カテゴリ「第25期竜王戦七番勝負第4局」の記事 Feed

2012年11月20日 (火)

Ryuou20121120010158丸山の手が8筋にスッと伸びた。突き捨てた筋に再び△8五歩。盤上で銀3枚が当たりになっている。珍しい局面だ。指し手の流れを追っていないと、にわかにはどちらの手番かわかりづらい。

藤井九段「△8五歩か、うまい手だね。あれっ。あれれれ。これ困ったんじゃないの?」

▲7五銀△7四歩と順に銀を追っていけば、先手は銀損を免れない形だ。△7四歩に▲6六銀は△同銀▲同角△1五歩。「何かいい手を教えてください」と困った様子の吉田五段。先手はうまい切り返しが必要だが、控室ではまだその手段が見つかっていない。
渡辺が再び長考に沈んだ。時刻は17時30分を過ぎた。封じ手の時刻が迫っている。丸山が席を外すと、ハッキリ聞こえる声で渡辺は大きなため息をついた。(58手目コメントから抜粋)

■ニコニコ生放送■
中座真七段>こういう細かい利かしが入れば大きいです。▲9五銀は働きが悪くなるので通常は▲7五銀と逃げますが、△7四歩で勝負しますか。しかし銀が3つも当たっている(相手の歩で取られる)局面は珍しいですね。

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これで銀は助からない。
継ぎ盤では▲5七歩~▲2四歩が検討されている。並んだ変化は▲5七歩△6五角▲2四歩△1五歩▲2三歩成△同銀▲2四歩△1四銀▲2三角△3一玉。以下▲1四角成△同香▲2三歩成(参考図)の進行は先手角損の攻めで、この変化は「自信がありません」と吉田五段。「先手は▲2四歩、▲5七金、▲8八角を組み合わせて手を作らないといけないのですが、いまのところうまい手は見えません」(吉田五段)

(52手目棋譜コメントより抜粋)
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(吉田正和五段は「先手の手が見えない」と解説)

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(今年3月に同市の左義長祭り(小正月の火祭り)で奉られた龍のだんじり。右の写真は龍を含め、全て食材を用いて作られている)

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(だんじりの横に足を上げる白馬がちょこんと繋がっていた)

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(女学校に通う生徒によって書かれた絵画。これらも近江商人によって、明治時代から昭和の初めにかけて売られていた)

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(資料館の奥地に小さな庭園が見られた)

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(16時頃、△8六歩の局面で次の一手が出されました)

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(森下九段と杉本七段が飛び入りで解説会に出演)

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(熱弁を振るう森下九段)

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(熱心に聞き入る杉本七段。このあと負けじと饒舌に話し出し始めた)

16時頃、控室では森下九段と杉本七段によって、封じ手を入れる封筒への署名が行われました。

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(眼鏡を外して署名を行う森下九段)

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(村田女流二段が優しい眼差しで森下九段の署名を見つめていた)

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(続いて杉本七段が署名)

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図は15時50分頃の局面。控室ではここから▲4六飛△4五銀▲1六飛△3六歩(▲3七桂の防ぎ)▲4八金(参考図)で先手指しやすいのではと言われています。
Ryuou20121120010151_2 この▲4八金の感触がよく、△1四歩には▲同銀△同香▲同飛と応じて、銀香交換の駒損ですが先手は香の使い道が多く、その順は先手指せると言われています。
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(杉本七段の検討を見つめる森下九段)

午後のおやつは渡辺竜王がイチゴのショートケーキとアイスコーヒー、丸山九段はたねや饅頭4個とアイスコーヒー。丸山九段は午前と同じ注文でした。

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(渡辺竜王が注文したイチゴのショートケーキとアイスコーヒー)

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(丸山九段は午前と同じ注文だった)

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銀ではなく、飛車だった。△2三歩には▲4四飛がある。
ニコニコ生放送ではここで△1四歩の変化が検討されている。▲2六銀と逃げるのは△3三銀▲2五飛△2四歩で飛車が捕まってしまう。そこで銀を逃げずに▲4四飛も考えられるが、△5四角▲2六銀△3三銀▲4六飛△4五銀でやはり飛車が詰んでしまいそうだ。この変化は1五銀の処置が難しい。
控室で検討されているのも△1四歩の変化。△1四歩▲4四飛△5四銀まで進められて、盤面はぴたりと止まっている。銀取りと、次に△3三銀の飛車取りを見せられて先手は忙しい。
時刻は間もなく14時30分となる。▲2四同飛までの消費時間は▲渡辺1時間41分、△丸山2時間8分。(43手目コメント欄より抜粋)

■ニコニコ生放送■
中座真七段>▲2四同銀で取ると思いましたが、▲同飛で取りましたね。△1四歩には▲4四飛と角取りに横へ行くんですね。