1局> 10月9、10日(金、土) 東京都渋谷区「セルリアンタワー能楽堂」
<第2局> 10月22、23日(木、金) 愛知県名古屋市「亀岳林 万松寺」
<第3局> 11月7、8日(土、日) 京都府京都市「仁和寺」
<第4局> 11月12、13日(木、金) 福島県福島市「吉川屋」
<第5局> 11月26、27日(木、金) 鹿児島県指宿市「指宿白水館」
<第6局> 12月5、6日(土、日) 神奈川県箱根町「ホテル花月園」
<第7局> 12月16、17日(水、木) 山形県天童市「ほほえみの宿 滝の湯」

本日はご観戦くださいまして、ありがとうございました。

感想戦終了後、別室に移動して記者会見が行われました。

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――今日の対局を振り返っていかがでしたか。

羽生「序盤戦から力戦模様というか、手探りの感じの展開が続いていたので、互いに漠然としていて、はっきりしないような将棋だったという感想です」

――2年前の七番勝負でタイトル通算100期は成りませんでした。竜王戦で100期に挑戦することになりました。

羽生「タイトル戦に舞台に出場できないと、そういうチャンスがないので、挑戦者になれたのは非常によかったなと思っています。終わったばかりなので、気持ちの準備はできていませんが、これから開幕までにしっかり調整して、いいコンディションでスタートを迎えられたらと思います」

――現在の体調はいかがでしょうか。

羽生「体調はまったく普通で、変わりなく臨めています」

――豊島将之竜王の印象はいかがですか。

羽生「豊島さんは最新の形にも精通していますし、攻めても受けてもあまりミスがないというか、力強さを棋譜を見るだけでも感じています。七番勝負の舞台で顔を合わせられることは非常に楽しみに思っています」

――タイトル戦の舞台についてですが、前回竜王を失ってから2019年はタイトル戦から遠ざかっていました。タイトルに挑戦できた要因についてどのように感じていますか。

羽生「ほかの棋戦でも勝ち進んでいないので、今回挑戦できたのは幸運だったと思っています。そういうチャンスというか、機会を生かせてよかったなと思います」

――豊島竜王との七番勝負です。挑戦者決定戦が終わったばかりですが、ご自身で七番勝負はどういうところがポイントになりそうと思いますか。

羽生「2日制ですし、序盤でリードされると苦しいと思うので、作戦面でも準備しておくことが大事になると思います」

――番勝負前に50歳を迎えます。過去のご自身と50歳になってからのご自身のイメージの差や変わってきたことはありますか。

羽生「誕生日まではもう少しありますが、50代になってもタイトル戦に出られたのは、棋士として非常に名誉だと思っています。ただ、それに満足するのではなく、励みにして、前に進んでいけたらと思っています」

――タイトルホルダーは最年長は渡辺明名人が36歳。ご自身よりも一回り以下の世代がすべてのタイトルを持っています。ご自身も羽生世代という世代を形成しましたが、世代間にご自身で思うことはありますか。

羽生「30代や20代以下でも強い人はたくさんいますし、同年代でも久保さんが王座に挑戦しています。同年代も変わらずに活躍しているので、世代にこだわずに目の前の一局を一生懸命やっていくということでしょうか。

――若い世代の代表格で藤井聡太二冠がいて、過去のご自身のフィーバーに近い人気があると思います。新しい世代の活躍が刺激になった部分はありますか。

羽生「刺激というか、藤井さんは二冠ですから、大きな実績を残されているわけですし、日々の対局や棋譜を見て、参考にしたり勉強したりというところです」

――2年ぶりのタイトル戦です。それまでは毎年タイトル戦に出るのが日常生活のような状況だったと思います。タイトル戦に出ない期間というのは、以前とリズムが変わったと思うのですが、どのように対局に準備しましたか。

羽生「移動が少なくなって、体調面では少し楽になったのはあります。本当の真剣勝負というか、大舞台での対局はなかったので、その辺はどうなるのかなというのは、やってみないと分からないと思っています。生活はここ1、2年は変わったと思います」

――将棋の向き合い方や対局の準備でここ1、2年で工夫されたのでしょうか。

羽生「課題というか、考えないといけないことが多くありすぎて、最近の将棋を理解しているかどうかわからないですが、自分なりに少しずつそういうところを後れを取らないように考えています」

――100期という節目は、羽生九段にとってどのようにありますか。

羽生「タイトル戦に出ないとどうにもならないですし、最近はその機会すらずっとなかったので、考えることもなかったというのが実感です。ただ、非常に大きな記録がかかるシリーズですので、その舞台にふさわしい将棋を指したいなと思っています」

――応援するファンや50代の方からの視線が送られるタイトル戦になると思います。その思いをうかがえますか。

羽生「将棋は幅広い年代というか、世代でできる競技ではあるので、50代であれば50代なりの将棋を指せていければいいなと思っています。それがどういうものになるのかというのは、これからの課題になると思います」

――失冠して九段を名乗ってから2年間のチャレンジは、それまでタイトルを持っていた日々とは違う意義というか、位置づけですか。

羽生「なかなかタイトル戦に近づくのは難しかったですし、いまは強い人がたくさんいるので、一局一局を一生懸命にやっていたということですね。タイトル戦にすごく出ていた時期は、1年もたつとだいぶ忘れてしまって、目の前の課題に集中していくというところでした」

――22日から王将戦のリーグも始まります。初戦は藤井聡太二冠です。意気込みをお聞かせください。

羽生「王将リーグも来週から開幕で、11月の終わりぐらいにリーグ最終戦です。間隔が詰まってやっていきますので、気力を充実させていきたいと思っています」

――竜王戦七番勝負に向けての意気込みをお願いいたします。

羽生「私にとっても久しぶりのタイトル戦ですので、張り切って臨みたいと思っています。ファンの皆さんに楽しんでもらえるな将棋を指せるように力いっぱいやりますので、よろしくお願いいたします」

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(書き起こし=銀杏)