2022年8月の記事
2022年8月 1日 (月)
      山崎八段がチャンスを迎える
終盤戦に
夕食休憩時の特別対局室
夕食休憩

18時、図の局面で永瀬王座が22分使って、夕食休憩に入りました。消費時間は☗永瀬3時間26分、☖山崎3時間22分(持ち時間は各5時間)。夕食注文は永瀬王座が「にぎり特上(サビ抜き)」(千寿司)、山崎八段が「豚しゃぶ(ごま味噌)弁当」(鳩やぐら)。対局は18時40分に再開されます。
狙いの自陣桂から攻め合いに

桂と歩を手持ちにし、△7五歩で本格的な戦いが始まりました。▲同歩に△8三桂が狙いの自陣桂です。

▲7六銀に△7五桂▲同銀△7四歩と、桂を捨てて銀を取り返しにいく筋があります。
実戦もそのように進み、△7四歩に永瀬王座は▲2四歩と突きました。ABEMAで検討されていたのは、▲2四歩に代えて▲3五桂△3四銀▲3六銀△7五歩▲2六桂です。
▲2六桂は銀を手に入れて▲7二銀を狙っています。しかし、△3五銀▲同銀△6二玉で銀打ちを消されると先手が容易ではありません。
実戦の進行を見てみましょう。△7四歩に▲2四歩△同歩▲3五桂△3四銀▲5五歩です。

△5五同歩だと▲5四歩△同銀▲4六桂があります。山崎八段は△7五歩と応じましたが、▲5四歩で玉頭を直撃されるのでかなり怖いです。
東京・将棋会館で販売されている扇子
真夏日の鳩森八幡神社
右玉模様から積極的な桂跳ね

先手は銀冠、後手が右玉模様で一段飛車に組み直しました。△4五桂は15時ちょうどに指された手で、後手から打開を図っています。
先手は矢倉

先手は矢倉に構えました。上部に厚い形にしたのは、△6四銀から△7五歩の動きを警戒したからでしょうか。△6四銀以外だと△6四歩や△6二銀、△5二金からの囲い合いが浮かぶところです。
実戦は、47分考えたすえに△8四歩と突きました。後手は5三の銀の動きを保留して、先手の様子を見ています。

山崎八段の勢いある攻めが止まりません。▲7七同玉には△7六歩▲同玉△7五銀▲同玉△8七飛成があります。
図は▲5五金と桂を取ったところ。ここで△7七歩成▲同金△8五桂▲6七金△8七歩成▲同歩△7五桂が厳しいといわれています。先手は▲4四金と出ても詰めろになっていないため、しばらくは受けに回るしかありません。しかし、△7五桂に▲6八玉も△6七桂成▲同玉△7七桂成▲同玉△7六歩▲同玉△7五歩から飛車を成りこまれてしまうので、一手一手の寄りになってしまいます。

▲7四歩や▲5五桂が見えるなか、遊んでいた銀を使って桂を支えて、次の▲2六桂や▲4六桂を楽しみにしています。













