カテゴリ「第33期竜王戦決勝トーナメント」の記事
好戦的な手
8筋にいた飛車を5筋に回ったのは好戦的な手で、△5五歩から攻めようとしています。その前に▲5七金と上がれば5六の地点を強化できますが、6八の角が使いにくくなってしまいます。先手は陣形が歪みやすく、かなり神経を使いそうです。
佐藤が残り1時間を切る
△5五同銀に対し、佐藤七段は夕食休憩前から合わせて46分の考慮で▲2四歩と指しました。以下△同歩▲5六歩△4四銀▲2四飛△2三歩▲2六飛と進めています。
途中の▲5六歩では▲2五歩△同歩▲同桂から激しく攻めるもありそうでしたが、本譜はおとなしい指し方です。後手は△4二銀から△3三銀上と形を整えれば、後の▲2五桂に△2四銀と受ければいいので、端攻めが怖くなくなります。
▲2六飛の局面で、残り時間は▲佐藤54分、△丸山1時間28分。佐藤七段が先に残り1時間を切りました。
夕食休憩時の高雄
夕食休憩
18時、図の局面で佐藤七段が6分使って夕食休憩に入りました。消費時間は▲佐藤3時間26分、△丸山3時間31分。夕食注文は丸山九段がヒレカツ定食、赤だし(ふじもと)、佐藤七段がとろろせいろうどん(ほそ島や)。対局は18時40分から再開されます。
(ヒレカツ定食)
飛車の転換
佐藤七段は7九の飛車を2筋に転換し、▲2五歩と圧力を加えています。2筋を交換すれば、▲2五桂からの端攻めが楽しみです。しかし、先手は玉形がやや不安定で、3八の銀をどう使うかが課題となっています。
7月最後の鳩森八幡神社(2)
7月最後の鳩森八幡神社(1)
扇子と戦術書
(七段昇段記念で、佐藤和俊七段の扇子が発売されている)
【『楽天市場』七段 佐藤和俊扇子「決然」:公益社団法人 日本将棋連盟】
https://item.rakuten.co.jp/shogi/15193895/
後手の牽制
▲6八角から△5一角▲5六歩△4五歩と進みました。
△4五歩は△4四銀からの盛り上がりを見せながら、▲4六角を牽制しています。▲4五同桂には△4四銀▲4六歩△7三角から△4五銀▲同歩△1九角成、また△4二銀引から△4四金▲4六歩△4三金引で▲4六角を消しながら歩を入手しての△4四歩を狙ってどうでしょうか。
先手は4五に桂を跳ねると「桂の高跳び歩の餌食」を狙われやすくなり、また▲2五桂から端攻めできなくなるので玉頭を攻める迫力が薄れます。かといって、このまま△4四銀と位を確保されると、後手陣がのびのびとしてきます。まだ駒はぶつかっていませんが、序盤の勝負どころといった印象です。