両対局者が退室したあと、屋敷九段、飯島七段、佐々木勇七段が、第6局の見どころを話しました。
飯島「白水館は昨年もお邪魔しまして、森伊蔵の焼酎をいただきました。あさってからの大盤解説会を担当します。よろしくお願いいたします」
佐々木「鹿児島空港に着いたら、地元テレビの取材を受けてすごいですね」
屋敷「どこにいっても、そういう感じがありますね。国民栄誉賞ですし」
佐々木「広瀬八段から七番勝負を見ると、苦しい時間が長いと思います。ただ、最後に一瞬の隙があれば、それを突く」
屋敷「広瀬さんがついていって、羽生さんが追い込まれて逆転という感じですね」
佐々木「そういう勝ち方ができるのは広瀬八段の好調さにつながっていると感じます。羽生先生に攻められたら、普通はそのままダメになってしまいます。ぎりぎりで保って、チャンスを待つ指し方が印象に残っています」
飯島「大盤解説会で形勢判断がしにくくて大変ですね。精いっぱい、名勝負を解説したいと思います。佐々木さんは立会は初めてだそうですね」
佐々木「立会は初めてですし、九州にきたのも初めてです」
屋敷「では、朝しばらく寝ていますので、朝の立会をしてもらおうかな、ははは」
佐々木「屋敷先生に迷惑をかけないようしたいと思います」
佐々木「七番勝負についてですが、第5局から指し方が変わったかなと思います。第4局まで角換わりでしたが、三番勝負のつもりで指されているのではないかと思います。第5局は矢倉を用いましたし、明日も角換わりにするかわかりません。われわれ解説陣は角換わりになると考えていますから、広瀬八段も研究に研究を重ねているはずです。そこに踏み込むのかなと思うのです」
屋敷「なるほど、変化球的な指し方になるかもしれないと」
飯島「横歩取りになるかもしれません」
佐々木「羽生竜王が防衛すると、タイトル100期です。どちらにプレッシャーがよりかかっていると思いますか」
屋敷「おそらく、広瀬さんのほうかと思います。たしか、羽生さんの80期目(大山康晴十五世名人と並んで、タイトル獲得歴代一位タイ)は広瀬さんから王位を取ったときだったんですよ。そうした記憶の残像が残っていなければいいなと思います」
佐々木「先ほどのあいさつでは開き直っている感じもしました」
屋敷「これまでのことをリセットして臨もうとされているのかなという感じですか。羽生さんも意識はあるでしょうけど、通過点の一つではないかと思います」
佐々木「結論としては、飯島先生、どちらが勝ちそうですか」
飯島「勝負は時の運ですよね。それしかいえないです」
佐々木「最近先手番が大事で、以前と比べて先手を落とせない展開が多いですね」
屋敷「2日目に大盤解説会があります」
佐々木「皆さん、竜王戦をご観戦ください」
(書き起こし・銀杏)
本日の中継ブログの更新は以上で終了いたします。明日からの第6局をお楽しみに。