昨日の夕食会で森下九段が話していた12年前の第17期竜王戦第7局。龍言で行われた対局で立会人を務めていた。当時の様子を聞いてみた。
森内俊之竜王に渡辺明六段が挑んだシリーズだ。
第17期竜王戦七番勝負第7局
平成16年12月27日
於・新潟・六日町・龍言
持ち時間 各8時間
▲竜王 森内 俊之
△六段 渡辺 明
▲7六歩 △3四歩 ▲2六歩 △8四歩 ▲2五歩 △8五歩 ▲7八金 △3二金
▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛 △8六歩 ▲同 歩 △同 飛 ▲3四飛 △3三角
▲3六飛 △2二銀 ▲8七歩 △8五飛 ▲2六飛 △4一玉 ▲6八玉 △6二銀
▲3六歩 △7四歩 ▲3八銀 △7三桂 ▲3七桂 △5一金 ▲4六歩 △7五歩
▲3三角成△同 桂 ▲3五歩 △2五歩 ▲1六飛 △8四飛 ▲3四歩 △同 飛
▲5六角 △5四飛 ▲3四歩 △2八角 ▲1八香 △1九角成▲3三歩成△同 銀
▲4五角 △8四飛 ▲3六飛 △4四銀 ▲3四飛 △6五桂 ▲6六歩 △8八歩
▲同 銀 △3六歩 ▲同 角 △2三金 ▲4四飛 △同 飛 ▲4五銀 (図)
△8四飛 ▲3五桂 △2四金 ▲4三桂成△4二歩 ▲3三成桂△5二玉 ▲6五歩
△3五金 ▲5八角 △1八馬 ▲7七銀 △2六歩 ▲8六銀 △7一香 ▲7五銀
△同 香 ▲同 歩 △2七歩成▲8六香 △2四飛 ▲3六銀 △同 金 ▲同 角
△1七馬 ▲2五角 △同 飛 ▲同 桂 △3八と ▲7四桂 △5四歩 ▲3二金 △4九と まで、96手で渡辺 明六段の勝ち。 (消費時間=▲7時間37分、△6時間54分)
「この期は、私が渡辺さんと挑戦者決定戦を戦ったんですね。私も冴えた将棋が指せたわけではなかったのですが、2連敗してしまったんです。渡辺さんは中学生棋士として話題になっていましたが、とても森内さんには勝てないのではないかと思っていました。森内さんの4連勝か4勝1敗で防衛かなと。下馬評もそんな感じでした。私は第7局の立会人をやることになっていましたが、この仕事はないなと思っていました。
第7局の将棋は横歩取りになって、渡辺さんの△8五飛戦法でした。印象に残っているのは、図の▲4五銀と打った局面です。銀を打って先手が厚いと感じていたのですが、感想戦でははっきり先手がよくなる順は出てきませんでした。
終局後は渡辺さんの顔が上気していたのを覚えています。感想戦後の記者会見で渡辺さんが涙していたと、のちに聞きました」と森下九段は当時を振り返った。