111手で佐々木五段が制した。終局時刻は22時4分。消費時間は、▲佐々木4時間43分、△阿久津4時間59分。勝った佐々木五段は次戦で久保利明王将と戦う。
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2017年7月 8日 (土)
つらい反省
形勢混沌という状況が続いていましたが、佐々木五段の▲5七玉(87手目)が実戦的な好手だったと、広瀬八段は見ています。ここから△6九竜▲6八金△6七歩成▲同金△6六歩▲6八金に、△6七歩成と打った歩を成り捨てる反省が出ました。以下▲同金に△8三玉(96手目)では、後手がつらい流れです。
後手が猛烈な追い上げを見せましたが、現状は先手の優位が再びはっきりしました。
怪しい雰囲気
遊び駒には触らない
「負けなし」のと金
佐々木五段が緩みなく後手玉に迫っています。▲5三と(53手目)と、強力な攻め駒のと金が後手玉の頭上を押さえました。「5三のと金に負けなし」という格言がありますが、後手玉は間近でにらまれているのだからたまりません。ここから△4四銀▲4三と△3三銀▲1六角(57手目)と進みました。
苦しい阿久津八段は辛抱を重ねますが、佐々木五段は確実に後手玉を追い込んでいきます。この▲1六角が攻防の好打で、浮き駒だった金を守りながら後手陣をにらんでいます。先手優勢がはっきりしました。
恐るべき攻め
夕食休憩
低い陣形を生かす
佐々木五段はばっさり▲3二飛成(41手目)と切って迫りました。△同飛に▲5六金(43手目)が継続手で、角の動きを封じながら攻め続ける態勢ができています。
次の狙いは▲5五金△同銀▲5三桂成の中央突破。後手はなかなか桂をタダ取りする展開にはできないようです。相手に飛車を渡すのは反動が厳しくなるものですが、先手は飛車の打ち込みが少ない陣形を生かしています。