カテゴリ「第32期竜王戦七番勝負第1局」の記事 Feed

2019年10月11日 (金)

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18時、封じ手の定刻になると豊島名人はすぐに封じる意思を示しました。封じ手の考慮時間は32分。1日目の消費時間は▲豊島名人3時間51分、△広瀬竜王3時間22分。対局は12日9時から指し継がれます。

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ここ数手の先手の手順には苦心を感じます。65手目▲2四桂以降、持ち歩は手に入らず、▲9八香を生かして▲9九飛は2四桂を取られてしまいそうです。後手の玉や銀が2筋から遠ざかり、▲2四桂自体も空振り気味になってきました。控室の評判は「後手指しやすい」です。作戦勝ちの少し上まであるかもしれません。

Dsc_9790_2 (鈴木九段が検討のタクトを振る)

ニコニコ生放送の第1局2日目の放送は、台風の影響を考慮して放送中止になりました。

【番組中止のおしらせ|ニコ生公式将棋@nico2shogi】
https://twitter.com/nico2shogi/status/1182566551657926656



AbemaTVは放送しますが、予定していた解説は中止し、対局映像のみの放送となります。

【お知らせ|AbemaTV将棋ch@abematv_shogi
https://twitter.com/abematv_shogi/status/1182581606294282241

深浦康市九段と上村亘五段が控室を訪れ、検討しています。ここまでの進行について聞きました。

「これが最前線の将棋なのですね。豊島さんの65手目▲2四桂は思いきった手で驚きました。対して広瀬さんは、玉を右にもっていくことで相手の攻めに空を切らせようとしています。豊島さんより時間を残していることから、入念な準備をしてきたことがうかがえます」(深浦九段)

「私は8七金の形が気になって、先手が指しづらいように見えてしまいます。現状は後手をもって指してみたいです」(上村五段)

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図からは、先手はどこかで1歩を持って攻めにいきたい、後手は少しずつ形をよくしていきたい、という方針で進むと予想されています。じりじりとした戦いが続くかもしれません。深浦九段は「すでに70手台に入っていますが、ここからの第二次の戦いが重要になってきます」と話していました。

Dsc_9719 (継ぎ盤に初手から並べていく)

Dsc_9725 (「一手一手が難しい将棋」と深浦九段)

Dsc_9733 (上村五段は昨日、四段昇段後100勝を達成して五段に昇段した)

竜王戦プレミアムでは65手目▲2四桂を受けて、中村太七段と高見七段が大盤で解説しています。解説会の1日目は和やかに進むことのほうが多いのですが、このときはどこかピリッとしていました。▲2四桂が会場の空気を変えたでしょうか。

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Dsc_9693 (中村七段)

Dsc_9684 (高見七段)

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14時5分、▲2四桂が指されました。いきなり牙をむく驚愕の一手。唯一、鈴木大介九段だけが「▲2四桂か▲2四歩だと思いました」と話していました。いずれにしても定跡形から一転、風雲急を告げる一手といえそうです。後手は図から△2二金や△2四同歩▲同歩△2二歩(△2二銀)が予想される対応です。


Dsc_9633 (さっそく継ぎ盤が動かされる。「▲2四桂はすごい手ですね」と佐藤康九段)

Dsc_9639_2 (鈴木大介九段が控室を訪れている)

Dsc_9653 (竹部さゆり女流四段も来訪)

Dsc_9534_2 (竹部女流四段の差し入れ)

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Dsc_9620 (手番の豊島名人は前傾姿勢で考えていた)

Dsc_9608(広瀬竜王は相手の手を待つ立場)

Dsc_9600(第1局だからか、能舞台のためか、両者とも今回は紋付だった)

Dsc_9584(広瀬竜王は竜王就位式のときと同じ服)