19時対局再開 19時になり対局が再開。深浦九段は△3三同金と香を取り、郷田九段は▲6六角と据えた。飛車取りを掛けつつ3三の金を狙っている。後手が飛車を逃がせばいきなり▲3三角成△同銀に飛車を成り込む筋もある。現状は先手の香得。後手は1八にと金を作っているが、働くかどうかは微妙な状況だ。
夕食休憩に入る ▲3三香成に深浦九段が15分使って夕食休憩に入った。消費時間は▲郷田九段3時間37分、△深浦九段3時間27分。夕食の注文は郷田が上親子丼(ほそ島や)。対局は19時に再開する。 (上親子丼は味噌汁がつき、海苔の下に生卵がある)
長考の応酬 ▲1五同香が1時間ちょうど。△1七歩が30分、図の▲3五香が46分の考慮。長考の応酬だ。▲3五香に△3四歩は▲2四飛で銀が取れる。△2五桂と逃がすのは▲3二香成で金が取れる。△3五銀は▲同銀で▲2一飛成が残る。後手としては桂を取らせる間に手を作るよりないようだ。▲3五香までの消費時間は▲郷田九段3時間23分、△深浦九段2時間49分。 (得した香でさらなる駒得を狙う郷田九段)
深浦九段の答えは△1七歩 ▲1五同香に対し深浦九段の答えは△1七歩だった。香得をキープする▲1二香成が自然だが、△2五銀と立って△1四飛を狙うだろう。以下▲1三成香(△1四飛を消す)に△1九角と打てば▲2七飛△1八歩成でと金を作ることができそうだ。 (香損しながらじっと歩を垂らす構想をみせた深浦九段)
問題の局面へ 図はちょうど1時間使って郷田九段が▲1五同香と取ったところ。▲郷田九段2時間37分、△深浦九段2時間19分。さてここだ。深浦九段の次の一手は。△1五同銀は▲2一飛成がある。以下△3一歩▲1二竜の進行は駒の損得なしで竜ができて先手ペースだろう。△2七歩に▲同飛なら△1六角があるが、△2七歩には▲1八飛と寄られてしまう。ならば△2六歩と垂らして攻めが繋がるのか。 (積極的に動いていった深浦九段。狙いはどこにあるのか)
1筋からの仕掛け 14時54分、深浦九段がいきなり△1六歩と仕掛ける。▲同歩△同香で図の局面。▲同香にはどうするのか。△1五歩は▲同香△同銀に▲2一飛成がある。▲1六同香には△2五銀と攻めを続けるのか。 (42分の考慮で仕掛けを決断した深浦九段。記者が棋譜を返しに対局室に入ると郷田九段が▲1六同香を着手するところだった)
金と銀 (14時30分すぎの館内カメラ。両者とも上着を脱いで考え込んでいる。郷田九段は半袖、深浦九段は長袖のワイシャツ姿) (両者の盤側に置かれた懐中時計。手前の金色のものが深浦九段。奥の銀色のものが郷田九段)