カテゴリ「第34期竜王戦挑決第1局」の記事 Feed

2021年8月12日 (木)

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図は▲3五歩と歩を取ったところ。▲2六歩から▲2五歩と飛車を捕まえる狙いで、デビュー当時の永瀬王座を思わせるような超駒得重視の構想です。現局面で△7三桂▲2六歩△8五桂は、▲2五桂と今度は角を捕獲されてしまいます。

Dsc_0981(昼食休憩後の永瀬王座)

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図は△5五歩に▲6六金と7六にいた金を寄ったところ。金を遊ばせないようにし、▲5五金と使おうとしています。藤井王位・棋聖は△7六歩とまた叩きました。▲7六同金なら、金を中央で使わせずにすみます。

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18時、図の局面で永瀬王座が47分使って夕食休憩に入りました。消費時間は☗永瀬3時間21分、☖藤井3時間27分。夕食注文は永瀬王座が「肉豆腐キムチ弁当」と「納豆オムレツのキムチ入り単品」(鳩やぐら)。鳩やぐらの「肉豆腐」は具にきのこか糸こんにゃくを選べ、永瀬王座はきのこを指定しました。藤井王位・棋聖は「ハッシュドビーフ・半熟卵追加」(Le Carre)。対局は18時40分に再開されます。

Dsc_1056 「肉豆腐キムチ弁当」と「納豆オムレツのキムチ入り単品」

Dsc_1066 「ハッシュドビーフ・半熟卵追加」

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▲6六同金と応じ、振り飛車の金が上ずっています。永瀬王座はまとめきれるでしょうか。実戦は△3一金と玉を固めて、力をためています。

Dsc_1008(先日、オリンピックが行われた国立競技場。パラリンピックは今月24日に開幕する予定)

Dsc_1012(会場近くにあるのが、藤森照信氏のパビリオン「茶室『五庵』」。国立競技場から半径3km圏内の合計9カ所にパビリオンを建てるプロジェクト「パビリオン・トウキョウ2021」のひとつ)

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△8六歩に▲同歩△4五歩▲5七金△4六歩▲3八金△6四歩▲7五歩と進んでいます。

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途中の▲5七金から▲3八金がバランスを保った手で、攻撃続行を狙う△6四歩に▲7五歩と飛車に活を入れて勝負どころです。

控室では▲7五歩に△6五歩▲7四歩△6六歩▲7三歩成△7七歩が示されています。

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▲7七同角は△7三桂が△6五桂を狙って絶好の一手になります。▲7七同飛には△8六飛▲8七歩△7六歩です。

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飛車の取り合いになれば、2つの拠点が生きそうです。ただ、後手は4筋の金が離れ駒が気になります。それを嫌うなら、上記のように一気に攻め合わずに△3一金をどこかで入れる組み立てになりそうです。