カテゴリ「第30期竜王戦七番勝負第1局」の記事 Feed

2017年10月19日 (木)

大盤解説会は各会場とも2日目の10月21日(土)の開催になります。ご注意ください。

現地大盤解説会

日時  10月21日(土)13時受付開始、13時30分開会~終局まで
場所  セルリアンタワー東急ホテル B2階「ボールルーム」
入場料 2000円
解説者 村山慈明七段
聞き手 竹部さゆり女流三段
ゲスト 島朗九段(立会人)、中村太地王座

関西将棋会館

日時  10月21日(土)16時30分開場、17時開始
場所  関西将棋会館「4階多目的ルーム」
入場料 一般1500円
解説者 小林健二九段
聞き手 石本さくら女流初段

北九州大盤解説会

日時  10月21日(土)16時30分開始
場所  北九州国際会議場メインホール
入場料 前売り券一般1200円(当日券1500円)
解説者 加藤一二三九段
聞き手 村田智穂女流二段


トークショー&サイン会(福岡)

加藤一二三九段によるトークショー&サイン会が10月22日(日)に行われます。

日時  10月22日(日)14時開演
会場  西鉄ホール(福岡市中央区天神2の11の3 ソラリアステージ6階)
講師  加藤一二三九段
テーマ 思い出の対局―大山康晴十五世名人から藤井聡太四段まで
入場料 前売り券一般1700円(当日券2000円)

Dsc_0295(前夜祭会場に映し出された竜王戦の画像。今期ランキング戦6組、加藤九段と藤井聡四段の一戦)

本日のブログ更新は以上で終了します。明日からの竜王戦七番勝負第1局をお楽しみに。 

前夜祭の最後は「歴代竜王が語る竜王戦ヒストリー」と題して、島九段・佐藤康九段・森内九段・藤井猛九段が過去の竜王戦を振り返った。

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島 まず康光さん、竜王のタイトルを最初に獲るときは相手は羽生さんでしたよね。

佐藤 私の初めて取ったタイトルが竜王でした。24年前ですね。タイトルを獲るということは棋士を志した者にとって夢であるわけですけど、当時は自分でも驚きました。正直なところ、自分でもそこまでと思っていなかったので。

島 藤井さんが竜王を奪ったのは谷川さん(谷川浩司九段)からでしたよね。藤井システムで立ち向かった竜王戦。「竜王戦ドリーム」という言葉が使われ出したのは確か藤井さんのときからだったと思いますが、いかがでしたか。自分が勝てそうだという予感はありましたか。

藤井 いやいや、勝敗は意識しないで、舞台の大きさに満足していましたね。ああいう大舞台で対局できるということ自体が、これ以上ないプレゼントという感じで。海外対局もあったりして、夢の中にいましたね。勝負の苦しさを感じなかったことが、勝利につながったという印象です。

島 森内さんも、竜王を取られたときの感動は佐藤さん、藤井さんと似ているところがありますか。

森内 そうですね。初めて竜王を取ったのは第16期(2003年)だったのですが、ちょうどいろいろと浮き沈みの激しい年でして、前半戦はよくなかったんですけど、竜王戦で勝ち進むにつれて調子が上がっていって。竜王挑戦のときには絶好調という感じになりまして、相手は羽生竜王(当時)だったんですけれども、本当に自分の持っている以上の力が出せて。初めての竜王、初めての羽生さんからのタイトル奪取ということで、非常に思い出深いものがあります。それから、挑戦者決定戦は中原誠永世十段との対戦だったんですけれど、羽生-中原戦を見たいという逆風的な雰囲気の中で勝ち抜くことができたということでも印象に残っています。

島 雰囲気というのはありますよね。私はたまたま第1期(1988年)で竜王を取らせてもらった次の年が羽生-森下(森下卓九段)の挑戦者決定戦で、「ここで勝ったほうが事実上の竜王だ」なんていわれていました。私も出てきた19歳の羽生さんに対して本当に実力以上の勝負ができたんですが。藤井さんもいわれていたようにふわふわした気持ちというか、羽生さんもですね、19歳でタイトル戦に出てこられて、修学旅行のような感じで楽しそうにやっているんですよね。佐藤さんと森内さんは覚えていると思うんですけど、確か私は1日目の指し掛けの夜もモノポリーというゲームなんかを羽生さんと一緒にやってまして。

