カテゴリ「第31期竜王戦決勝トーナメント」の記事
先手の工夫
図は▲2四歩に△同歩と応じたところ。次に△4三銀とし、△4四歩▲5六銀△3四銀や△5五歩から△4四歩を狙う手があるため、先手の銀が目標になりそうでしたが、▲6六角が工夫の一手でした。
香取りを受けるには角を合わせるしかありません。▲6六角以下△5五角▲同角△同歩▲6六銀と進んでいます。
5筋の歩が伸びたことで、▲5五銀から右銀を楽にすることができます。▲6六銀に△4四歩なら、▲同銀△同銀に▲7一角と切り返します。
△6二飛には▲同角成とし、以下△同金は▲7一飛、△6二同玉は▲4一飛から攻めがつながります。後手は先手のキズを代償なしに捕獲する、というわけにはいきません。
増田六段が左銀をスムーズに使えるようにしたのに対し、佐藤九段はどう応じるでしょうか。
対局再開
昼食休憩時の特別対局室
昼食休憩
12時、図の局面で増田六段が16分使って昼食休憩に入りました。休憩時間は12時から40分間です。消費時間は▲増田1時間2分、△佐藤45分(持ち時間は各5時間)。
出前注文は、佐藤九段が「チャーハン、少なめ」(紫金飯店)、増田六段は「から揚げ定食」(みろく庵)です。
戦型は一手損角換わり
戦型は佐藤九段の得意戦法、一手損角換わりになりました。
△5四歩が佐藤九段の趣向でした。「角交換に5筋を突くな」と格言にあるように、角換わりで中央の歩を突くのはスキが生じやすくなるので、後手は自陣をまとめるのに苦労すると見るのが一般的です。
先手は早繰り銀に出て、後手は△4五歩と反発しています。▲4五同銀に△3五歩とし、後に△4三金右から厚い玉形を築くのが後手の方針でしょうか。まもなく、12時からの昼食休憩です。
対局開始
朝の準備
佐藤康光九段-増田康宏六段戦
第31期竜王戦(主催:読売新聞社、特別協賛:野村ホールディングス株式会社)決勝トーナメントより、佐藤康光九段(1組5位)と増田康宏六段(4組優勝)戦をお送りいたします。
対局は2018年7月11日(水)10時開始、持ち時間は各5時間。対局場は東京・将棋会館の特別対局室。先後は振り駒で決定です。
本局は将棋プレミアムで動画中継されます。大盤解説の開始予定は16時で、解説は村中秀史六段、聞き手は安食総子女流初段です。
【第31期 竜王戦 決勝トーナメント 佐藤康光九段 対 増田康宏六段】
http://www.igoshogi.net/shogipremium/live/live_info.html?live_id=10f29f693dbdf49b4806e361e3d709b8
これまでの対戦成績は佐藤1勝、増田1勝の五分。直近の対戦は2017年8月23日の棋王戦で、増田六段が制しました。
本局の中継は、棋譜コメントを牛蒡、中継ブログを紋蛇でお送りいたします。よろしくお願いいたします。