カテゴリ「第33期竜王戦七番勝負第3局」の記事 Feed

2020年11月 7日 (土)

20201107_26現局面がどういう状況なのか、福崎九段にお尋ねしました。
「後手は7筋の歩を取らせる代わりに、先手の飛車が手数を掛けて戻るよう仕向けました。横歩取りに似た構想です。昔の将棋だと歩を取られるのを警戒して後手が選ばない変化でしたが、近年はこういった新感覚な将棋が出てきましたね。第1局を見ても分かるとおり、豊島竜王は奇襲にも似た指し回しを採用するぐらい、この竜王戦に懸ける思いは強いです。本局も、後手番ながら積極的に指そうという意思が伝わります」(福崎九段)

Img_9041_h1100 (和服からスーツに着替えた福崎九段と畠山鎮八段)

Img_8948_h1000b (着替える前、「烏帽子がついていたんですよ」と畠山鎮八段が披露していた)

Img_8960_h1000 (その姿を撮影していた清水女流七段、さらに福崎九段も加わって関係者の撮影に応じた。このときはまだ序盤で継ぎ盤も並べられていなかったが、いまは控室らしい雰囲気が出ている)

Img_8286_3 (仁和寺の入り口にあたる「二王門」)

対局場である「仁和寺」は、真言宗御室派の総本山の寺院です。「古都京都の文化財」の構成資産として、世界遺産に登録されています。光孝天皇の勅願で仁和2年(886年)に建てられ始め、子の宇多天皇によって仁和4年(888年)に落成。当初は「西山御願寺」と称されましたが、やがて元号を取って「仁和寺」となりました。広大な境内には国宝の「金堂」をはじめ、仁和寺御殿といわれる御所風建築物が建ち並びます。

【世界遺産 真言宗御室派総本山 仁和寺】
http://www.ninnaji.jp/

【仁和寺|Twitter】
https://twitter.com/Ninna_ji

10時、両対局者の控室におやつが運ばれました。注文は、豊島竜王が「フルーツ盛合せ」、羽生九段が「菊」と「ホットコーヒー」。

Img_9027_o04 (豊島竜王の注文。「京都ホテルオークラ」が提供する)

Img_9025_o03

Img_9015_o02 (羽生九段の注文。「菊」は「亀屋重久」が提供する生菓子の名前)

Img_9010_o01

Img_9116_o_hata (撮影用のおやつを勧められた畠山鎮八段。関係者の無茶振りに応えつつも、白餡のあっさりとした美味しさを伝えてくれた)

【京都ホテルオークラ】
https://www.hotel.kyoto/okura/

【亀屋重久】
http://www.kameya-shigehisa.com/

20201107_12_2戦型は相掛かり調となっています。対局開始から45分でこの局面、やや探り合うようなペースで進んでいます。

Img_8986_h0945 (控室ではパーティション越しに、畠山鎮八段と清水市代女流七段が継ぎ盤を囲む)

Img_8827 (京都はしとしとと雨が降る)

おはようございます、第3局1日目のスケジュールは下記のとおりです。

09:00 対局開始
10:00 午前のおやつ
12:30 昼食休憩
13:30 対局再開
15:00 午後のおやつ
18:00以降 封じ手

関連ブログ記事 : 各種メディア情報

【京都・仁和寺の対決…豊島竜王VS羽生九段、竜王戦第3局詳報(随時更新)|読売新聞】
https://www.yomiuri.co.jp/igoshougi/ryuoh/20201106-OYT8T50068/

2020年11月 6日 (金)

【見どころ解説】

Img_8816_m01 (立会人の福崎文吾九段、新聞解説の畠山鎮八段が第3局について語る)

福崎「先ほど、羽生さんとお会いしたのが5年ぶりくらいでね。向こうは僕のこと忘れてるんちゃうかなって」
畠山「先生、さすがに5年ぶりとか、そんなことはないはずですけど(笑)」
福崎「羽生さんは99回タイトル取ってるんですよね。毎年1期でも99年掛かるわけですから、すごいですよね」
畠山「2年前でしたかね。この竜王戦で広瀬さんに敗れて。今期のタイトル戦出場は2年ぶりなんですね。でもすごいシリーズになりそうです。どちらのファンも胸が痛くなるような。どちらにも勝ってほしいという声も聞きますね」

Img_8820_m02_2 

福崎「第1局は豊島さんが桂をピョンピョン跳ねていってね。開幕からすごい将棋でした」
畠山「そうでしたね。竜王戦七番勝負では最短手数で。豊島さんが勢いに乗る可能性もあって、第2局はどうなるかと思いましたが、羽生さんが勢いある指し回しを見せました」
福崎「ふたりは20歳差なんですね。そこまで違うと指していて相当に違う感じですよね。どうですか」
畠山「年上がビシッと攻めてきても長引けばなんとかなるかなと思うこともありますが、年下にビシッと指されると読みきられたかなと」
福崎「そやねー。でも羽生さんは落ちついていますよね。乱れないです。1勝1敗になって、明日はどんな予想ですか、鎮さんは」
畠山「全然分からないので困ってるんですけど、ただ……」

Img_8818_m03

畠山「第1局のような超急戦は、ちょっと豊島さんもできないかなと思うんですけど」
福崎「明日は羽生さんが先手ですよね」
畠山「▲7六歩△8四歩▲2六歩の出だしかなと」
福崎「角換わりですか」
畠山「3手目の▲2六歩に豊島さんが何を持ってくるか。先生の予想はいかがですか」
福崎「僕は豊島さんが大好きですし、羽生さんも尊敬しています。(しばらく独演会が続き)それじゃー、そろそろ本題に入りますか。じゃ、まとめてね(会場爆笑)」
畠山「豊島さんが後手番で、どういった戦型選択をするかですよね。本格的な形になるのかどうか、また奇襲的な形があるのか、そういったところが注目かと思います」

(書き起こし=潤記者、撮影=虹)

Img_8498

本日のブログ更新は以上となります。
対局は7日(土)9時開始です。どうぞお楽しみに。