佐藤・森内 覚えています。

島 竜王戦でものすごく高額な賞金だったり大きな地位が懸かった対局をしているのに、モノポリーで5ドル、10ドルってやっているのがすごく面白かった記憶があるんです。それに比べると最近の竜王戦は厳しい対局というか、和気あいあいという感じがあまりないですよね。藤井さん、どうでしたか。

藤井 私が竜王戦に出た頃はですね、対局者は皆、午前中に控室にあいさつにいくという慣習がありました。「控室訪問」という言葉があったくらいで。1日目にはちょっと席を外して皆さんと雑談するというのが恒例になってまして。そういえば、なくなっちゃいましたね。

島 進行が早くなったということがありますよね。佐藤-羽生戦なんかは、序盤戦で持ち時間8時間のうち7時間くらい使っちゃうこともありましたよね。エネルギーがすごくて。

佐藤 いまは序盤がすごく進歩していますので、皆さん、決断が早くなりましたね。特に渡辺竜王の辺りからだと思うんですけれども。私や羽生さんの頃は、序盤で6時間くらい使うことはむしろ普通でしたからね。私、いま気づいたんですけど、この四人のうち、ある点で私だけ仲間外れなんです。実はですね、初めて竜王のタイトルを獲得したとき、皆さんふわふわしていたって話されてましたけど、皆さん4連勝のストレートで手厳しく勝たれてるんですよね(笑)。私だけ4勝2敗で。今回は最終局にもつれ込みそうな予感はありますけどね。

藤井 何しゃべっていいか分からなくなっちゃった(笑)。

島 確かに渡辺-羽生戦だと、あまりストレート決着という印象はないですね。

森内 私は竜王戦でストレートで勝ったこともストレートで負けたこともあって。主催者の方には申し訳なかったんですけど。

佐藤 森内さんは羽生さんに七番勝負で初めてストレート勝ちした棋士なんですよ。すみません、何かデータの話ばかりして申し訳ないですけど(笑)。

島 七番勝負でスコアが片寄ると、最後のほうの対局場の方々は気が気じゃないですよね。私も最初(第1局)にたまたま勝たせてもらったときに、これで第5局までいけるなと思ったんですよ。そのあと4連敗することが前提だったので。競ってくれたほうがいいですし、2勝2敗で第5局になったときは安心しますよね。

藤井 そうですね。ファンの方も関係者もそうだと思いますけど、たくさん見たいですよね。ちょうど年末にやるので、一年の締めとしてクリスマス辺りまで熱戦を続けていただけると楽しめるなと思います。

島 森内さんは渡辺さんとは(竜王戦七番勝負で)3回雌雄を決していますけど、やっぱり早かったですか、指し手は。

森内 そうですね。渡辺さんに最初に竜王を差し上げたのは私です。そのあと最初に挑戦したときはストレートで負けて、最後は4勝1敗で勝たせてもらったんですけど。そのときによってかなり指し方が変わっているなとは感じたのですが、やはり手がよく見えて研究も深いですし、すごくテンポが早いので、そこに対応するのがいちばんの課題でした。

島 藤井さんから見て、佐藤さんや森内さんの将棋と渡辺さんの将棋、それから中村太地さんの将棋もまた変わってくると思うんですけど、将棋の造りはずいぶん変わってきていますか。

藤井 いや本当にね、私も年を取ってきたなと感じますね。「近頃の若い奴は何を考えてるか分からない」っていう言葉がどうしても出てきちゃいますよね。ただ、自分が若いときも、先輩方からそういう声もあったと思うんですけどね。変わりますよね。渡辺さんなんかはむしろこっちに近いかなという気はしますけど、いまの20代なんかはいろいろな面で変わっているなと思いますし。今回の渡辺-羽生戦は何度もやってますし、そう極端なことはないんじゃないですかね。理解できる範囲だと思います(笑)。

