クサビの桂打ち 夕食休憩の直前から急に指し手のペースが上がってきました。図は▲7五桂と打った局面。後手は放置すると▲5四飛△同歩▲4四馬から寄り筋に入るため、何か処置を施す必要があります。7五桂は、4七馬の利きがなくなれば▲8三銀と覆いかぶさる手もあり、後手にとってやっかいな存在です。丸山九段が形勢不利をひっくり返せるか、正念場を迎えているようです。
夕食休憩 18時、この局面で羽生九段が5分使って夕食休憩に入りました。消費時間は、▲羽生3時間32分、△丸山3時間9分。夕食の注文は、羽生九段が「もやしそば」(紫金飯店)、丸山九段が「酢豚丼+ワンタンスープ」(紫金飯店)です。対局は18時40分に再開されます。 (もやしそば) (酢豚丼+ワンタンスープ)
羽生九段がリードを奪う 第1図は5六の角を9二に逃げた局面。ここで▲3四歩が「金は斜めに誘え」の格言に沿った突き出しで、以下△同金に▲3五歩(第2図)が厳しい一手です。対して△同金、あるいは△4四金なら▲2四飛と飛車を世に出して先手優勢となります。丸山九段としては、自玉の守りが薄いので網が破れないように指し進める必要がありましたが、先手の攻めを止めるのが難しくなってきた印象です。
懐かしの棋書 将棋は難解な中盤戦が繰り広げられていますが、ここで両対局者の懐かしの棋書を紹介します。 (『羽生の頭脳』。あらゆる戦型を網羅した戦術書で、平成4年から平成6年の間に全10巻が出版された。後に文庫化されて、全5巻とコンパクトに) (『ライバルを倒す一手』。丸山九段の唯一の著書で、自身の実戦を題材にした次の一手集。平成10年に出版された)