カテゴリ「第32期竜王戦決勝トーナメント」の記事 Feed

2019年6月28日 (金)

2019062844図の局面で近藤六段が8分考えて昼食休憩に入りました。ここまでの消費時間は▲近藤34分、△藤井1時間1分。昼食時の注文は藤井七段がイレブンのサービスランチで、珍豚美人。近藤六段がやまがそばのお弁当で、冷たいそばのセット。対局は12時40分に再開されます。

2019062841図は近藤六段が▲1八香と上がった局面。代えて▲4五歩と▲6七銀の2局が指されていたところで、ここで前例を離れました。以下、△5二玉に▲1九飛と進み、棋士室を訪れた井上慶太九段は「後手をもって気持ち悪い局面ではありますね」と印象を述べています。

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Photo_28 (印象を述べる井上慶太九段。日本将棋連盟関西常務理事でもある)

対局の行われている5階の対局室周りを紹介します。
 Photo_26 (5階玄関に掲げられている対局ボード)

Photo_22 (本局は御上段の間で行われている)

Photo_23 (御上段の間の入り口を出て右に進むと外の景色を見ることができる)

Photo_24 (廊下奥に設置されている御上段の間最上席の天井カメラ)

Photo_25 (9時44分、入り口に藤井七段の姿が見えた)

2019062835図は35手目、近藤六段が6八から7九に玉を引いた局面です。後手は(1)△4一飛、(2)△5二玉、(3)△3一玉、(4)△4四歩など手の広い局面で長考になるのではと棋士室では奨励会員によって話されていましたが、藤井七段は7分の少考で(4)△4四歩を選びました。

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Photo_20 (対局開始前、鋭い視線を飛ばす藤井七段)

◆近藤 誠也(こんどう せいや)六段◆

1996年7月25日生まれ、千葉県八千代市出身。所司和晴七段門下。2015年、四段。2019年、六段。棋士番号は303。
通算成績は132勝51敗(0.721)。今年度成績は8勝2敗(0.800)。
竜王戦は4期目で、通算18勝5敗(0.783)。今期は5組で優勝し、初の決勝トーナメントに進出。パラマストーナメント1回戦で梶浦宏孝四段に勝ち、本局を迎えている。

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◆藤井 聡太(ふじい そうた)七段◆

2002年7月19日生まれ、愛知県瀬戸市出身。杉本昌隆八段門下。2016年、四段。2018年、七段。棋士番号は307。 棋戦優勝は3回。
通算成績は127勝22敗(0.852)。今年度成績は11勝2敗(0.846)。

竜王戦は3期目で、通算18勝2敗(0.900)。今期は4組で優勝し、初参加から3期連続で決勝トーナメント進出を果たした。

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藤井七段と近藤六段は、これまでに公式戦で4度対戦があり、藤井七段3勝、近藤六段1勝となっています。以下はその対戦履歴です(肩書きは対局当時のもの)。

1戦目:2017年5月25日、第30期竜王戦6組ランキング戦決勝、▲近藤五段-△藤井四段(相掛かり、102手で藤井四段の勝ち)
2戦目:2018年8月31日、第49期新人王戦トーナメント、▲近藤五段-△藤井七段(角換わり腰掛け銀、84手で藤井七段の勝ち)
3戦目:2019年2月5日、第77期C級1組順位戦、▲藤井七段-△近藤五段(角換わり腰掛け銀、136手で近藤五段の勝ち)
4戦目:2019年2月19日、第27期銀河戦本戦Eブロック、▲藤井七段-△近藤六段(角換わり、109手で藤井七段の勝ち)

2019062831近藤六段の先手で始まった本局は、角換わりへと進みました。近藤六段が居玉のまま腰掛け銀に構えたのに対し、藤井七段は腰掛け銀の形を急がず、4二玉型で駒組みを進めています。

Photo_16 (▲2六歩△8四歩が指された直後の対局室。藤井七段は対局開始前から上着を脱いでいた)

Photo_8 (記録係によって振り駒が行われた)

Photo_9 (と金が3枚で近藤六段の先手と決まった)

Photo_11 (振り駒が行われた歩を並べ直す藤井七段)

Photo_12 (先手となった近藤六段は、対局開始後、しばらく瞑想していた)

Photo_13 (やがて、飛車先に手を伸ばした)

Photo_15 (藤井七段は茶を飲んだあと、ハンカチに手を伸ばした)

Photo_14(2手目△8四歩を着手)