島 28年前に公開対局(1989年の第2期七番勝負第1局)をやらせていただいてから本当に時代は変わって、いまや密室から公開、映像をはじめとして、ファンの方が対局をすぐ間近に見られるようになりました。それにしても森内さん、やっぱり今回の公開対局のようにファンの方に対局の様子を直接見ていただけるのはやりがいがありますよね。

森内 そうですね。タイトル戦を生で見ていただける機会はほとんどありませんので、貴重だと思います。先ほど対局場を拝見しましたけれども、すごく趣のある素晴らしい対局場で、ああいう場所で指すことができるのは棋士冥利に尽きると思いますし、その様子を多くの方に見ていただきたいと思いますね。

島 竜王を取って歴代竜王の中に名を連ねたということが、ご自身の棋士人生の中で支えになっているとは感じられますか。

森内 はい。やはり竜王戦は最高峰の棋戦で、棋士はそこを大きな目標に研究を重ねていくわけですから、積み上げてきたものが形になったわけで、夢が叶ったともいえるわけですし、竜王位の重みを感じながら1年間を過ごすことは、棋士として成長していくうえで大きな糧になりました。

島 密室から公開という時代の変遷とともに、棋士も心構えが変わってくるのでしょうか。藤井さんはとてもファンの多い棋士でいらっしゃいますが、その辺りはどのように捉えていらっしゃいますか。

藤井 見ていただかないことにはといいますか、見てくださったファンの方々の声が直接聞こえてくるようになって、いい時代になったなと思いますね。注目度が全然違いますからね。私は対局者というよりは解説で出させていただくことが多いですけど、解説する棋士も対局する棋士と同じくらい気合を入れてやっていると思います。ファンの方にアピールするチャンスですからね。対局者だけでなく、棋界全体で頑張って盛り上げていこうという気持ちになりますよね。

島 藤井さんはやはり藤井システムの存在が竜王3期という実績につながったと思いますが、竜王を獲ったということが棋士人生の中で支えになったということはありますか。

藤井 それはもう。竜王はあまりにも大きすぎるタイトルでしたけど、七番勝負に出るだけで違いましたし、取れると思っていなかったのに取ることができて、棋士としてそれまでと全然違ういい方向にいきましたからね。取って成長して、防衛戦も経験してと。いままでの棋士人生を振り返ってみたらですね、竜王だった3年間がすべてでした(笑)。大きな3年間でしたね。

島 佐藤会長は将棋界のトップとして運営にも携わられています。佐藤さんはファンに見ていただくということをすごく昔から意識されていたように思うのですが。

佐藤 28年前の竜王戦の公開対局は、そもそも島先生が提案されたことだとうかがっています。その頃からより開かれた将棋界をという意識を皆が持ち始めましたよね。それが、「観る将」といわれるようなあまり将棋を指さない方々にも楽しんでいただけるいまの状況につながったのかなという気もします。今回の七番勝負は将棋界のゴールデンカードのお二人ということでより一層注目が集まると思いますし、ファンの皆さんだけでなく、若手棋士たちにも間近で見てもらって何かを感じてほしいですね。もちろん、最近の若手棋士はかなり強くなってきているのですが、年輪を重ねた重みというものもあると思いますので。逆にいえば、そういうものを感じることができるシリーズになると思います。

Dsc_0276(藤井システムを引っさげて、第11期から竜王3連覇を達成したのは藤井猛九段)

島 今期の竜王戦は、藤井聡太君にとっても縁があったなという気がするんですけれども。

佐藤 そうですね。藤井聡太四段というスーパールーキーが出てきまして、彼のデビュー戦が竜王戦だったんですよね。クリスマスイブに加藤一二三九段との対戦ということで。私はその将棋の解説を頼まれてその場に居合わせたのですが、大変な報道陣の数と注目度でした。そのときは実際の指し手以外の感想の部分でも戦慄させられるものがありました。それから29連勝の新記録が生まれた対局も竜王戦でしたね。そういう意味では、今期の竜王戦は予選から決勝トーナメントまでハイライトが多くあったのかなと思います。とにかくすごい若手がでてきましたので、渡辺さんや羽生さんがどういうふうに見ているかは興味深いところですね。

