カテゴリ「第33期竜王戦七番勝負第3局」の記事 
激化の予感
16時台、徐々に両者の着手ペースが上がってきました。この▲2八玉は次に▲3五角△同角▲同飛と角交換をしたとき、以下△6五銀▲同銀△5七角が王手飛車取りにならないように3九玉型を回避した意味です。
「先手は次に▲3五角△同角▲同飛としたあと、▲8三角と打ち込むといった明確な狙いがあります。美濃囲い対居玉という模様なので、堅さを主張に戦えます。対する後手はそうされないよう、何とか動いていきたいですよね。進行の一例は、現局面から△6五銀▲同銀△9九角成▲7七角△同馬▲同金に△3四香(変化図)から先手玉のコビンを攻めてどうかです。その前に△1五歩▲同歩を利かすかなどは考えます」(畠山鎮八段)
いずれにせよ、そろそろ本格的に駒がぶつかってきそうです。
昼過ぎの現地
午後のおやつ
15時、両対局者の控室におやつが運ばれました。注文は、豊島竜王が「西陣風味」と「グレープフルーツ100%ジュース」、羽生九段が「モンブラン」と「紅茶」。豊島竜王のドリンクは対局室に用意されます。
(羽生九段の注文。これまでにも提供があった「京都ホテルオークラ」より)
【千本玉壽軒】
http://sentama.co.jp/
嵐山(2)
宮本五段の見解
(昼食休憩中、宮本五段に1日目の流れ、封じ手付近、2日目昼食休憩の局面、の3点について述べていただいた)
「対局1日目は、先手の羽生先生が歩得主張、後手の豊島先生が手に乗って指す、という構図でした。形勢のバランスは取れていたと思います。2日目に入って52手目△5六歩のあたりは、羽生先生が自然な対応をしているとまずくなりそうに見えました。次の▲8六角は苦労をされている印象でしたね。局面を収めるためにそこから角を何度か移動しています」(宮本五段)
「昼食休憩に入った61手目▲9八歩のところは、▲4八玉~▲3九玉までいけば先手玉も安定します。ただし後手陣のほうが伸び伸びとして駒が働いていますし、先手の3六飛が窮屈にもなってきました。私ならば少し後手を持って指してみたいです」(宮本五段)