カテゴリ「第33期竜王戦七番勝負第3局」の記事 Feed

2020年11月 8日 (日)

20201107_8116時台、徐々に両者の着手ペースが上がってきました。この▲2八玉は次に▲3五角△同角▲同飛と角交換をしたとき、以下△6五銀▲同銀△5七角が王手飛車取りにならないように3九玉型を回避した意味です。

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「先手は次に▲3五角△同角▲同飛としたあと、▲8三角と打ち込むといった明確な狙いがあります。美濃囲い対居玉という模様なので、堅さを主張に戦えます。対する後手はそうされないよう、何とか動いていきたいですよね。進行の一例は、現局面から△6五銀▲同銀△9九角成▲7七角△同馬▲同金に△3四香(変化図)から先手玉のコビンを攻めてどうかです。その前に△1五歩▲同歩を利かすかなどは考えます」(畠山鎮八段)

いずれにせよ、そろそろ本格的に駒がぶつかってきそうです。

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Img_9615_ob01 (このおふたりが大盤解説のため、控室から移動中)

Img_9624_ob02 (福崎九段と藤井女流初段。笑顔の絶えない空間がそこにはあった。本来は写真右側に解説役が立つものだが、登壇前の「じゃあ今日はこっちでやろか」のひと言で配置が入れ替わった)

Img_9701_h1500 (こちらは控室の様子。畠山鎮八段と高野秀六段が盤面モニターを確認中)

15時、両対局者の控室におやつが運ばれました。注文は、豊島竜王が「西陣風味」と「グレープフルーツ100%ジュース」、羽生九段が「モンブラン」と「紅茶」。豊島竜王のドリンクは対局室に用意されます。

Img_9684_o01 (豊島竜王の注文。「千本玉壽軒」提供)

Img_9671_o03 (羽生九段の注文。これまでにも提供があった「京都ホテルオークラ」より)

【千本玉壽軒】
http://sentama.co.jp/

Img_8178 (渡月橋)

桂川両岸をつなぐようにして渡月橋が架かっています。長さは155メートル。橋の上空を移動していく月を眺めつつ、「くまなき月の渡るに似る」と亀山上皇が感想を述べたことから名づけられました。
行政上の表記は「桂川」ですが、渡月橋周辺を「大堰川」、上流を「保津川」、下流を「桂川」とその名を変えて称されます。南流する中で複数のほかの川と合流し、大阪府に入ったところで「淀川」に。関西将棋会館周辺を通って大阪湾に流れ込みます。

Img_8166 (別アングルから)

Img_8444 (夜景)

Img_9573_h_miya (昼食休憩中、宮本五段に1日目の流れ、封じ手付近、2日目昼食休憩の局面、の3点について述べていただいた)

「対局1日目は、先手の羽生先生が歩得主張、後手の豊島先生が手に乗って指す、という構図でした。形勢のバランスは取れていたと思います。2日目に入って52手目△5六歩のあたりは、羽生先生が自然な対応をしているとまずくなりそうに見えました。次の▲8六角は苦労をされている印象でしたね。局面を収めるためにそこから角を何度か移動しています」(宮本五段)

20201107_61_2 「昼食休憩に入った61手目▲9八歩のところは、▲4八玉~▲3九玉までいけば先手玉も安定します。ただし後手陣のほうが伸び伸びとして駒が働いていますし、先手の3六飛が窮屈にもなってきました。私ならば少し後手を持って指してみたいです」(宮本五段)

20201107_6112時30分、図の局面で豊島竜王が9分考えて昼食休憩に入りました。消費時間は▲羽生5時間34分、△豊島5時間19分(持ち時間各8時間)。昼食の注文は、豊島竜王が「桜御膳」、羽生九段が「御室御膳」。対局は13時30分に再開します。

Img_9577_h_soto (対局室外観と庭園)

Img_9580_h_heya (昼食休憩時の対局室)

Img_9538_o02 (大盤解説会で爽やかに解説をする宮本五段)

※事前申し込み制、完売済です。

Img_9530_o (藤井女流初段。このときは「千日手」というワードも出ていた)

Img_9543_o03 (観客の席間は、通常よりも広く取られていた)