カテゴリ「第29期竜王戦決勝トーナメント」の記事 Feed

2016年7月 8日 (金)

感想戦
(感想戦の様子)

久保九段

久保九段

阿部健七段

阿部健七段


以上で本局の中継を終了いたします。次回は7月11日(月)、三浦弘行九段(1組3位)-郷田真隆王将(2組優勝)戦をお送りします。本日はご観戦ありがとうございました。

竜王戦決勝トーナメント▲阿部健-△久保戦は、22時20分、103手で久保九段の勝ちとなりました。消費時間は▲久保九段4時間55分、△阿部健七段4時間59分。勝った久保九段は準決勝進出となりました。

投了図

前記事の△4三桂以下▲8一角成△2八桂成▲4七金△9九角成▲5六金と進みました。棋士室では△4四馬▲2六桂△1四歩▲2九銀△同成桂▲3八金の順が並べられ、「後手の攻めが切れ模様」との見解です。

▲5六金

前記事の△3六桂以下、▲1八玉△2八金▲1七玉△2九金▲5四角△4三桂と進みました。図では次に△4四角と引く「王手角取り」があるため▲5三銀や▲8一角成のような手が候補に挙がっています。ここで久保九段が時間を使っており、残り10分を切りました。

△4三桂

久保九段

前記事△5五角以下、▲7三歩△6五角▲同歩△3六桂と進みました。

△3六桂

棋士室の検討では▲1八玉と寄って、△2八金▲1七玉△3八金▲同金△5八竜▲4三歩(参考図)が一例。△4四角には▲2六角と合わせてどうかと言われています。

▲4三歩

前記事の▲6四竜以下、△6三歩▲同竜△6二歩▲同竜△5一金▲8二竜△5五角と進みました。久保九段が巧みに手をつないでいますが、この△5五角も厳しい一手。竜取りを見せつつ、桂を取っての△3六桂を狙っています。両者の残り時間は▲久保九段41分、△阿部健七段9分。

△5五角

検討
(棋士室では畠山鎮七段と星野良生四段が検討を進めている)

▲5八金左以下△5五竜▲6五桂△6四歩▲5六歩△同竜▲6四竜と進みました。受けきりを狙う阿部健七段に対し、久保九段が細い攻めを懸命につないでいます。先手は次に▲4四歩と打つ狙いがあり、棋士室では「先ほどまでと比べて、先手にも少し楽しみが出てきたのではないか」との声が上がっています。両者の残り時間は▲久保九段50分、△阿部健七段24分。

▲6四竜

対局室

▲8三飛以下△4五歩▲6三飛成△4三角(第1図)と進みました。この△4三角は、飛車にヒモをつけつつ、▲5二銀打の筋を消し、さらには▲4三歩のたたきも消しているという、一石三鳥の角打ちです。

△4三角

実戦は△4三角に▲7七桂△5七飛成▲5八金左(第2図)と進行。久保九段は美濃囲いの堅さを頼りに、左桂の活用を間に合わせたいところです。

▲5八金左

夜
(外はまだ、しとしと雨が続いている)

△5一飛以下、▲6六歩△5四飛▲8三飛と進みました。この▲8三飛は、次に▲8一飛成の桂取りと、▲6三飛成の歩切れ解消を狙っています。

そしてこの局面で阿部健七段の考慮が20分を超え、持ち時間が残り1時間を切りました。

▲8三飛

阿部健七段