2021年7月の記事

2021年7月28日 (水)

20210728k▲2二歩に対して梶浦七段は△4一角と自陣角を打ちました。竜取りと同時に▲3二竜の侵入を防いでいます。角を手放しても竜を追い払えば後手玉の危険度が緩和されて、反撃に専念できるといった判断かもしれません。手に汗握る攻防戦が展開されています。

20210728j18時40分、対局が再開しました。永瀬王座はすぐに▲2二歩と桂取りに打ちました。先手は現在、▲金△角桂の駒損ですが、桂を取れば駒損を少し回復することができます。桂を手持ちにすることで7五の歩がいなくなったときに▲7五桂と打つことを視野に入れているのかもしれません。

20210728i18時、この局面で永瀬王座が24分使って夕食休憩に入りました。ここまでの消費時間は▲永瀬3時間22分、△梶浦3時間21分。夕食の注文は永瀬王座が鳩やぐらの肉豆腐(キムチ・きのこ)弁当、納豆オムレツ(キムチ)。梶浦七段がLe Carreのビーフストロガノフ、半熟卵です。対局は18時40分に再開します。

20210728g_2永瀬王座は前述した▲3三桂成の強襲に出ました。以下△3三同金▲2三角成△同金▲同飛成(2図)と進んでいます。

20210728h永瀬王座は勝負どころと判断したのでしょう。決断の踏み込みに出ました。

2図から梶浦七段が△7五歩と反撃に転じて、局面が激しくなっています。

Dsc_7601(永瀬王座の強襲に対して反撃に出た梶浦七段)

20210728e1図は後手が△3六歩と突いた局面です。実戦は以下、▲8四歩△3七歩成▲同銀△5五銀(2図)と進みました。

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▲8四歩は△8五桂を緩和した受けの手筋で、△8四同飛には▲8七歩と打つ狙いのようです。うわずっている8五の歩が8七にいれば先手玉は安定します。
対して後手は△3七歩成▲同銀と先手の銀を下げてから△5五銀(2図)と角を攻めました。先手の主軸を攻める構想で△3六歩からの継続手ですが、危険な意味もあるかもしれません。▲3三桂成と成り捨てて▲2三角成の強襲が見えるからです。とはいえ、先手は5三の地点を押さえている桂を捨てにくい意味があり、今後の方針を定めるために長考するかもしれません。本局の勝負どころを迎えているといえるでしょう。

Dsc_7589(先手の角を攻めた梶浦七段。勝負どころの局面を迎えている)

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14時過ぎ、局面は図を迎えました。▲2八飛に対して梶浦七段が△8六歩▲同歩△8五歩と継ぎ歩攻めに出ました。先手玉が8八にいるため、迫力満点です。以下、実戦は▲8五同歩に△3六歩と進んでいます。

本局は読売新聞社の公式ページで速報しています。

【読売竜王戦【公式】@yomiuri_ryuo】
https://twitter.com/yomiuri_ryuo

【読売新聞オンライン】
https://www.yomiuri.co.jp/igoshougi/ryuoh/202107

東京オリンピックの開会式が行われた国立競技場の外観です。将棋会館から徒歩圏内に位置しています。千駄ヶ谷は厳戒態勢で緊迫感に満ちています。

Dsc_7608(国立競技場の外観)

Dsc_7618(色鮮やかな各国の国旗が風になびいていた)

20210728c午後の戦いになって、永瀬王座が▲3五歩(図)と仕掛けました。以下△3五同歩に▲4五桂と攻めています。

対して後手はどう応じるのでしょうか。△3四金は▲5三桂成△同銀に▲3四角と金を取られてしまいます。△3二金と引くのが形ですが、▲2四歩△同歩▲同飛△2三歩に▲3四飛と懐に潜り込まれる順があるかもしれません。

Dsc_7596(攻勢に出る永瀬王座)

Dsc_7567(永瀬王座は早めに昼食を済ませて対局室に戻っていた)

Dsc_7573(梶浦七段が対局室に戻ってきた)

Dsc_7578(手番の永瀬王座)

Dsc_7585(梶浦七段も前傾姿勢に)

Dsc_7580(12時40分、再開してすぐ永瀬王座は次の手を着手した)

Dsc_7595(昼食休憩再開直後の対局室)