島 明日からの七番勝負は藤井聡太君も含めて多くの若手棋士が注目することになると思います。先ほど藤井さんが3年間が棋士人生のすべてとおっしゃったんですけど、そう考えると私のも竜王だった1年間だけのような気がしますけども。一つだけ思い出したことがありまして。竜王戦の賞金があまりにも高額で持ち慣れない大金を持ってしまったのですぐに使ってしまいまして、翌年の税金で苦労した記憶がすーっと。本当に懐かしい記憶でございます。今日は歴代竜王にいろいろと聞かせていただきまして、ありがとうございました。明日からの対局もぜひ盛り上げていただくようにお願いいたします。

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Dsc_0302(森内九段・日本将棋連盟専務理事が閉会のあいさつ)

(書き起こし・睡蓮、写真・吟)

両対局者が退室すると中村太王座と島九段が第1局の見どころを話した。

Dsc_0232(中村太王座は今月11日に王座を奪取したばかり)

中村 渡辺竜王は竜王戦で無類の強さを発揮されています。明日から始まる七番勝負に向けても相当の準備を積まれていると思います。最近では雁木戦法がはやっていたり、流行戦法も以前と比べてがらっと変わっていますが、そういう最新の形が見られるのではないかと。

島 太地さんのような若手の方にも予想がつかない戦いになるのではないかと思います。多分、お二人とも対局しているうちにだんだんエンジンがかかってくるのではないかと。やはり第1局を取るのは非常に大きいですし、公開対局ということでやりがいもありますよね。

中村 戦型予想はいかがですか。

島 それはいちばん苦手な分野ですね。太地さんはいかがですか。

中村 先後によっても違ってくると思いますが、個人的には角換わりが好きなので、角換わりが見たいですね。ちなみに、直近のお二人の将棋は中飛車になっているんですよね。

島 今年は20代が大きく台頭した年だったと思いますが、20代の太地さんから見てお二人の対局はどうですか。

中村 やはりゴールデンカードですね。僕も棋士になってからこのお二人の将棋をお手本にして勉強してきましたので。お二人が最高峰の舞台で戦われるということは楽しみですし、安心感もあります。最終盤までぎりぎりの戦いになることがとても多いので、最後まで目が離せない将棋になるのではないかと思います。

Dsc_0238(軽妙なトークを繰り広げる島九段)

島 明日の1日目から激しい戦いになりそうですか。

中村 最近は早くに戦いになることが多いですからね。特に渡辺竜王もそういった展開をいとわないので、可能性は高いかもしれません。

島 羽生さんは、ちょっと私の感じなんですけど、ガンガンくるんじゃないかなと思ってるんですよね。

中村 それはどうしてでしょうか。

島 太地さんの前でいうのも何ですけれども、王座、それから王位も失冠して、流れとしてはあまりよくないのですが、ピンチと思われるところで開き直るのが羽生さんの棋士人生なんですね。今回は挑戦者ということもありますし、第1局から前向きにガンガンいくんじゃないかと。

中村 バチバチの戦いが見られそうですか。

島 渡辺さんとしても今回は受けに回るとまずいと思うので。だから、第1局の1日目から激しい戦いになるとすれば、それは今期の番勝負全体を予見するようなことになるのではないでしょうか。渡辺さんは公開対局が初めてなんですね。さっき聞いて驚いたんですけど。

中村 タイトル戦で公開対局となると全然違うものがありますか。先生は第2期(1989年)の竜王戦第1局で経験されているんですよね。

島 挑戦者の羽生さんが19歳で、私が26歳でしたかね。そのときの公開対局は、ずーっとぶっ続けで公開されたんですよ。最初はお客さんも緊張されていたんですけど、2時間、3時間と見ているうちに疲れてくるんですね(笑)。一方の私たちのほうも息が抜けないんですよ。でもそのときは、タイトル戦を楽しんでやってましたね。戦型予想については、先後も決まっていませんし、正直分かりませんけれども、居飛車系でお互いに降りたほうが負けという勝負になりそうな気がします。

中村 どちらが主張を通し続けるのかに注目ですね。

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(書き起こし・睡蓮、写真・吟)

