【対局者決意表明】
「第33期竜王戦、京都、仁和寺対局の前夜祭を盛大に開催していただきまして、ありがとうございます。新型コロナの関係で、なかなかこういった催しは将棋界においても行われていなかったわけですが、この竜王戦の開幕から、こうやって皆さまと前夜祭や大盤解説会が開催されるようになって、とてもうれしく思っています。私はいままで京都には10回以上来ていると思うのですけど、この仁和寺さんには初めてでして、先ほど対局場で検分をしたのですが、大変歴史と由緒のあるところを提供していただきまして、こういった場所で対局できることは、棋士としてとても名誉なことだと思っています。秋も深まってきまして、これから寒い季節がやってきますが、それに合わせて竜王戦も佳境に入っていきます。より一層気を引き締めて、ひとつひとつの手を大切に指せていければと考えています。将棋の歴史で有名なもののひとつで、いちばん持ち時間が長い対局は読売新聞社さんが開催された阪田三吉先生の対局があるんですけど、将棋の歴史的な対局は京都で多いのかなと思っています。そういった舞台といいますか、場所を作っていただきましたので、いまある力を出しきって、皆さまにも楽しんでいただけるような将棋を指せるよう、全力で指していきたいと思います。一生懸命頑張りますのでどうぞよろしくお願いいたします」
「仁和寺さまでは昨年も対局をさせていただきまして、大変お世話になりました。対局場は非常におごそかな雰囲気がありまして、また襖絵は、仁和寺の方でも普段は部屋を暗くしているのでなかなか明るくして見ることはないということを、昨年の打ち上げの席で聞きまして、貴重な経験をさせていただいているなと感じました。また、昨年は10月の対局でしたが今年は11月ということで紅葉があり、また夜ということもあって幻想的な雰囲気を感じました。竜王戦はここまで2局指しまして、本当に多くの方に注目されているなと感じますし、先日は読売新聞社さまの紙面のほうで見開きを使って大きく取り上げていただきました。そのほか、メディアのほうでも大きく取り上げていただき、注目の高さを感じています。そういったシリーズにふさわしい対局になるよう、明日も頑張っていきたいと思いますし、自分の力を出しきって納得のいく将棋を指せたらと思います。明日からの2日間、お世話になります」
【乾杯】
乾杯は来場者が着席したまま行われました。
またこのあとすぐ、両対局者は対局に備えて退席しました。
(書き起こし=潤記者、撮影=虹)