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2019年7月22日 (月)

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後手は玉頭から手をつけ、4六にいた桂を取らせている間に、先手玉に迫りました。図は△1七香成まで。1一香がいなくなると後手陣の危険度は増しますが、後手はすでに寄せに入っているのでしょう。

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直前に△4六桂▲4八金という利かしが入りました。これで4九飛が攻めに使いづらくなり、先手が攻める流れが変わりそうです。

後手は駒得になってもいて、ここでうまい攻めがあれば、優位を築けそうな状況になりました。ただし、▲4七歩~▲4六歩と桂を取る手が間に合ってしまうと攻めが難しくなり、また流れが変わりそうです。

19時10分過ぎ、永瀬叡王の残り時間は1時間を切りました。鈴木九段の残り時間は1時間49分です。

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(永瀬叡王が攻め続けられるか)

87先手は角を6六に戻し、歩頭に銀を進出して、局面の打開を図りました。6六角が2二玉に当たってしまうため、後手は5五歩を動かせません。

本譜は△7六飛と催促して、先手は▲5五角以下攻めていきました。

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(永瀬叡王)

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(鈴木九段)

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18時、この局面で鈴木九段が14分使って夕食休憩に入りました。消費時間は、▲鈴木3時間9分、△永瀬3時間34分。夕食注文は鈴木九段が「にぎり中、納豆巻1本」(千寿司)、永瀬叡王が「豚しゃぶ弁当」(鳩やぐら)。対局は18時40分から再開されます。

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(夕食休憩時の特別対局室)

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(鈴木九段が席について考えていた)

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先手は▲6二歩成としました。△同銀▲6六桂△7二飛▲6四角といった狙いでしょう。以下△7三銀に▲5五角と王手すれば、角の働きが段違いによくなります。先手が攻めのきっかけをつかんだようです。後手としては、5、4筋の位を取ったので、それを生かしたいところでしょうか。

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(鈴木九段は▲6二歩成としたことで、角を活用することができそうだ)

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図は25分の考慮で後手の永瀬叡王が△3三金上としたところ。6六角のにらみを軽減しています。ここ数手は、後手が先手の攻めを先回りして受けている印象です。

先手が腰の入ったパンチを打てるのか、後手がうまくいなすのかが焦点となってきそうです。

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(永瀬叡王が受けの手を続けている。棋風どおりの展開か)

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先手は8筋から4筋に飛車を回り、8筋周辺を後手に明け渡しました。もっとも、図から▲4五桂△同桂▲同飛△4四歩に▲7五飛と回るような再転換も含みにありそうです。

後手からは次に△7六歩の狙いがあり、先手は受けたいところなので、上記の順は有力かもしれません。ほかには▲6六角として、△7六歩を遅らせる手や、▲2五歩△同歩▲4五桂△同桂▲2四歩△同銀▲4五銀△4四歩▲3四銀といった攻めも考えられるでしょうか。

先手が作戦の分岐点を迎えているかもしれません。

127_800(鈴木九段は図の局面で10分以上の考慮中)

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13時38分頃、後手の永瀬叡王が△7四歩と突いて、戦いが始まりました。先手の鈴木九段は6筋の歩を突き捨てて、作った6三のスペースに角を打ち、応戦。このままなら▲7四角成、△7五歩なら▲8五角成で、どちらも馬の力が厚そうです。

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(永瀬叡王が7筋から動いた)

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(鈴木九段は角を打って応戦。本格的な戦いになりそうだ)