渡辺竜王と羽生棋聖は竜王アカデミー受講生代表から花束を受け取り、竜王戦への決意を語った。

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(渡辺竜王)
竜王戦は今回で第30期という節目を迎えますけれども、そこで対局者として参加できることは非常にうれしいです。今回は公開対局ということですが、近年のタイトル戦では公開対局は珍しく、私自身は初めてです。舞台の上の対局ということでいままで経験がない状況ですので、あとから思い返して印象に残る対局になると思います。そこに将棋の内容もともなうようにしなければと思っております。
明日からの第1局が、ちょうど羽生さんと指す70局目の将棋になります。これまでもいろいろな思い出があるのですが、明日からの対局も後世まで語り継いでいただけるような内容の将棋を目指して頑張りたいです。今期の七番勝負はファンの方の注目度も非常に高いと感じておりますので、その期待に応えて最高棋戦にふさわしい将棋が指せればと思います。どうぞ最後までご注目ください。

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(羽生棋聖)
本日セルリアンタワー東急ホテルにきて、対局場を検分しまして、いよいよ明日から竜王戦の七番勝負が始まるんだなということをひしひしと感じています。将棋の世界も能の世界も非常に長い歴史と伝統がありまして、その中で今回、能の舞台の上で対局をするというのは初めてのことです。舞台の上で座っていると自然と厳かな気持ちになるのが感じられて、本当に素晴らしい場所を提供していただいたなと思いました。
私は竜王戦に第1期から参加させていただいています。この30年は非常に短かったですし、同時に長かったなあという気持ちもあるんですけれども、このような素晴らしい場でまた対局できるということは、私にとってこれ以上ない光栄なことです。せっかくの機会ですので、自分自身の持っている力を振り絞って、面白く内容の濃い将棋を指せるように全力を尽くしたいと思っております。

Dsc_0214(花束を手に記念撮影をして、両対局者は会場をあとにした)

(書き起こし・睡蓮、写真・吟)

東京都内での開催ということもあり、多くの棋士が前夜祭に訪れ、ファンと触れ合った。

Dsc_0153(森下卓九段・日本将棋連盟常務理事)

Dsc_0143(青野照市九段)Dsc_0149(中村修九段)

Dsc_0167(藤井猛九段)

Dsc_0138(安食総子女流初段)

Dsc_0125(会場に用意されたお料理)
 

18時からセルリアンタワー東急ホテルのボールルームで竜王戦第1局の前夜祭が開催された。

Dsc_0094(開会のあいさつは老川祥一・読売新聞グループ本社 取締役最高顧問 主筆代理)

いよいよ明日から竜王戦七番勝負が始まります。1988年に棋界最高位の棋戦として創設された竜王戦も、今期が30期目です。ここまで続いてこられたのは、ご関係の皆様のお力添えによるものでありまして、この場をお借りして心から感謝申し上げます。
渡辺竜王と羽生棋聖が竜王戦七番勝負で初めて対決されたのは2008年の第21期で、このときは初の永世竜王の資格を巡っての対決でもありました。渡辺竜王が第1局から3連敗で徳俵に足がかかったところで、そこから一気に4連勝されてひっくり返し、伝説の勝負となりました。そのようなお二人の対決が今回また見られるということで、大変白熱した七番勝負になることは間違いありません。
今期の竜王戦は最年長棋士の加藤一二三九段と最年少棋士の藤井聡太四段の対決で幕を開けました。勝利した藤井四段はその後も勝ち続けてランキング戦6組で優勝し、決勝トーナメントの1回戦においては公式戦29連勝という新記録を達成しました。そこから起こったいまの空前の将棋ブームの中で、将棋界の顔ともいうべき渡辺竜王と羽生棋聖の対決が行われるわけであります。渡辺竜王は勝てば竜王3連覇で12期目の獲得、羽生棋聖が勝てば永世竜王の資格を得ると同時に永世七冠という偉業を達成することになります。将棋ファンにとってはたまらない魅力に満ちた対決と思います。また、今回の一局は東急グループ様のご助力によって能楽堂での対局が実現し、さらに竜王戦では28年ぶりの公開対局と、話題に富んだものとなりました。ご関係の皆様のご尽力に心からお礼を申し上げて、ごあいさつとさせていただきます。
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(佐藤康光九段・日本将棋連盟会長)

