2017年10月19日 (木)

前夜祭(3)

渡辺竜王と羽生棋聖は竜王アカデミー受講生代表から花束を受け取り、竜王戦への決意を語った。

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(渡辺竜王)
竜王戦は今回で第30期という節目を迎えますけれども、そこで対局者として参加できることは非常にうれしいです。今回は公開対局ということですが、近年のタイトル戦では公開対局は珍しく、私自身は初めてです。舞台の上の対局ということでいままで経験がない状況ですので、あとから思い返して印象に残る対局になると思います。そこに将棋の内容もともなうようにしなければと思っております。
明日からの第1局が、ちょうど羽生さんと指す70局目の将棋になります。これまでもいろいろな思い出があるのですが、明日からの対局も後世まで語り継いでいただけるような内容の将棋を目指して頑張りたいです。今期の七番勝負はファンの方の注目度も非常に高いと感じておりますので、その期待に応えて最高棋戦にふさわしい将棋が指せればと思います。どうぞ最後までご注目ください。

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(羽生棋聖)
本日セルリアンタワー東急ホテルにきて、対局場を検分しまして、いよいよ明日から竜王戦の七番勝負が始まるんだなということをひしひしと感じています。将棋の世界も能の世界も非常に長い歴史と伝統がありまして、その中で今回、能の舞台の上で対局をするというのは初めてのことです。舞台の上で座っていると自然と厳かな気持ちになるのが感じられて、本当に素晴らしい場所を提供していただいたなと思いました。
私は竜王戦に第1期から参加させていただいています。この30年は非常に短かったですし、同時に長かったなあという気持ちもあるんですけれども、このような素晴らしい場でまた対局できるということは、私にとってこれ以上ない光栄なことです。せっかくの機会ですので、自分自身の持っている力を振り絞って、面白く内容の濃い将棋を指せるように全力を尽くしたいと思っております。

Dsc_0214(花束を手に記念撮影をして、両対局者は会場をあとにした)

(書き起こし・睡蓮、写真・吟)