カテゴリ「第35期竜王戦決勝トーナメント」の記事 Feed

2022年8月 1日 (月)

20220801i_2図は△8七飛成▲5六玉に、△6七銀と打ったところです。気づきにくい寄せで、▲4六玉に△5六金!があります。以下▲同金△同銀成▲同玉△5四金で必至、▲3七玉は△5五金で急所の金を取れば勝勢です。

Dsc_7387(昼の再開時の山崎八段。いつも通り?の自由奔放な序盤から、難解な中終盤を乗りきろうとしている。山崎将棋の名局誕生か)

20220801h_2山崎八段の勢いある攻めが止まりません。▲7七同玉には△7六歩▲同玉△7五銀▲同玉△8七飛成があります。
はたして永瀬王座は踏ん張れるでしょうか。△7七桂成に▲5六玉のほうがいいかもしれません。

Dsc_7384(昼の再開後の永瀬王座。苦戦に陥っている)

20220801g_2図は▲5五金と桂を取ったところ。ここで△7七歩成▲同金△8五桂▲6七金△8七歩成▲同歩△7五桂が厳しいといわれています。先手は▲4四金と出ても詰めろになっていないため、しばらくは受けに回るしかありません。しかし、△7五桂に▲6八玉も△6七桂成▲同玉△7七桂成▲同玉△7六歩▲同玉△7五歩から飛車を成りこまれてしまうので、一手一手の寄りになってしまいます。
形勢は山崎八段がはっきりよくなりそうで、チャンスを迎えました。

Dsc_7311(朝の山崎八段。タイトルホルダーを倒して、自身2度目の挑戦者決定三番勝負進出となるか)

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△6二銀に対局再開後の一手は、じっと▲3六銀でした。

20220801b_3▲7四歩や▲5五桂が見えるなか、遊んでいた銀を使って桂を支えて、次の▲2六桂や▲4六桂を楽しみにしています。

実戦は△8五歩▲2六桂△3五銀▲同角の進行です。

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先手が気持ちよく指しているようですが、5三の地点は後手も堅く守っています。△8六歩で難解な終盤戦になりそうです。

Dsc_7442(19時前の千駄ヶ谷。日が暮れていく)

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18時、図の局面で永瀬王座が22分使って、夕食休憩に入りました。消費時間は☗永瀬3時間26分、☖山崎3時間22分(持ち時間は各5時間)。夕食注文は永瀬王座が「にぎり特上(サビ抜き)」(千寿司)、山崎八段が「豚しゃぶ(ごま味噌)弁当」(鳩やぐら)。対局は18時40分に再開されます。

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桂と歩を手持ちにし、△7五歩で本格的な戦いが始まりました。▲同歩に△8三桂が狙いの自陣桂です。

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▲7六銀に△7五桂▲同銀△7四歩と、桂を捨てて銀を取り返しにいく筋があります。

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実戦もそのように進み、△7四歩に永瀬王座は▲2四歩と突きました。ABEMAで検討されていたのは、▲2四歩に代えて▲3五桂△3四銀▲3六銀△7五歩▲2六桂です。

20220801g▲2六桂は銀を手に入れて▲7二銀を狙っています。しかし、△3五銀▲同銀△6二玉で銀打ちを消されると先手が容易ではありません。

実戦の進行を見てみましょう。△7四歩に▲2四歩△同歩▲3五桂△3四銀▲5五歩です。

20220801i
△5五同歩だと▲5四歩△同銀▲4六桂があります。山崎八段は△7五歩と応じましたが、▲5四歩で玉頭を直撃されるのでかなり怖いです。

Dsc_7419(永瀬王座の「不倒」)

Dsc_7418(山崎八段の「不抜之志」)

Dsc_7417(藤井聡太竜王の「果断」)

Dsc_7424(竜王経験者の藤井猛九段は「私素定無」。「藤井システム」になぞらえている)

Dsc_7427(2017年の竜王獲得により、羽生善治九段は「永世竜王」の称号を獲得して「永世七冠」に輝いた。揮毫されている言葉は「和気到祥」=わきしょうをいたす。心が穏やかだと幸福がもたらされること)