カテゴリ「第27期竜王戦七番勝負第3局」の記事
立会人による封じ手予想など
立会人の森下九段と飯島七段に封じ手予想などを聞きました。
森下「序盤早くてびっくりしました。△7三桂に▲2五歩△3三銀▲4五歩とあまりに早く進んだので。1分とか2分で指していったんですよね。指す手が決まっているから、仕方ないと言われたらそうなのですが、少し立ち止まって考えそうなところでした。△8六歩に私は渡辺二冠に▲8六同銀とされたのですが、大きな分岐点でも22分で▲8六同歩とされました。
▲2四歩を突いていませんが、従来から考えていたのか、うっかりだったのかいろいろ考えたくなるところです。△8一飛に▲7二角△8四飛▲6一角成△6三銀の展開でどうかと思っていたので▲8二歩は意表でした。部分的な悪形ですから。△6二金は攻めに厚みを加えた手ですね。Ponanzaは△4二金右を読んでいたそうです。難しいですが、私は△4二金右だと攻めに厚みがないので△6二金の方が安心感があります。ベテランは玉が薄くなりやすいそうです。バランス重視にしがちで薄くなるということだと思います。
封じ手ですが、▲2四歩、▲4五桂、▲7四歩が有力です。一本▲2四歩がいいのかどうか。△同銀と取られると▲4五桂が空振るかもしれません。また、▲7四歩は△3六歩から△3七歩成が嫌らしい。ですので単に▲4五桂ではないかと思いますね。局面の優劣はすでについていると思いますが、どちらがいいかは分かりません。Ponanzaは後手良しとみているそうですが、私には分かりません。森内竜王の△6二金は攻め合い志向ですので、どう自陣への反動を少なくしながらきびしくせめられるか、パンチを深く入れられるかどうかですね。駆け引きをする展開になりにくいので激戦は確実です」
飯島「やはり、糸谷さんが▲2四歩を突かなかったことが影響しているかどうか。後手は歩が4枚ありましたから。▲8二歩から▲7四角の指し方は糸谷さんらしいと思いました。上部を開拓する前段階と感じます。森内竜王も安全な△4二金右でなく、△6二金とされたのが印象に残ります。数手進めば分かるところもありますが、現段階では難しいですね。面白い形になりそうです。どういう攻め合いになるか。先手は▲2四歩がタイミングよく入れば良くなりそう。後手は6二金が遊んでしまうか有効に働くか。2筋の突き捨てや、後手の右金の位置といった部分的な状況が全体に影響しそうです。
封じ手予想は▲4五桂を本命にします。糸谷七段は手厚さを重視するタイプと思いますので、▲4五銀は△5五角▲2七飛△3七角成▲同飛△4五銀となると厚くならないのでやらないと思います。明日も糸谷七段は手厚さが消える変化は嫌うと推測して考えたいです」
封じ手
糸谷七段が65手目を封じる
18時2分ごろ、図の△3五歩の局面で糸谷七段が封じ手の意思表示をしました。1日目の消費時間は▲糸谷3時間42分、△森内3時間49分。対局は7日9時に再開されます。