カテゴリ「第29期竜王戦七番勝負第3局」の記事 Feed

2016年11月 7日 (月)

天童市内を歩くと、歩道と電柱に詰将棋を見つけることができます。1日目の午後、広瀬八段と読売新聞の吉田祐也記者が挑戦しました。広瀬八段はほとんどの問題を即答。電柱の詰将棋は持ち駒が消えかかっていたものが多く、広瀬八段は初形から持ち駒を推理していました。将棋のまちだけあり、広瀬八段を見つけたファンが駆けつけて記念撮影や握手を求める場面も。

ここで紹介している2作は、歩道の持ち駒が金、電柱の持ち駒が飛金金桂。手数はどちらも10手以下。腕に覚えのある方は挑戦してみてはいかがでしょうか。

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天童市は駒作りが盛んで、将棋のまちとして知られます。市内を歩けば、いたるところで駒が目に入ってきます。向きが逆の馬は左馬(ひだりうま)と呼ばれ、「うま」の逆が「まう」=「舞う」につながることから、縁起物になっています。下の写真にある駒形の看板の書体は「天童文字」と呼ばれるもので、草書と楷書があり、これは草書体。店先には縁台将棋用の盤駒が置かれていました。

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対局場の「ほほえみの宿 滝の湯」は、天童温泉の宿泊施設が並ぶ温泉街にあるホテル。将棋の定宿として知られ、タイトル戦の対局のために改装された「竜王の間」が有名です。竜王の間は、盤面を映す天井カメラの設置スペースがあること、照明器具の位置や明るさを細かく調整できること、映像関係のケーブルが壁の中に隠れていること、畳のへりが映らないように大きな畳を使っていること、障子の丸い窓に対局室に来る人影が映ることなど、対局に配慮された造りになっています。2012年9月には、第19回大山康晴賞を受賞しました。

【山形 天童温泉 ほほえみの宿 滝の湯】
http://www.takinoyu.com/

【第19回大山康晴賞授賞式の模様|将棋ニュース|日本将棋連盟】
http://www.shogi.or.jp/news/2012/09/19_6.html

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15時、対局室におやつが運ばれました。渡辺竜王はチョコレートケーキ、生キャラメルチョコレート、ホットコーヒー。丸山九段はリンゴとパイナップルのパイ、フルーツトルテ、ベイクドチーズケーキの3種類のケーキからパイを選びました。名前は「パイパイナッポーアッポーパイ」とのこと。飲み物はアイスティーです。

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14時20分ごろ、佐藤康九段がニコニコ生放送に電話出演しました。「後手の渡辺竜王は千日手でも構わないので、先手の丸山九段がどう打開するかがポイントになると思います」と佐藤康九段。丸山九段の前夜祭でのあいさつにも触れて、滝の湯にある特製の大盤で将棋を指したことがあったと話しました。佐藤康九段は「イベントで指したと思うのですが、丸山さんの記憶力はすごいと思いました」と振り返っていました。滝の湯のロビーにある大盤は、本局の展開が並べられており、大きな継ぎ盤になっています。

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大盤解説会場では、対局室の映像とニコニコ生放送を見ることができます。1日目に解説の予定はありませんでしたが、来場されている方のために、14時ごろ、急遽解説が始まりました。広瀬八段が初手から振り返っています。会場では、アニメでも話題になっている『3月のライオン』と天童市のコレボレーションポスターを見つけることができました。

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控室では佐藤康九段が継ぎ盤の前に座って検討しています。四間飛車穴熊を得意とし、「振り穴王子」の異名で呼ばれた広瀬八段と口頭で意見を交わしていました。

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対局室では、丸山九段の座る下座に向けて扇風機が置かれています。渡辺竜王は13時28分に対局室に戻りました。関係者に、窓を少し開けて網戸にしておくように頼んでいました。しばらくして記録係の岡部三段が「時間になりましたので、対局を再開してください」と告げます。直後に丸山九段が戻り、「時間になっております」と岡部三段。丸山九段が腰を下ろすのとほぼ同時に、渡辺竜王が盤上に手を伸ばしました。

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