おはようございます。第34期竜王戦決勝トーナメントの山崎隆之八段（１組３位）と藤井聡太王位・棋聖（２組優勝）の一戦を関西将棋会館からお送りします。対局は７月10日（土）10時開始予定。持ち時間は各５時間。先後は振り駒で決定します。
棋譜・コメント入力は潤記者、ブログは飛龍が担当いたします。どうぞよろしくお願いいたします。
【第34期竜王戦決勝トーナメント藤井聡太王位・棋聖対山崎隆之八段戦】
http://live.shogi.or.jp/ryuou/kifu/34/ryuou202107100101.html
（今朝の大阪は曇り。気温は31度まで上がると見込まれる）
（梶浦七段は前期のリベンジを果たし、２年連続で１組優勝者と対戦する）
（前期挑戦者の羽生九段はここで姿を消した）
（梶浦七段の竜王戦はまだ終わらない）
以上で本局の中継は終了です。ご観戦いただきありがとうございました。
この局面で羽生九段が投了し、梶浦七段の勝ちとなりました。終局時刻は22時12分。消費時間は、▲梶浦４時間42分、△羽生４時間59分。梶浦七段は次戦で永瀬拓矢王座と対戦します。
梶浦七段は▲３六角から一気に迫っています。これがなかなかの迫力で、後手玉はたまらず上に逃げ出しました。上図は次に▲４四角が厳しい狙い。
22時５分の局面です。△４九角に対して▲３七銀と打ったのがなるほどの一着でした。△３八角成は▲４四角から寄ります。羽生九段は残り３分ほどです。
20時59分、梶浦七段は前記事△５七銀の局面で▲４三歩成を着手しました。以下△同玉▲４五飛△４四歩▲４六飛△同銀不成と進みます。先手玉に余裕を与えると同時に、後手玉にも余裕ができました。これは局面が穏やかになったといえます。
△４六同銀不成に対し、▲３六角と攻防に角を放ちました。△４五桂や△５四歩などで簡単に止まってしまいますが、梶浦七段はどう手をつなげていくのでしょう。もしこの角が好手なら、△４六同銀成だったということになるのでしょうか。
（前局の佐藤天彦九段戦との将棋も終盤まで難解な将棋だった。梶浦七段は強豪とも互角に戦える力がある）
20時30分の局面です。激しい攻め合いのすえに両者とも自玉が非常に危険な状態となっています。もう安住の地はなさそうです。現状は先手玉に詰めろがかかっており、▲６九歩△６六桂▲６七銀打△７八歩が一例として考えられます。絶体絶命に見える先手玉も、▲４三歩成△同玉▲４五飛や、駒をたくわえての▲４三銀から殺到する筋があり、パンチを浴びながらも目は敵玉をにらんでいます。
結論としては、ギリギリの勝負といえるでしょう。俗に「どちらも持ちたくない」といわれる局面です。
（ギリギリの勝負をこれまで何度も切り抜けてきた羽生九段。抜け出せるか）
羽生九段の攻めが続いていましたが、梶浦七段にも期待の一着が出ました。▲４四歩と、４五にいた歩を突いた手が好感触。玉頭を攻めながら２五飛が横に使いやすくなりました。
激しい攻め合いに突入です。双方とも玉形が危なく、１手のミスが命取りになりそうな状況です。スリリングな戦いを制するのはどちらでしょうか。羽生九段はここで時間を使っています。悩ましそうな様子です。
（18時30分ごろの千駄ヶ谷。本格的に雨が降ってきていた）
（夕食休憩中の特別対局室）
（羽生九段側から見た盤面）
（梶浦七段のお盆）
（羽生九段のお盆）
18時37分、先に梶浦七段が対局室に戻ってきました。２分後に羽生九段も席に着いています。
18時、この局面でこの局面で羽生九段が33分使って夕食休憩に入りました。消費時間は☗梶浦３時間14分、☖羽生３時間21分。夕食の注文は羽生九段が「とろろせいろそば」（ほそ島や）、梶浦七段が「ハッシュドビーフ」（Le Carre）。対局は18時40分に再開されます。
１時間15分の長考で指した▲３八同金に、羽生九段は△６七歩と垂らしました。ぼんやりとした垂れ歩は、いかにも羽生九段らしい間合いです。どう応じたらいいのかすぐには判断がつかない、悩ましい一着に思えます。▲６七同金は△８七歩成があるので、この歩は取れません。代替案を探すべく梶浦七段は再び考えています。長考は40分に達しました。
（竜王戦ドリームを目指す梶浦七段に、羽生九段は難題を課した）