2017年11月22日 (水)

前夜祭(1)

20171122imgp1199(國定勇人・三条市長)

「私自身は将棋は門外漢ですが、今回どのようにして竜王戦の対局が三条市で実現できたかを紹介したいと思います。
私が普段から身につけて持ち歩いているのが、歩の携帯ストラップです。地元三条市で長年駒の制作をされている大竹竹風さんのお母さまが100歳になられた記念にいただいたものです。
三条市の経済活性アドバイザーを務めている青山社中の社長を務めている朝比奈一郎さんから「なぜ歩のストラップをつけているのか」といわれました。三条はものづくりの街として知られていますが、竹風駒も世界に誇る、ものづくりの技を駆使したものだとお話しをしたところ、日本将棋連盟の方に紹介してくださりました。それであれば、三条市長と会ってみようというお話しをいただき、その場で竜王戦対局の話が出まして、ぜひとも協力させていただきたい、実現するために応援させていただきたいということでこの日を迎えられました。竜王戦の対局は、たった一つの歩の駒から始まったわけです。でも、一つの駒を通じて多くの方の縁をいただいて、対局開催となったことは望外の喜びです。
嵐渓荘は予約を取りにくいところですが、竜王戦中は数日間完全貸し切りでお迎えいただきました」

20171122imgp1200(中島慎一郎・読売新聞東京本社新潟支局長)

「新潟県での竜王戦七番勝負は6回開催されています。
前期の第7局が南魚沼で行われましたが、昨日のことのように思い出されます。
嵐渓荘の緑風館は燕駅にあった旅館を移築したもので、有形文化財に登録されています。
また、秘湯マニアからは根強い人気と聞いております。
20日の弊紙の新潟県版に駒師の大竹日出男さんを紹介いたしました。今回の対局を盛り立てる一助となればと思います」

20171122imgp1206(森下卓・日本将棋連盟常務理事)

「竜王戦は今回で30期目。棋士としての30年を振り返りまして、感無量です。
第1期は4組で出場しました。現在は3組。30年で一つ上がったことになります。
30年間支えてくださった読売新聞やファンの皆さまに感謝いたします。
昨日は藤井聡太四段が最速の通算50勝ということで理事として取材を受けました。
「時代は藤井聡太さん」と話をしたのですが、それでも実際のところは渡辺竜王と羽生棋聖のお二人であろうと思います。お二人の活躍がないと、将棋界も発展しないのではないかと思います。
嵐渓荘さんにはこのような盛大な前夜祭を開いてくださりありがとうございました。明日からの名局を期待したいと思います」

(書き起こし=銀杏、写真=玉響)