カテゴリ「第28期竜王戦七番勝負第3局」の記事 Feed

2015年11月 5日 (木)

高野山は、開創から1200年。空海(弘法大師)が修行の場として開いた、真言密教の聖地です。和歌山県の東北部に位置する山域の総称で、「高野山」という名称の峰はありません。
周囲に広がる八つの外輪山を「外八葉」、八つの内輪山を「内八葉」と呼び、金剛界曼荼羅の十六大菩薩に相当させています。これは、蓮の花を象徴する曼荼羅の中心に高野山があると説いたものです。山内には117の寺院があり、52は参詣者へ宿を提供しています。

P1290715_kouyasan0 (紅葉のシーズン)

P1290727_kouyasan2 (金剛峯寺)

いずれも豊臣秀吉ゆかりの寺院である青厳寺と興山寺を1869年に合併して、総本山金剛峯寺と称するようになりました。「金剛峯寺」の名称は、元来は高野山一山の総称ですが、明治以降は寺院としての本坊をさします。

20151105_32ここで(A)▲3五歩と突くと、△5五角があります。3筋の仕掛けを逆用した飛車のコビン攻めが受けにくい展開です。

20151105_34aそのため(B)▲2六飛△7二玉▲3五歩が予想され、以下△同歩▲同銀△3八歩でどうか。宮本四段は「次の△3九歩成は受けにくいです。ただ、こういう手を指して、よい思いをしている人をあまり見たことがないです」と、棋士の経験を交えて見解を示してくれた。

20151105_38b実戦は▲2六飛まで進んでいます。
「ここはしばらく考えるでしょうね」(宮本四段)

P1290881_ha_ito1 (窓の外には庭園が広がる。じっと眺める糸谷竜王)

P1290886_ha_ito2 (着座すると、右手で目をギュッと押さえたまま動かない)

P1290898_ha_ito3 (再開の時刻が迫る中、渡辺棋王の姿はない。糸谷竜王は記録机に注目)

P1290901_ha_ito4 (定刻の13時30分となったが渡辺棋王は現れなかった。すぐに△6二玉と着手)

P1290905_ha_ito5 (控室のモニターより。しばらくして渡辺棋王が着座すると、盤上を見て、すぐに顔を上に向けて静止した)

昼食休憩に入る前、別室では封じ手封筒の準備と同時に、大盤解説用の大盤を利用しての検討も行われました。

P1290820_h_inoawa (淡路九段は先手持ち、井上九段は後手持ち)

P1290832_h_kubo (久保九段は「2筋のやりとりが、難しすぎて分かりません」と見解を述べつつ、先手持ち)

P1290877_h_miya (宮本四段は「どちら持ちともいえない」とのこと。△2三歩と打たない場合、▲2三歩~▲2六飛~▲3五歩が成立するかどうかが焦点となるようだ)

20151105_2912時30分、糸谷竜王が34分考えて昼食休憩に入りました。消費時間は▲渡辺1時間54分、△糸谷1時間18分。昼食の注文は、両者ともに精進料理(野菜の天ぷら、蕎麦、おにぎり)です。

P1290834_h_ban 

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P1290869_h_mesi (両者の昼食である精進料理は、関係者にも同様のメニューが運ばれた)

控室とはまた別の部屋で、封じ手封筒の準備が行われました。

P1290786_hu_awaji(立会人が署名を入れる)

「慶ちゃん!裏面も書くんやったかな?19XX年っていうのも書くの?」(淡路九段)
「先生、書きたいんやったらええですけども(笑)」(井上九段)

P1290806_hu_ino (1日目の午前中とあって、和気あいあいとした雰囲気)

「何か間違ってないかな。谷川先生(浩司会長)がこういうの見つけるのうまいんよ」(井上九段)
ちなみに、署名以外の部分は村田女流二段が書いたとのこと。

P1290791_hu_2mai (封じ手は2通用意する)

P1290759_daimon1 高野山の総門として11世紀末頃に建てられ、1705年に再建しました。国の重要文化財・世界遺産。九折谷の鳥居が、この大門の前身であるといわれています。
全体は丹塗り。両脇には金剛力士。阿形像(あぎょうぞう)は江戸時代の仏師である康意、吽形像(うんぎょうぞう)は法橋運長による大作です。

P1290746_daimon2 (阿形像)

P1290751_daimon3 (吽形像)