2022年7月の記事

2022年7月19日 (火)

10時、定刻を迎えて対局が始まりました。振り駒の結果、と金が4枚出て稲葉八段の先手に決まっています。
Img_1179(対局開始の一礼)
Img_1186(稲葉八段は飛車先の歩を突いた)
Img_1189(山崎八段は△3四歩と角道を開けた)
Img_1194(2手目を指した直後、山崎八段は席を外した)

おはようございます。第35期竜王戦決勝トーナメントより、山崎隆之八段(1組4位)と稲葉陽八段(1組5位)の一戦を中継します。対局は関西将棋会館「御上段の間」で、7月19日(火)10時に開始されます。持ち時間は各5時間。先後は振り駒で決定します。

【主催:読売新聞社】
https://www.yomiuri.co.jp/
【特別協賛:野村ホールディングス株式会社】
https://www.nomura.com/jp/
【協賛:東急グループ】
https://tokyugroup.jp/
【協賛:株式会社UACJ】
https://www.uacj.co.jp/
【協賛:一般財団法人あんしん財団】
https://www.anshin-zaidan.or.jp/

【竜王戦準々決勝、山崎隆之八段×稲葉陽八段「動く棋譜」速報】
https://www.yomiuri.co.jp/igoshougi/ryuoh/20220719-SYT8T3172061/

中継は棋譜コメント入力が吟、ブログを武蔵が担当します。どうぞよろしくお願いします。

2022年7月15日 (金)

Img_7216(稲葉八段は研究手順のノータイム指しから、しっかりとリードを守って制勝)

Img_7178(伊藤匠五段は食らいついていったが、逆転には至らなかった)

Img_7181

Img_7186

Img_7191

Img_7196
---

以上で本局のブログ更新を終了致します。
ご観戦いただきまして、誠にありがとうございました。

20220715_110

▲伊藤匠五段-△稲葉八段戦は、110手で稲葉八段の勝ちとなりました。終局時刻は21時9分。消費時間は▲伊藤匠4時間55分、△稲葉3時間54分(持ち時間各5時間)。勝った稲葉八段は、次戦で山崎隆之八段(1組4位)と対戦します。

20220715_92

この△1八角で後手優勢がハッキリとしてきました。実戦は(1)▲3八銀と引きましたが、(2)▲2八飛には△3六桂▲同銀△同角成、(3)▲3七飛には△2六角がそれぞれ厳しい追撃でした。(4)▲3八銀打だと後に▲7四銀と反撃することができなくなり、また後手は急いで飛車を取る必要がない(例えば▲2八飛には相変わらず△3六桂がある)ため、△5三角と引いて△3五桂の飛銀両取りを狙えば優勢は揺るがなかったでしょう。

20220715_94

(1)▲3八銀に△4六角と出たのが着実な追撃で、次は△2七角成▲同銀△2八角成を狙っています。後手玉は広く、また馬の利きも後手陣を守っているため、やはり後手よしと見てよさそうです。20時40分、伊藤匠五段の残り時間が10分を切りました。対する稲葉八段は1時間23分を余しています。

Img_7063(稲葉八段が勝ちに近づきつつある。着地を決めるためにポイントを積み重ねたいだろう)

20220715_80

稲葉八段が細かく攻めを作り、伊藤匠五段はいよいよ受け続けるのが難しくなってきました。本譜の歩の垂らしの狙いは△1九歩成▲同飛△2六角ですが、先に(1)▲3七玉と顔面受けをするのは以下△9七歩成▲同香に△1三桂打の追撃がありそうです。続く▲3三桂成△同桂▲3四桂△5二玉(変化図)は後手玉が広く、先手陣右辺も崩壊するため後手優勢です。桂2枚で2五地点を狙うため、途中で▲1四銀といった受けも利かず、3七玉型をとがめることができます。
実戦は(2)▲3五歩△同角の突き捨てを利かしてから▲3三桂成としています。

20220715_88

Img_7051(伊藤匠五段はつらい展開。何とか辛抱する手順はあるだろうか)

20220715_72

対局再開から3手進みました。稲葉八段は受け方の悩ましい角打ちを決行。(1)▲2七飛には△1八角、(2)▲1八飛には△9五香で歩を補充してから△2七角▲1九飛△1八歩で、それぞれ1七香が助かりません。(3)▲2九桂ならば部分的には受かりそうですが、打った桂は守り以外に使えず、対して4四角は△6六角と出るなどほかのところでも活用できます。駒の働きに差が生じるというわけです。

本譜は以下(4)▲2六桂と受けて、そこで稲葉八段がしばらく手を止めています。持ち歩があれば△1六歩▲同香△1七角で技が決まります。そのため△9五香が候補手です。

Img_7035