カテゴリ「第29期竜王戦七番勝負第3局」の記事 Feed

2016年11月 7日 (月)

天童市で将棋の番勝負が行われるのは今回で58回目。初めての天童対局は、1951年の第1回王将戦七番勝負第6局でした。王将戦がタイトル戦になる前のことです。

Tendo

※画像はクリックで拡大します。

20161107amaruyamawatanabe27駆け引きのすえ、戦型は相穴熊になりました。四間飛車穴熊が竜王戦七番勝負に登場するのは、本局が初めてです。

渡辺竜王が公式戦で四間飛車穴熊を指すのは2局目ですが、今年8月の東急将棋まつりの席上対局(非公式戦)・佐藤天彦名人戦で採用していました(結果は佐藤天名人の勝ち)。

10時30分、対局室におやつが運ばれました。渡辺竜王はホットコーヒーとフレッシュオレンジジュース、丸山九段は和菓子とアイスコーヒー。和菓子にはもみじを模したものと、地元天童で作られている揚げ饅頭がありました。

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天童市は県の中央部東端に位置する市。市名は南北朝期、北畠天童丸の領地だったことに由来します。天童氏の城下町として発展しました。農業は最上川流域における稲作、扇状地を利用した畑作や果実栽培が行われています。生産されている果物はリンゴ、モモ、ブドウ、サクランボ、ラ・フランスなど。有名な将棋駒の製作は、江戸後期に貧窮していた天童藩下級武士のために、家老の吉田大八が米沢藩の家臣から天童藩士に学ばせて手内職として始まりました。いまでは全国生産の約95パーセントを占めています。

1956年4月に第1回が行われた「人間将棋」を例年開催し、1980年から全国中学校選抜将棋選手権大会を主催。こうしたさまざまな功績によって、第1回大山康晴賞を受賞しています。

【山形県天童市公式ホームページ】
http://www.city.tendo.yamagata.jp/

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丸山九段が初手に▲2六歩、渡辺竜王が2手目に△3四歩としたところで丸山九段の手が止まりました。日本将棋連盟常務理事として訪れている中川八段は「早くも予想が外れました」と話しています。2手目△3四歩は角換わりを受けて立つのではなく、横歩取りや振り飛車に誘導したいという意図が透けて見えます。控室では佐藤康九段と広瀬八段が、大盤解説会の景品として色紙に揮毫していました。

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渡辺竜王が駒箱を開けて、両対局者が駒を並べていきます。定刻の9時、立会人の佐藤康九段が対局開始を告げました。丸山九段は駒を置くように静かに着手し、渡辺竜王はピシリと駒音を立てて指しました。

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対局の模様はニコニコ生放送将棋プレミアムで中継されます。1日目のニコニコ生放送は解説が加藤一二三九段、聞き手が本田小百合女流三段。加藤九段は竜王戦の前身であるタイトル戦、十段戦で十段を3期獲得しました。本田女流三段は人間将棋で対局した経験があります。

【ニコニコ生放送】
http://live.nicovideo.jp/watch/lv275799267

【将棋プレミアム - 生中継|囲碁・将棋チャンネルホームページ】
https://www.igoshogi.net/shogipremium/live/

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