カテゴリ「第29期竜王戦決勝トーナメント」の記事 Feed

2016年6月27日 (月)

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対局再開から慌ただしく局面が動いています。黒沢五段は▲3一竜!(77手目)と竜を切る決断を下しました。これで後手陣に食いつけるかの勝負です。先手玉は堅いので、攻めが続けば優勢。逆に攻めが切れればそれまでです。うまく攻めをつなげることができるでしょうか。

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18時、図の局面で夕食休憩に入りました。消費時間は▲黒沢3時間40分、△青嶋3時間4分。夕食の注文は黒沢五段がカレーライス(ほそ島や)、青嶋五段は注文なし。対局は18時40分に再開されます。

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青嶋五段は角を目標にして攻め、△8九馬(68手目)でついに角を捕獲しました。角を取りきれれば後手優勢がはっきりします。黒沢五段は角を取らせている間に、後手の穴熊に食いつきたいところ。しかし攻め駒が乏しく、その手段が難しそう。先手苦戦です。

黒沢五段と青嶋五段はともに最近の活躍が目覚ましい若手です。黒沢五段の今年度成績は9勝2敗で、現在8連勝中と破竹の勢い。青嶋五段は12勝1敗で現在3連勝中、対局数ランキングは1位タイ、勝数は単独トップです。

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(対局再開時の両対局者)

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黒沢五段が仕掛けました。桂を利用して飛車交換を挑む、積極的な踏み込み。後手の角の利きが直通しているだけに大胆不敵です。

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青嶋五段は飛車交換から自陣飛車を打ち、跳ねてきた桂を目標にしました。△8四歩(46手目)で桂が助かりませんが、▲7三桂成△同桂▲7一飛が手筋の切り返し。先手は駒損ですが、自分だけ飛車を敵陣で使えていることが主張です。

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15時過ぎ、青嶋五段は△3五歩(54手目)と指しました。角の利きを止めて端攻めを緩和しながら、美濃囲いの弱点、玉のコビンを狙っています。後手の主張は玉の遠さと駒得。先手は竜の力で対抗しています。

東京・将棋会館の1階には販売コーナーがあり、盤、駒、扇子、書籍、グッズが置かれています。渡辺明竜王の「一歩千金」扇子は入荷待ちでした。グッズでは、黒沢五段と青嶋五段のイラストが入ったハンドタオルがありました。
将棋会館の隣にある鳩森八幡神社は、新年に境内の将棋堂で祈願祭が行われる神社として知られます。足を運ぶと、6月30日に行われる夏越の祓に向けて、境内に茅の輪が立てられていました。茅の輪をくぐることで、無病息災を祈願します。

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第1期から第28期までの5組優勝者と6組優勝者の戦績をまとめました(対局者の肩書は当時のもの)。下表で勝者側を赤色で示しました。互いに14勝ずつと拮抗しています。なお、両組含めての最高成績は、第7期の行方尚史四段による挑戦者決定三番勝負進出。これまで5組と6組から挑戦者は出ていません。決勝トーナメントで勝つ大変さを示すデータといえます。

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12時、図の局面で昼食休憩に入りました。消費時間は▲黒沢1時間2分、△青嶋39分。昼食注文は、青嶋五段が親子丼(ほそ島や)、黒沢五段の注文はありませんでした。対局は12時40分に再開されます。
本局には、桂山師作、金龍書の盛上駒が使われています。

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戦型は黒沢五段の角道オープン型四間飛車。▲2二角成と角交換して▲8八飛と向かい飛車に振り直したため、先手の2手損になりました。

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先手が向かい飛車にしたところで、青嶋五段が△3三角と自陣角を放ちました。黒沢五段は▲7七角と角を打って受けて、再び互いの角が盤上に現れています。

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先手は美濃囲い、後手は穴熊に組んでいます。先手は角道が通っていること、後手は2手得がそれぞれ主張。先手がどのように戦いを起こすかが序盤の焦点となりそうです。