今期の竜王戦七番勝負は、3連覇を狙う渡辺竜王に対して、永世竜王を目指す羽生棋聖が挑戦することになりました。竜王戦は節目の30期目を迎え、第1期からここまでの間にはさまざまな名勝負が繰り広げられてきましたが、その中でも中心的役割を担って時代をつくられたのは、何といっても明日から対局される渡辺竜王であり、挑戦者の羽生棋聖であります。このお二人が竜王戦の歴史をつくってきたといっても過言ではありません。そんなお二人の勝負がまた竜王戦七番勝負で見られるということで、ファンの皆様も大変注目されているのではないかと思います。
今回、能楽堂という場所を対局場としてご提供いただきまして、先ほど私も下見をさせていただいたのですが、やはり静けさの中に日本文化が漂い、将棋を対局させていただくのにも非常にふさわしい場所であると感じました。歴史に残るような大変な名局が第1局から見られるのではないかと期待しております。

Dsc_0113(乾杯のご発声は巴政雄・東京急行電鉄株式会社 代表取締役副社長執行役員)

棋界最高峰の竜王戦がかくも盛大に開催されますことを心よりおよろこび申し上げます。ご存知でなかった方も多いと思いますが、私どもはこのセルリアンタワー東急ホテルの中に能楽堂を有しております。今回対局場としてお使いいただけることは非常に光栄で、ありがたいことです。
渋谷というと「若い街」というイメージをお持ちになっているかもしれませんが、私どもは「Bunkamura」、「渋谷ヒカリエ」、「東急シアターオーブ」など、大人の方が楽しめるような街づくりも心がけております。渋谷は大変に多様性のある街でございます。現在の将棋界におかれましても、若手棋士の台頭、ポーランド出身の女流棋士の活躍など、多様性が花開いて活況を呈しているところです。そんな中で行われる、渡辺竜王と羽生棋聖による最高峰の戦い。非常に楽しみにしております。力一杯戦っていただいて、好勝負を見せていただきたいと思っております。

Dsc_0118(乾杯)

(書き起こし・睡蓮、写真・吟)

Dsc_0058(竜王経験者が記念撮影に応じる)

Dsc_0075左から島九段(初代竜王)羽生棋聖(第2期・第5期・第7期・第8期・第14期・第15期獲得)佐藤康光九段(第6期獲得)藤井猛九段(第11期~第13期獲得)森内俊之九段(第16期・第26期)渡辺明竜王(第17期~第25期、第28期・第29期獲得)Dsc_0078(棋界の顔。豪華メンバーが並ぶ)

このあと、18時から前夜祭が行われる。ブログの更新は前夜祭終了後になります。

 

17時から行われる予定だった対局検分。両対局者、立会人がそろって、16時55分に検分が開始された。

Dsc_0028(駒袋を開ける渡辺竜王)Dsc_0032(駒を並べていく渡辺竜王と羽生棋聖)

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Dsc_0045(注目の開幕局。報道陣も多い)

 

渡辺明竜王に羽生善治棋聖が挑む第30期竜王戦七番勝負(主催・読売新聞社)がいよいよ開幕する。第1局は10月20日(金)・21日(土)、東京都渋谷区「セルリアンタワー能楽堂」で行われる。
対局は9時開始。持ち時間は各8時間(2日制)。1日目18時の時点で手番の側が封じ手を行う。先後は振り駒で決定される。
立会人は島朗九段、読売新聞観戦記解説は中村太地王座。記録係は森田富裕二段(飯島栄治七段門下)が努める。
中継は棋譜コメント入力が睡蓮、ブログを吟が担当する。どうぞよろしくお願いいたします。

Dsc_0002(今日の渋谷はあいにくの雨。午後の渋谷駅前)

【YOMIURI ONLINE】【囲碁・将棋】:竜王戦:カルチャー:読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/culture/igoshougi/ryuoh/

【セルリアンタワー能楽堂】
http://www.ceruleantower-noh.com/